税理士法人名南経営 国際部ブログ

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カテゴリ: 中国

 中国現地法人は12月決算です。決算数値が確定する、すなわち年度監査が完成するのが翌年3月頃となりますが、決算を迎えるにあたり、確認いただきたい事項を今回は案内させていただきます。

1.現金預金残高の突合
各金融機関のエビデンスを取り寄せて確認をお願いします。
現金についても、実際有高と出納帳のチェックを、いつ、誰が行うか検討をお願いします。

2.売掛金、買掛金
個別残高について確認をお願いします。
想定の入金・支払スケジュールと異なる残高になっていないか確認をお願いします。
また本社と取引のある場合は、残高が合っているか、本社数値とのすり合わせをお願いします。
手数料相当の差額等で残高が残っているようなケースは、このタイミングで整理をお願いします。

3.在庫
商品別残高について確認をお願いします。
長期滞留在庫が処理されないまま残っているケースや、セット販売される在庫が出荷処理されないまま残っているケースもあります。
実地棚卸についても、実施時期を確認し、差異についてどのように処理されたか確認をお願いします。
廃棄が必要な場合、金額が大きくなる場合は、廃棄監査を受けることも検討が必要です。

4.その他未収金、その他未払金
個別残高について確認をお願いします。
その他未収金については、発票回収前の支払い、賃借保証金、従業員仮払金などが計上されています。内容および精算するタイミング等確認ください。
その他未払金については、前受金などが計上されています。
前受金については、売上計上時期を確認し、利益操作などがないよう確認をお願いします。

5.借入金
親子ローンを実行している場合は、本社数値とのすり合わせをお願いします。
合わせて、期間、利息等の情報も確認いただきますようお願いします。
中国においては、現地法人に資金が不足した場合、当局に申請をしなければ資金投入できないため、その手続き期間を含めて、資金繰りに留意することが必要です。

6.優遇税制
中国においては、優遇税制の適用が限定的であり、あまり節税対策の余地がないのですが、小規模事業者における企業所得税の優遇税率5%適用は「資産総額5000万元以内」「従業員300人以下」「課税所得300万元以下」の要件を満たす場合に適用可能です。上記要件を満たすことができない場合は、基本税率25%が適用されることになるので、ご留意ください。

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 中国政府は、日本を含む40か国以上のパスポート保持者を対象とした短期滞在ビザ免除措置を、2026年12月31日まで延長すると発表しました。

 この制度により、日本のパスポートを持つ方は、観光・商談・親族訪問などの目的で30日以内の滞在であればビザなしで入国できます。対象はあくまで短期滞在に限られ、就労・長期駐在・留学などの場合は、従来どおり所定のビザ申請が必要です。

 このビザ免除措置は2023年末に試験的に導入されて以降、中国を訪れる外国人の増加に大きく貢献しています。
 中国国家移民管理局によると、2025年第3四半期には、ビザ免除制度を利用して中国を訪れた外国人が延べ約724万人に達し、外国人全体の入国者数の7割を超える規模となりました。
 人の往来の回復を受け、今回の制度延長は観光や経済交流を一段と促進することを目的としているとみられます。

 企業にとっても、中国出張や現地取引先との打ち合わせ、展示会参加などの手続きが簡素化されることで、ビジネス機会の拡大につながります。
 一方で、短期滞在中に現地法人の業務に実質的に関わる場合は「就労」と判断される可能性があるため、活動内容に応じた適切なビザを選択することが重要です。
訪問頻度が高い場合や現地での商業活動が想定される場合は、Mビザなどの取得をご検討ください。 

2025年10月15日から、中国における不正競争防止法の改正が施行されます。
今回はそのポイントを取り上げたいと思います。

改正版:不正競争防止法


【混同行為の規制強化(第7条)】
混同行為とは自己の製品が他人の製品であるかのように、または他人と特定の関係があるように誤認させる行為とされています。

具体的には商標はもちろん、ドメイン・アカウント名・アイコンの無断使用や、他社の商標等を検索キーワードに設定することも規制対象となっています。
    

【収賄の禁止(第8条)】
取引の機会または競争上の優位性を得るため、賄賂を贈ってはならないこと、ひいては、受け取ってはいけないことが規定されています。また従業員による賄賂は、その従業員が属する組織(→法人)の行為とみなされることとなっています。

