へたれゲーマーが日々のゲームの話を書き連ねているブログです。
現在、不定期投稿中です。

ジャンルは幅広く、おのれの興味つられるままに。

IMG_6818
switch「F-ZERO99」をレビューします。

マリオカートに需要を吸われシリーズが断絶していたF-ZERO。本作はニンテンドーオンライン十八番の「99」とのクロスになります。

シリーズ待望の続編が変則的な登場となったことで、ニンダイ当初は賛否が分かれていたのですが、プレイしてみてびっくり。
予想以上に「99」との相性がいい結果となりました!

○どんなゲーム?  

IMG_6820
レースゲーム「F-ZERO」とニンテンドーオンラインで度々配信されてきたバトルロイヤル「99」シリーズとのコラボ作品。
厳密には、本作はバトルロイヤルでなく、四周の中で規定の順位に入れるように競い合うゲームです。

最も大きな特徴が、「F-ZERO」であること
どういうこっちゃ?と思われるかもしれないですが、マリオカートと異なりパワー切れや場外による強制リタイアが発生しうるのが最大の差別点です。

元々、F-ZEROは
  • コースそのものも起伏や連続コーナー、ダメージ系のギミックが多く完走も難しい
  • 爆発や玉突き事故による大ダメージも少なくなく、頑丈な機体でも油断一つで瀕死になりうる
  • そんな中でスピードを極力落とさず上位を狙わなければならない
  • 加速用のターボを使うとただでさえ厳しい体力が更に減る。あと何故か本作は一周目から使える。

と、コースクリアするだけでもかなり苦労する難しさとなっています。そこに99人による壮絶な度付き合いが加わるので、自然と蹴落とし合いや上位のおこぼれ狙いが発生してきます。

バトルロイヤルじゃないけど、自然とバトルロイヤル染みていくサバイバルレース」。
それがF-ZERO99です。

○「99」によるF-ZEROの魅力のそこあげ! 
ファンからしてもマニアックな印象が強いF-ZERO。前作から20年近く経っての新作をユーザーに広めるのは至難の業だというのは容易に想像できます。

しかし、本作は「99」との上手いコラボにより、その魅力を洗練してきました。

上記のとおり「ただ完走するだけでも難しい」ゲーム。そこに99人ものマシンが同時走行することで、特にレース序盤は凄まじいカオスぶりを見せていきます。
ピットレーン(体力回復エリア)やダッシュプレートを奪い合う数十機のマシンは、従来では中々見られない光景。
IMG_6819
スタートエリアのヤケクソじみたバカ広さは皆が笑うところ。

一方で「99」との意外なマッチによる恩恵も多く見られており、
  • ライバル制、セーフティポジション(一定以下の順位だと強制リタイア)により、1位でなくとも完走できるだけで達成感を感じられる
  • 上空を疾走するスーパーターボにより、下位からでも挽回できるチャンスが多分にある
  • レースゲームで問題になりがちなラフプレイが問題にならない(むしろ上等)
  • スタート〜ゴールが2,3分程度と短いので、プレイのテンポも良い

単なるカオスさによる一発芸ではなく、古典的であるスーファミF-ZEROを現代にキッチリアップデートしているところは好印象です。
IMG_6824

地味なところですが、マシンバランスも原作から大幅に改善されています。

スーファミ版は最高速度・グリップの良さ(および加速の遅さをフォローするテク)から、ほぼ完全にファイアースティングレイ一択と言える環境でした。

一転、本作では衝突の増加、回復ペースの遅さ、ターボ燃費の悪さと言った影響から他マシンと大きく差を縮められています。
最もタフなワイルドグースはもちろんのこと、原作では縛りプレイ同然のブルーファルコン、ゴールデンフォックスも当たり前の様に上位争いに食い込んでいます。

研究が進めばある程度優劣がはっきりしそうですが、現時点では手練れ・初心者共に入り混じっており、マシン選択はいい感じにばらけている印象です。

○更なる追加コースが待ち望まれる!   
現時点ではスーファミ版のナイトリーグ(5コース)+ハードコース(2コース)が収録されている状況であり、ゲームの面白さがあるからこそコース数的には物足りなさも感じます。

スーファミ版の後半のレースは、それこそ一位は愚か期待順位クリア、それこそ完走すら困難であるコースも待ち受けており、そこを「99」で走ったならばさぞ愉快な地獄絵図が見られるだろうと期待していますw

公式からは、9月末にクイーンリーグが、10月半ばにキングリーグが解禁されるとのこと。
GBA版のコースもなんらかの形で出てきたら面白そうですね。

なんにせよ、久々の超高速の宴を楽しみたいと思います!

