１４日目

想像してたバイオレンスな事態も発生せず、
和やかに筋トレに励んでいますボンソワー

なんだかこれはこれでつまらないかんじ！

やっぱりこう、世の中ってのはさ

血まみれで指立て伏せを続ける男。
声を涸らしながらスクワットを続ける女。
妻子を捨てて腹筋をする漢。
飲食を断ってバンジージャンプを繰り返す勇士。

そんな浪漫溢れる筋肉ヒューマン達の闊歩する夢世界であるべきだと思うの！

そしてそう思うからには「隗より筋トレせよ」よね！

……というわけで私は二つ目やるけど、仮面は一つ目と三つ目どっちがいい？
あ、「血まみれ」って部分なら気にしないで！　私が何とかしてあげるから！

１３日目

いやぁ、まいったまいった。
眼鏡の子は強かった！　
やはり近代科学力の前では私の筋肉パワーですら無力ってことなのかしら

……いいえ、そんなはずないわ！
私の尊敬するサー・マッスルも言ってたもの。

「諦めたら、そこで筋トレ終了だよ」

って！


そうよね、過ぎ去ったことを悔いてクヨクヨしても仕方ないし、
これ以上殴ったら仮面も本当に旅立っちゃいそうだから、
今回の敗戦は水に流すことにしよう！　


……故郷の歌、思い出しちゃった。

　土に根を張り　風と共に体を鍛えよう
　種と共に有酸素運動し　鳥と共に筋肉美を追求しよう

そうよ、私は初心に帰って一からやりなおすべきだったのよ！

えーと　ってことは　つまり


……マイケルはどこだ？

１２日目

口笛はなぜー　遠くまで聞こえるの
シャイニングフォースはなぜー　わたーしを待ってるの！

あのにっくきエンシェントレストを叩きのめした私たちの前途は明るい！

と　思って　いたら

あれあれ　なんだか目の前に小さな子供がいるよ
あれあれ　なんだか強い人たちをあいてにボコボコやってるよ

おかしい　おかしいわ。　私は確かウサギさんや鳥さんと遊ぶ予定だった
一緒にバーベキューごっこをして遊ぶ予定だった
私が焼く役。彼らは焼かれる役
凄く楽しくて凄くおいしくて（わたしの）お腹もいっぱいになって一石三鳥！
とってもワクワク！

のはずだったのに

なのになぜ。

目の前では凄絶な戦いが繰り広げられているのか

なぜ。

目の前の少年の瞳は私を見据えているのか

仕方ないからスクワットをしてみたけど、事態は一向に好転しなかった。何故？

もう仕方ないからやるだけやってみよう

なぁに、負けても予定に大きな影響はないもの！

ただバーベキューごっこで焼かれる役が、隣で箒に跨ってるヤツに変わるだけだもの！

というわけで


ゴー！

１１日目

今日も筋肉ファイトだナイスアケボノ

石ころころころころっころ

歩いてる不思議な石さんを私のセクシーマッシヴな魅力でメロメロにしてみた！
戦闘中はあんなに私のヒラメ筋に夢中だったくせに、石さんはなぜか仮面の元に

許せない
こいつはメチャ許せない！　

……でも私は心の広い女だもの
そうよ、世紀末筋肉覇王マッスルさんも言ってたじゃない
妬まぬ！嫉まぬ！省みぬ！

ここは仮面を祝福するくらいの度量を見せてこその筋肉よね！

うーん、どうしようかな


あ、リンゴとかオレンジを手で絞ってジュースにしてるの見たことある
あれと同じことをして飲み物をプレゼントしようかな。

でも今私果物持ってないから……

そうだ！　今日拾った石ころ！　私なら絞れる！

よーし決定！　今度飲ませてあげよう！
飲んだ後の仮面の喜んだ顔、今から楽しみだ！

１０日目

今日は新しいお友達が出来るらしい。
なんとその名もマッスルおしとやか！
凄い！上流階級の匂いがする！私なんだかワクワクしてきたゾ！

私もプロテインを探求する身の人間なれば、
やはりロココ調腕立て伏せとか、バロック式スクワットなんかを体得しておく必要があるわ！

今回はソレをおしとやか・ザ・マッスルに習う絶好の機会！

早速挨拶に行こう！


「おしとやか筋肉さん、ナイスバルク（良い筋肉）！」

おしとやか「ごきげんよう」


あれ？なんだかほっそりしてる。
おかしいなぁ？　ああそうか　きっとあの筋肉妖怪のトグロ・マッスルさんみたいなタイプだ。

ということは一発ブチかませば本気の力を見せてもらえるわ！

せーの


エレクトリカルマッスルフィーバー！！！




あれ？　　やべ

９日目

頭痛がする。吐き気も！

プロテインの木に散々頭突きをかました後のあの大惨事。
シャイニングフォースは盲点だった！
脳天直撃な何かと縁が深そうな名前して！

シャイニングウィザードなら得意分野だったのに……

こうなったら、また一から自分を鍛えなおすしかないわ！
いつまでも同じところにいたら、体脂肪率も０％にはならないもの！
しばらくさようなら、焼き芋屋のおじさん！マッスルドリンク屋のおばちゃん！　
カラスノエンドウ！　そしてプロテインの木！！
また会える日を楽しみにしているわ！


さぁ、武者修行の旅の始まりよ！　　



あ、落ち武者だ

８日目

今日も筋肉ファイトだナイスビーフ

ガンクロー先生との死闘を制し、心なしか筋力も増した気がする！
今日も元気にプロテインの木を探すよ！


やや、何やらむこうに今までみたことも無い木を発見！
色は灰色。天を衝くように真っ直ぐに伸び、枝葉は全くと言っていいほど見受けられない。

これだ

これがプロテインの木に違いない。間違いない。まちょがいない
ということは、この木を揺らせばプロテインが……！
いっくぞー！　

　地獄頭突き！

痛い。頭がとても痛い。
渾身の力を込めてアタックしてもプロテインは落ちてこない。
なんてしぶといの！　でも諦めない！

　地獄頭突き！地獄頭突き！地獄頭突き！

……ビクともしない。
さすがはプロテインの木。生半可な実力の者にその恵みを授けることはない、ということなのね！

いいわ、悔しいけど認める。
今はまだ、私にはプロテインを手にする資格はないかもしれない。

でも。

でも、私は諦めたりはしない！　
もっと強靭な肉体と、強靭な肉体を手に入れて再びここに戻ってくる！
だからそれまで、待っててね、プロテイン！

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３日目

今日も筋肉ファイトだベジタブル。
意気揚々と徘徊してプロテインのなる木を探そうとする私。
ところがさっきから何か変な人が後をついてくる。箒を片手に楽しそう。

本来ならそんな些事に気を取られる私じゃないのだけど、今回は少々事情が異なる。
問題として、この仮面、常に私に追尾しながら道を掃いているのだ。
前方を掃いて回るなら理解も出来るが、常に私の通った後を掃いている。
何故だろう　凄く殴りたい

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