絵本も読めない子どもたち
幼児1人にかける教育費が月平均1000円未満の世帯は2005年の11.7%から23.3%に倍増するなど、支出が減っていることが、ベネッセ次世代育成研究所の調査でわかった。
習い事や絵本、おもちゃ購入などにかかる月平均教育費は、「1万円以上」の世帯が前回の31.1%から17.6%に減る一方、「1000円未満」の世帯は倍増。英会話教室などの習い事や、通信教育を控える家庭が増えていた。
6月から子ども手当の支給が始まったが、来年度以降も当初計画の半分の月額1万3000円。子育て世帯にとって厳しい時代は当面続きそうだ。(9月8日 読売新聞より抜粋)
この調査では、就学前の幼児にかけている月平均の教育費が驚くことに1000円以下の家庭が急増しています。
1000円と言えば、おおよそ絵本一冊の値段です。
とても習い事などできる金額ではありません。
幼児期に高額なお金を払って習い事や塾などに通わせることには、あまり賛成できませんが、子どもたちが読みたい絵本すら十分に読めていないのでは…と危惧します。
これは本年3月の調査のようですから、6月から支給されるようになった子ども手当によって、少しでも家庭の教育費が改善していればと願います。
しかし、この不景気が長引けば、親が何にでも自由に遣える手当制度では、家庭で本当に子どもたちの教育にお金が遣われるのか疑問が残ります。
教育関連商品(教育的なおもちゃを含んで)や習い事などにだけ遣えるチケット制を導入するなどの工夫が期待されます。
先進国最低基準の教育投資
ところで、経済協力開発機構(OECD)は先日、2007年(平成19年)の加盟各国の国内総生産(GDP)に占める公財政教育支出の割合を公表しました。
日本は06年と変わらず3.3%で、データのある28か国中で最下位でした。
このデータは、前政権当時のものですから、現政権のもとで進められた子ども手当や高校無償化、小中学校教職員定数の増加などの公的資金の投入によって、現在は少しながらも改善していることが予想されますが、依然として低水準にあることは間違いありません。
このまま教育分野に十分な公的資金が投資されずに教育環境が悪化し、家庭でも子どもへの教育費が削られていくとすれば、日本の子どもたちの教育水準は、今後益々世界水準から遅れを取ってしまうのではないかと危惧します。
教育費とは、未来投資型の支出です。
すぐに何かしらの成果が返ってくるものではありません。
ですから、景気悪化が懸念される現在、景気対策を最優先せざるを得ないことは理解できます。
しかし、景気は浮き沈みがあるものですし、良い時も悪い時もあってしかりですが、教育に浮き沈みがあってはなりません。
教育は、国家百年の大計です。
天然資源に恵まれていない我が国の唯一の資源は、優秀な文化を紡ぎ、経済発展を成し遂げてきた日本人そのものです。
優秀な日本人の育成のために、国家としての戦略を持ち、先行投資することも必要でしょう。
ただし、将来成果を挙げるには、国民総意の先行投資でなくてはなりません。
国民に理解されない組合活動や、反日的な教育内容など、教育界にこそ国民の合意形成を妨げる実情があることを指摘しておきます。





