ベトナム政府は、本年2月24日、政令20/2017/ND-CPを公布しました。本政令は、
移転価格税制について以前の規定を修正し、また、新たな規定を含んでいます。
これらのうち、今回は移転価格文書について、概要をお伝えいたします。

 まず、この政令では準備すべき移転価格文書として、OECDの税源浸食と利益
移転( Base Erosion and Profit Shifting (BEPS) )の行動13に基づいた3種類の
移転価格文書が規定されています。


・グループ事業に関する情報 (グローバルマスターファイル)
・ローカル移転価格文書 (ローカルファイル)
・国別報告書


そして、これら移転価格文書作成の免除要件が、以下のように規定されています。


・その年度の売上高が500億VND(約2.5億円)以下、
 かつ、関連会社との取引合計額が300億VND(約1.5億円)以下の企業
・事前確認制度(APA)により取引価格を事前に確定する企業
・単純機能の事業を運営する企業であり、1年間の売上高が2,000億VND(約10億円)以下、
 かつ、EBIT(支払金利前税引前利益)の売上に対する割合が次に該当する企業
 →流通業5%以上/製造業10%以上/加工業15%以上

なお、これらの場合であっても、企業所得税の確定申告時には、関連者情報を
所定の様式により所轄の税務局へ提出する必要があります。

 上述の規定により移転価格文書作成の免除を受けられない場合、移転価格文書は、
企業所得税の確定申告時までに作成し、保管しておく必要があります。

また、税務調査時において、税務局から移転価格文書提出要請を受けてから15日
以内に移転価格文書を提出しなければなりません。