先日、立て続けに移転価格のご相談があり訪問をさせて頂きました。業種・
業界は異なる年商規模100億円前後の会社でしたが、ご相談の経緯は非常に似
ていて興味深いものでした。

 両社とも国内で一般の法人税調査を定期的に受け、その都度、調査指摘事項
の是正をくり返している内に国内取引の指摘事項が少なくなり、今度は海外子
会社との関係の指摘事項が増加してきたと言います。
 
 指摘内容は、親会社から子会社への貸付金利の設定や、現地法人への出張者
の役務提供の有無や対価のやり取りがあるか、経費負担はどちらがすべきもの
か、という内容であったといいます。これらは海外子会社との関係であり本質
的に移転価格項目でありますが、比較的容易に確認ができ一般の法人税調査と
同時に行われ簡易な移転価格項目と呼んでいます。


 親会社からすると、海外子会社の現場はよくわからず、人的接点も少なくコ
ントロールが難しいが、税務調査で指摘され是正せざるをえないことから移転
価格の文書化を作成する必要があると認識されご連絡を頂戴しました。


 さて移転価格文書化とは、各会社間で取引される取引価格の算定に関する基
本方針を定めることを言い、単に税務上の問題だけでなく経営にとっても重要
な方針決定となります。そして、経営上重要な方針を定めてゆくに当たり、上
記のような簡易な移転価格項目には基本的に対応していることが前提になりま
す。


 是非一度、関連者間の費用負担がどうなっているかを確認して頂き、そのルー
ル化についてご検討を頂くとよろしいかと思います。この際、「受益者は誰か」
とお考え頂き、受益者が費用負担しているかどうかを確認して頂くと判り易い
のではないでしょうか。お試しください。