2017年10月17日に、国家税務総局公告(2017)第37号「非居住企業所得税
源泉徴収に関する問題の公告」が発表され、2017年12月1日に施行されることと
なりました。子会社である中国現地法人を含めた中国企業と取引を行う日本企
業にとって、影響のある規定ですので、今回はこちらを紹介させて頂きます。

 主な改正点は下記のとおりです。
1.契約の締結時に求められていた契約書の届出義務の廃止
2.配当の際の源泉徴収義務の発生日の改定
3.持分譲渡を分割して取引する際の源泉徴収方法の明確化

上記改正点につき、下記に説明させていただきます。


1.契約の締結時に求められていた契約書の届出義務の廃止
従来まで、特許権使用料、持分譲渡等の財産譲渡所得に係る契約を締結した際
には、契約から30日以内に登記することが求められていました。
(国税発(2009)3号)
今回の37号規定により、納税者の負担軽減を目的に廃止されています。
ただし、役務提供収入等の非貿易取引で5万米ドル以上の送金を行う際に求め
られている税務局への届出義務は廃止されていないので、ご留意ください。


2.配当の際の源泉徴収義務の発生日の改訂
従来は、配当の納税義務の発生日は配当決議日とされていました。
(国家税務総局公告(2011)第24号)
今回の37号規定により、納税義務の発生日は実際支払日とされ、上記旧規定の
関連条文は廃止されています。
なお、納税義務の発生日より7日以内に申告納税を行うこととされています。


3.持分譲渡を分割して取引する際の源泉徴収方法の明確化
持分譲渡を分割して取引する場合、全てを単一の取引とみなし、先行する分割
される収入から、順に持分原価を控除することとなりました。
具体的には、37号規定の解釈の事例を用いて、下記のとおり、説明します。

例:持分譲渡収入1,000万人民元、持分譲渡原価 500万人民元
(収入は第1回目300万、第2回400万、第3回300万の3回に分けて支払われる)   
  ⇒ 第1回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得0 
   (譲渡収入300万から譲渡原価500万のうちの300万を原価とする)
  ⇒ 第2回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得200万元
   (譲渡収入400万から譲渡原価500万のうち、のこりの200万を原価とする)
  ⇒ 第3回目の源泉徴収額の計算
    譲渡所得300万元
   (譲渡収入300万に対し、譲渡原価は上記2回で費消しているため、原価0)


 配当、持分譲渡等の取引がある企業につきましては、上記規定にご留意くだ
さいませ。