平成29年12月14日、政府与党は「平成30年度税制改正大綱」を公表しました。
平成29年度改正にて総合的に見直しが行われた外国子会社合算税制については、
平成30年度改正で追加的な整備が行われます。そのうちの一つである、海外M&A
に伴う海外子会社等再編円滑化措置について、ご説明致します。

 日本企業による海外M&Aにおいて、買収後の経営統合の一環として傘下に入っ
た外国の不要なペーパーカンパニー等を整理することがあります。その際、そ
のペーパーカンパニー等に株式譲渡益が生じて、合算課税の対象となることが
あります。この租税負担を軽減し、円滑な事業再編を推進するため、下記のよ
うな要件を満たす株式の譲渡益については、会社単位の合算課税の対象から除
外されることとなります。

 この改正は、外国関係会社の平成30年4月1日以後に開始する事業年度から適
用されますが、実務上注意すべき点は、譲渡期間が定められていることです。
過去に買収したペーパーカンパニー等についてもこの措置を適用することはで
きますが、譲渡期間に当てはまるように再編スケジュールを組むことが必要で
す。


(1)譲渡者(特定外国関係会社等)
 特定外国関係会社または対象外国関係会社(一定の内国法人が株主等である
 ものを除く。)

(2)譲受者
 譲渡者に係る内国法人または他の外国関係会社(特定外国関係会社等に該当
 するものを除く。)

(3)期間
 ①原則
  特定関係発生日から当該特定関係発生日以後2年を経過する日までの期間
  内の日を含む各事業年度
  特定関係発生日…居住者等株主等による譲渡者に係る直接・間接の株式保
  有割合等が50%を超えることとなった場合における当該超えることとなっ
  た日
 ②特例
  譲渡者の平成30年4月1日から平成32年3月31日までの間に開始する各事業
  年度については、特定関係発生日から当該特定関係発生日以後5年を経過
  する日までの期間内の日を含む各事業年度

(4)対象株式等
 外国関係会社(特定外国関係会社等に該当するものを除く。)の株式等で譲
 渡者が特定関係発生日に有するもの

(5)計画書に基づく譲渡
 外国関係会社に該当することとなった外国法人の統合に関する基本方針およ
 び統合に伴う組織再編の実施方法等を記載した計画書に基づく譲渡であること

(6)譲渡者の解散が見込まれること
 譲渡の日から2年以内に譲渡者の解散が見込まれること


※対象株式等を発行した外国関係会社の合併、解散による残余財産の分配その
 他の事由による譲渡益は、この措置の対象外です