税理士法人名南経営 国際部ブログ

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カテゴリ: 海外進出

 進出を検討するための事前調査段階で気をつけていただきたいポイントにつ
いて記載させていただきます。

 1つ目は、事前に調べられる項目をピックアップしておくことです。各国の
基本要件データや業界特有データなど必要な項目をピックアップしてから事前
調査を行うことにより各国のデータ量のばらつきが減ります。これらについて
は事前に日本で調べられる項目も数多くあります。整理してから進めることが
ポイントです。また、現地のコンサルタント等に日本からアプローチすること
も重要です。いざ、現地に行って困らないために事前のピックアップをお願い
します。

 2つ目は、たまたまの出会いに視野を狭くしないことです。日本や進出予定
国でたまたま出会った日本語のできる進出予定国の方と共同で事業を行うケー
スや、その方の言うことをそのまま信じて進出をしたケースが数多くあります。
出会いを大切にすることは重要で成功例もありますが、それ以上に失敗例もた
くさんあります。ここで重要なことは騙すつもりで言ったのではなく、日本と
の常識や制度、考え方の違いによって結果失敗に終わった事例も多いというこ
とです。信用した相手であっても両国の違いを把握したうえで、進出を決めて
いただきたいと思います。

 最後の3つ目は仮説を立てることです。各国を調べていくなかで自社の進出
に適していそうな国が出てきます。そこでそのイメージにより仮説を立てます。
ここで重要なことはまだ1つに絞らず2つもしくは3つ残し優先順位を決めて
おきます。これは1国に絞ってしまい現地調査で仮説が外れた時に一からやり
直すことを防ぐためです。

 事前調査前のポイントを挙げさせていただきました。事前調査をした後、現
地に出張して調査となりますが、現地に行って確認しないとわからないことも
たくさんあります。現地調査を有意義なものにするためにも、事前調査をまず
はしっかり行うことをお勧めします。

  日本本社での海外子会社管理や現状把握についての相談が増えています。海外
進出企業は多様化しており、本社規模も様々です。そうした中で、海外子会社管
理へ投資できる経営資源(ヒト、モノ、カネ)は会社によって異なります。経営
資源が多い会社であれば資源を投入し、管理をしていますが、経営資源が比較的
少ない中小企業では管理に問題を抱えるケースが多くなっています。

 最も多い相談の1つが業績把握のズレです。海外子法人を管理できず、現状の
業績を把握できない、というものです。
 考えられる原因が2つあります。言語の問題と会計制度・申告制度の相違の問
題です。言語の問題は言わずとも知れた内容ですが、会計制度・納税制度の相違
はなかなか手をつけられないようです。その中身を紐解いてみると実際は「計算
方法が違うので、でてくる結果(業績)が違う」といったいたってシンプルな仕
組みになっていることがほとんどです。

 この問題を解決するためには、海外子会社の試算表・決算書が現地法制度上ど
のように構成されているかを把握することが重要です。海外子会社の試算表・決
算書の構成内容を把握することによって日本本社の試算表・決算書との違いを把
握できます。
 これが分かれば、どちらが歩み寄るのかを決めることになります。歩み寄るこ
と自体はそこまで難しくないことが多いです。(現状把握で問題が大きくなるこ
とはありますが)
 計算方法を合わせて、正確な業績把握をしていきましょう。

 企業が海外進出をするにあたっていくつかの手順を踏む必要があります。
今回はこの手順について記載させていただきます。

 手順を大きく分けると「海外進出検討段階」、「海外進出準備段階」、
「生産・営業準備段階」の3段階になります。この3段階の中で、最初に行
う「海外進出検討」をさらに細分化すると以下の通りになります。

1.自社の経営理念・ビジョンの明確化と海外進出目的の明確化
2.進出のための情報収集(国内にて)
3.簡易計画書作成
4.現地調査
5.事業計画書作成
6.最終的な意思決定

大切なことは最初に行う「自社の経営理念・ビジョンの明確化と海外進出目
的の明確化」です。海外進出の目的が自社の理念・ビジョンに合っているの
かを確認します。

 下記の問いかけに明確な答えを持っている必要があります。
・なぜ海外なのか、国内ではダメなのか。
・なぜ今なのか、時期の検討はしたのか。
・海外進出のための体制はできているのか。人材はいるのか。

この部分が確定していない場合、2~6に一貫性がなくなり計画を作成して
も実現性が低くなります。

 昨今は規模の大小にかかわらず海外進出を検討する企業様が増加しており
ます。進出ありきになってしまい、海外進出が企業の手段でなく目的になっ
てしまっていないか確認が必要です。タイミングを逸しないためにスピード
も大切ですが、自社の理念・ビジョンの手段として必要な戦略なのかじっく
りご検討をされてはいかがでしょうか。

 JICAホームページにて「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の2018年度第
二回公示が、9月18日にされました。
 事前登録締切は10月4日(木)正午、企画書提出締切は10月15日(月)正午
です。

 日本の中小企業の海外展開を支援する政府開発援助事業が2012年から開始
され今年の8月末までに実施件数は715となり、中小企業の海外展開の支援
の一つとして浸透されつつあります。

支援事業はJICAが窓口となり、
「基礎調査」「案件化調査」「普及・実証事業」の3通りあります。

 特に今後はアフリカ等発展が遅れている地域への後押しに力を入れていく
ことになりそうです。
 現在の自社の海外展開の位置づけを踏まえ、上記支援事業を検討されては
いかがでしょうか。

 中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業の平成30年予算案額が昨年末
に発表されました。内容を確認すると8月に発表された概算要求から海外EC活
用型テストマーケティング事業、事業再編等支援が外れましたが、海外展開戦
略策定支援は要求通りとなりました。

 海外展開戦略策定支援は海外展開戦略作成に繋げるため海外現地における事
業の実現可能性調査やWebサイトの外国語化等を支援することであり、具体的
な補助内容は、輸出企業の場合は補助上限が50万円で補助率が1/2、直接投資
の場合は補助上限が140万円で補助率1/2、Web支援の場合は補助上限が100万円
で補助率が1/2となっております。また、投資実行時のリスク精査を支援する
ことも記載されています。
参考 中小機構海外ビジネス戦略推進支援サイト
http://www.smrj.go.jp/sme/overseas/strategy/index.html
 
 平成26年から5年間の事業となるため平成31年予算から海外展開支援に関する
内容が大きく変わる可能性もありますので、上記の補助金制度等の利用を検討
中の事業者様はご利用いただければと思います。

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