ベトナム法人の法的代表者、会長(出資者の代表者)や社長はベトナムに常
駐しなければなりません。そして、ベトナム法人の法的代表者が30日以上ベ
トナムを不在とする場合には、その権利及び義務を書面にて他の者へ委任しな
ければなりません。法的代表者は、契約書などにサインをする権利を有する者
となります。

 ベトナムに進出される企業の中には、日本本社の社長がベトナム法人の社長
を兼任され、ベトナム法人の法的代表者となる事例も多く存在します。このよ
うな場合、ベトナム法人の法的代表者は、常にベトナムを不在にすることとな
ります。ベトナム法人の運営には、法的代表者の委任状が必要となります。

 一方、代表者といっても、駐在員事務所の所長には常駐義務はなく、不在時
にも書面にて権利及び義務を委任する必要はありません。

 代表者が不在時のベトナムにおける法人や駐在員事務所の運営は、委任状を
作成するなどして行うことができます。しかし、不在であるからといって、ベ
トナムにおける個人所得税の納税義務を免れることはできないという税務の問
題があります。

 通常、いわゆる183日ルールをクリアしていれば、ベトナムにおいて個人
所得税の納税義務はありません。ベトナムにおいて、この183日ルールの免
税適用を受けるには、ベトナム税務当局に書面申請してその適用を認めてもら
うことが必要となります。しかし、代表者がこの免税適用を受けることは、実
務上、困難となっています。後に税務調査などで指摘された場合、最大で納税
額の3倍の罰金が科されることとなります。
 ベトナム非居住の場合であっても、代表者のベトナム個人所得税納税にはご
注意ください。