今回はみなし外国税額控除について簡単にご説明します。

 みなし外国税額控除(タックススペアリングクレジット)とは、実際に外国
で納税した税金ではなく、あらかじめ決められた税率で計算した税金で納税し
たものとみなして、外国税額控除を受けられる制度です。


 みなし外国税額控除は租税条約によりその適用があるかどうかが決まります。
新興国などで自国の経済開発促進のために外国からの投資を優遇する租税上の
特別措置を講じている場合であっても、全世界所得課税により、優遇措置を受
けた所得も相手国で課税所得に取り込まれてしまうことがあります。こういっ
た優遇措置の効果を減殺しないように、相手国で優遇措置により減免された租
税についても減免前の税額で納付したものとみなして、外国税額控除の適用を
受けることを認めています。


 例えば、中国子会社からロイヤリティ100を日本の親会社が受け取ってい
る場合は次のとおりとなります。

 ロイヤリティは、使用料に該当し、中国では、10%の源泉徴収が課されま
すので、10の納税が発生します。日本の親会社は90の手取り分を受け取り
ますが、日中租税条約の適用を受けた場合、日本の親会社は20を納税したも
のとみなして、外国税額控除を受けることができます。日本の親会社は、申告
の際に支払った10ではなくて20の税額を控除します。


 以上のように、この制度を適用すれば実際に納税していない税金を納付した
ものとみなして、外国税額控除を受けることが可能となり、その分だけ日本の
親会社の租税負担を減らすことが可能です。くれぐれも適用漏れのないように
注意が必要です。