税理士法人名南経営 国際部ブログ

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カテゴリ: ベトナム

 日本に入国する際は、事前にVisit Japan Webで税関申告情報を登録することで、税関手続きを迅速に完了できる制度がありますが、ベトナムでも同様の手続きの試験運用が開始されています。

 ベトナムの主要空港(ハノイ・ノイバイ空港、ホーチミン・タンソンニャット空港、ダナン空港など)では、ベトナム出入国管理局の要請により、外国人の入国に際して事前申告登録制度が試験導入されています。入国前に個人情報をオンラインで申告し、申告後に取得したQRコードを空港の入国審査官に提示することが求められます。これにより、入国審査の効率化と迅速化が図られるため、利用が推奨されています。将来的には、登録者専用の入国審査窓口の設置も検討されています。

 本登録はベトナム入国の3日前から申告可能で、日本語を含む複数言語に対応しています。登録完了後に送付されるQRコードを入国審査窓口で提示することで、手続きを行うことができます。本制度は外国籍の方が対象であり、ベトナム国籍の旅客は対象外です。

 登録は以下をご参照ください。

ベトナム出入国管理局
・訪問者向け到着前情報提出
 (なお、本登録に料金の支払いはなく、クレジットカード情報の入力もありません。偽サイトや高額代行サイトには十分ご注意ください。)

 現在は試用期間中ですので、ベトナムへ入国される際にぜひお試しください。

 ベトナムにおける個人所得税上の居住者・非居住者の判定は非常に重要になります。居住者の場合、全世界所得に対して課税されるのに対し、非居住者の場合、ベトナム源泉所得に対して課税されるため、税負担が大きく異なります。判定には一般的に183日ルールが浸透しており、滞在期間が183日未満であれば非居住者、183日以上であれば居住者といった認識をお持ちかと思います。ただし、滞在期間だけ注意すれば問題ないわけではないので、今回は居住者認定されるケースをご紹介します。

ベトナムに居住住所がある場合
 ベトナム国内において賃貸期間が183日以上の居住住所やレジデンスカードを保有している場合、他の国での居住者である証明がないと居住者認定されるリスクがあります。居住者である証明とは日本では税務署にて発行する居住者証明書になります。
(参考:国税庁HP)
・No.9210 居住者証明書の請求

 ベトナムでレジデンスカードを取得し、出張ベースで滞在する場合は、居住者認定を回避するために日本の税務署にて居住者証明書を取得することをお勧めいたします。詳細は専門家にご相談ください。

 ベトナムはハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に加盟しました。2026年9月11日から効力が発生いたします。ハーグ条約への加盟により、日本の公文書をベトナムにて有効にする領事認証手続きが不要となり、公印確認のみで有効になります。そのため、在日ベトナム大使館等での手続きが不要になります。これにより、ベトナムでの法人設立、ライセンス変更、労働許可取得などで日本側にて必要な手続きが変更となるので留意が必要です。

・今までの手続き
公証人役場→法務局→外務省→在日ベトナム大使館等
・今後の手続き
公証人役場→法務局→外務省

公証人役場→法務局→外務省の手続きに関しては東京都、大阪府、愛知県、福岡県等の公証人役場にて外務省公印確認までワンストップで進めることが可能です。


 ハーグ条約に加盟し効力が発生した直後のベトナム当局の取り扱いについては、混乱も予想されます。あらかじめ書類提出前に当局へ確認するか、専門家に相談することをおすすめいたします。


 日本からベトナムに進出する企業が増加する中、M&Aを通じた進出や撤退の相談が増加傾向にあります。これまでベトナムでは、資本取引に対する課税が曖昧であり、外国企業がベトナム企業の資本や証券を売買する際の税務処理が不透明な側面がありました。この課題に対応するため、2025年12月15日に政令320/2025/ND-CPが施行されました。

 本政令では大きく分けて「資本移転」と「証券譲渡」の2種類の取引に関して課税ルールが定められています。

①資本移転
主に有限責任会社に関する資本取引が対象になります。税額は譲渡額に対して2%の法人所得税が課されます。これは売却代金に対する税率であり、譲渡益ではなく譲渡額に基づいて課税されます。

②証券譲渡
外国法人が株式会社の証券(株式や債券など)を売買する場合に対象になります。税額は譲渡額に対し0.1%の法人所得税が課されます。

 なお、グループ企業間の再編に関しては、一定の条件を満たせば課税が免除される特例が設けられています。グループ内での資本構成の見直しや再編が円滑に行えるよう配慮されています。

 この政令以前は譲渡益に対して20%の課税であったため、譲渡損が出た場合の課税に関して留意する必要がありませんでした。今後は譲渡損であっても課税関係を検討する必要が出てきました。

 M&Aにてベトナムへ進出・撤退する場合の税務に関しては専門家に相談することをお勧めいたします。

 日本では、物価高や賃上げへの対応として、所得税の基礎控除や給与所得控除の金額が改正されました。いわゆる「103万円の壁」への対応です。ベトナムにおいても、基礎控除や扶養控除に関する改正が予定されています。

 ベトナム財務省は、個人所得税の改正案「13536/BTC-CST」を発表しました。主な内容は、税率の見直し、基礎控除額の見直し、課税対象の明確化、納税義務者の定義、申告手続きの改善などとなります。ここでは、所得に直接影響する税率の見直しと基礎控除についてご説明いたします。

〇税率区分の見直し
現状では、5%~35%の税率を5%刻みの7段階です。
改正案では、5%~35%の税率を5~10%刻みの5段階に変更されます。

改正案(月額課税所得)
  • 1,000万VND以下:税率 5%
  • 1,000万VND超~3,000万VND以下:税率 15%
  • 3,000万VND超~6,000万VND以下:税率 25%
  • 6,000万VND超~1億VND以下:税率 30%
  • 1億VND超:税率 35%
〇基礎・扶養控除の見直し
現行→改正案

基礎控除の額(月額):1,100万VND(約6.1万円)→1,550万VND(約8.7万円)
扶養控除の額(月額):440万VND(約2.4万円)→620万VND(約3.4万円)
(※為替レートは178 VND/JPYで計算しております。)


 上記改正案が決定されれば2026年度に適用される見込みです。赴任者の手取り保障や従業員の給与計算に影響が出る見込みです。詳細は専門家に確認することをお勧めいたします。

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