従業員が収賄を受けていた場合に現地法人のリスクとなるため、就業規則で収賄禁止を改めて明確に記載、認識させ、こういった研修を定期的に実施する等の対応が求められることになりそうです。


【大企業による支配的地位の乱用禁止(第15条)】
中小企業に対して、明らかに不合理な支払条件、支払方法の受け入れや、代金の支払いを遅延させてはならないこととなっています。

先日も別の通知で大企業は60日以内に代金を支払わなくてはいけないというものや、自動車業界団体が、「完成車メーカーと部品サプライヤーの支払い規範」を発表し、その中でも最長60日以内に支払うことや、中小サプライヤーには現金や銀行保証つき手形での決済を行うなど政策的に進めようという意図が見受けられます。

 中小企業への代金支払等に関する法令である「中小企業への代金支払い保障条例(保障中小企業款項支付条例)」(国務院令第802号)が改訂され、今年6月1日より改訂後のものが施行されました。

 当該法令は2020年に制定されて以来、支払行為の規範化や中小企業の資金繰り悪化に伴う「返済難」問題を緩和する上で重要な役割を果たしてきましたが、経済環境の変化や中小企業の経営体質をより強化する目的のため改正が行われました。

 具体的には、大企業は貨物・工事・サービスの引渡日から60日以内に代金を支払うことが明確に規定されました。

 大企業・中企業・小企業・零細企業の企業区分につきましては、下記HPの最下段に業種別の分類表が添付されていますので、ご確認ください。

 とはいえ、これが実際の商取引にどこまで反映されるかは今後の運用を待つ必要がございます。
ただ、実際に中国自動車メーカーとの取引で手形決済含め1年近くの資金回収となるという状況もこれまで散見され、商取引の立場の違いにもとづくしわ寄せが中小企業の大きな負担となっていることから、このような動きになっているものと思われます。

 ただでさえ、中国企業との取引においては、債権回収が日系企業の大きな課題であったところ、こういった動きを認識しつつ、より望ましい取引関係の構築を期待したいところです。

 7月に入り、24年12月決算に伴う中国現地法人の年度対応もようやく終わりました。
 中国現地法人を有する日本本社側では、このタイミングでぜひ行っていただきたい確認事項があります。
 今回は、こちらを案内させていただきます。

年度監査報告

・関係会社残高の確認
本社含めた関連会社との取引から生じる債権・債務残高が一致しているかどうか。年度監査の手続きの一環で残高確認が届いているケースもあるかもしれませんが、本社側関連会社側の認識している残高と一致しているかどうか確認ください。

・未処分利益の確認
貸借対照表上の「未処分利益」の部分が配当可能利益となります。ただし、資本金の50%に達するまでは、毎年利益の10%を未処分利益から利益剰余金として積み立てる必要があります。配当したことのない現地法人の場合過去に利益計上した年があっても、利益剰余金の積み立て処理がなされていない事例もありますので、ご確認ください。

企業所得税の確定申告

・納税額の計算
監査報告書のPLをベースに計算されているはずです。まずはその数値が一致しているか、ご確認ください。
申告書の表示はPLの税前利益を計算し、その後、課税所得を計算するための、加算事項・減算事項を加算・減算します。その後、税金計算となり、まずは25%の基本税率をかけて税額計算を行い、小規模優遇等に該当すれば、減額計算を実施し、最後に既納付額を控除して、最終納税額を計算する流れです。

・納税調整項目
上記税額計算における加算事項・減算事項の内訳が表示されています。
「帳簿金額」「税務上の金額」「調整増」「調整減」という並びで内容に対する加減算を表示しています。
共通して出てくる可能性が高いのは交際費の加算調整(帳簿額の60%まで損金算入。ただし、売上の0.5%が上限)となります。

・繰越欠損金明細表
日本同様、中国においても繰越欠損金の控除が5年間認められています。利益計上が出来ないまま経過する場合は、5年を経過した時点で消滅することになります。
過去に欠損金があって、今後利益計上が見込まれる場合には、納税スケジュールに影響を与えるため、必ず確認をしておきたい内容となります。

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