海外子会社を含めた資本政策の一環として、親会社から海外子会社へ貸付を
するケースが多くあります。当然、グループ経営として、銀行から借りるより
もグループ内で融通したほうがグループ外へのキャッシュアウトがなくなりま
すし、金利の面でも有利な条件で貸そうという流れとなりますが、注意が必要
です。

 国税庁事務運営指針2-7「独立価格比準法に準ずる方法と同等の方法によ
る金銭の貸借取引の検討」を要約すると、海外子会社が親会社の保証なく単独
で、同様の条件の下で銀行等から融資を行う場合に付されるであろう金利で貸
さないとその差額は移転価格になりますという記載があります。


 すなわち、同じ通貨で、同じ時期に、同じ期間、借りる場合の金利で貸さな
いと移転価格だといわれてしまうのです。


 公表されている事例として、東証1部上場のホクトは米国子会社への貸付金
を巡り金利が不当に低く、海外に所得を移転させたという否認事例があります。
これは上場企業の例ですが、移転価格税制の調査は中小企業にもすでに及んで
おり、対岸の火事ではすまない状況です。


 安易な金利設定はせず、子会社所在国の外国通貨での金利水準を見極めた上
で、金利を決定するなど一歩踏み込んだ検討が必要です。