IMG_6650
PS5「アーマードコア6」をレビューします。一周目クリア時間は大体20時間ほど。

SNSやネット上でも数多く語られる通り、近年のフロムを見渡しても強烈極まりない難易度を誇る本作。

頭を抱えたり、時にはコントローラーを投げ出したくなる時もありましたが、それを"越える"達成感と爽快感を感じさせてくれた快作でした………!
今回はその魅力を自分なりに語っていきたいと思います。

1stレビューはこちら。 
作品の基本的な概要もまとめてあるので、ご一読を。

○複雑さが「体に馴染む」過酷なメカアクション! 
1stを読んでいただいた方なら、アーマードコアという作品が「ソウル以上に手強いゲーム」であることはご理解いただけたと思います。

ただコントローラー全ての操作を把握するだけではなく、機体・武器の各種データ、攻撃や回避のノウハウ等、スタートラインに立つために必要な技術や知識がもの凄く、ゲーマーとしての地力が高くないとどうしようもないのが現状です。

そして、歴戦のレイヴンですら絶望するものが続出するほど、激烈な難易度を誇るのも事実です。
発売当初のSNSで「ルビコプター」「バルテウス」といった鬼畜ボスの名前が取り沙汰されてきたのを見た人も多いと思います。

従来のAC戦術が通用しないことも大きな理由ですが、それを踏まえても強烈な初見殺しや苛烈な弾幕が至る所に待ち受けており、一つ一つを突破するために相当のリトライと試行錯誤を求められる形となります。

正直、従来のフロムと比べてなおハードルは凄まじく高く、お世辞にも万人に薦められるものではありません
IMG_6703
しかし、「壁」を乗り越えた時の達成感と爽快感は、それこそ筆舌に尽くしがたいものがあります。
  • EN効率や各種攻撃補正など、パーツの各データを把握して、ミッション毎に最適な構成を考える
  • ジャンプやブーストを駆使した「三次元戦闘」をモノにする
  • スタッガーに繋がる行動を把握して、敵の弾幕を躱しこちらの猛攻をぶつける

公式でも謳われている「人間にはできないメカアクション」をモノにすることで、幾度となく跳ね返された壁も乗り越えられる様になり、何よりカッコよく戦える様になっていきます。

フロム作品は「複雑な操作の習熟」をも魅力にしようとする試みが見られますが、本作では知識や技術、機体構成全てが「実力」になっていく事を半ば強制的に実感させられるのがミソ。
IMG_6741
最初こそ数十回ものリトライを費やして這々の体で突破したボスを、再戦時にはうまく翻弄して撃破する様になっていく爽快感は、従来ではないシロモノだと思います。
(リプレイで簡単に再戦できる様になっているのもいいですね)

○フロム脳を全開に燃やしてくるシナリオテーリング! 
1stでも触れましたが、ACの硬派要素はキャラ・シナリオでも全開です。
IMG_6702
一部のキャラはグッズ化されたりコミカライズされたりと、アイドル要素が年々増えつつあるソウル・SEKIRO・エルデンリングと異なり、本作の名ありキャラは全てグラフィックなし
むしろ作中では、メカ以外のキャラクター要素は徹底して取り除かれています

なので、本作の人物描写やシナリオはテキストやボイスによる会話、メカニックによる動作のみで演出されており、
  • ボイスによる人物の微妙な抑揚や感情の機微
  • 壮大な勢力模様とは相反する淡々としたモノローグ
  • メカニックの動きやカメラワークから感じ取れるキャラの心情や葛藤

といった、微妙な部分から筋を「読み取る」、「フロム脳」を全開にするストーリーテリングが展開されます。

しかし、本作の物語はクセのある構成に反してかなり王道的だったと感じました。

善意と陰謀が絡み合うキャラクター、傭兵として時には協力し時には殺し合うドライながらドラマチックな展開、絶妙なタイミングで物語や勢力図を揺り動かしてくるストーリーテリング…

と、リニア的とも取れるほどにシナリオの要素は"ツボ"を押さえているものとなっていました!
IMG_6752
特に最終盤の展開は、退場していくキャラクターの思惑や無念が絡み合い、切り捨て選び取った選択の結末が克明に描かれていきます。
フロムらしい非情な展開ですが、物語上の筋はしっかり通っており、非常に切なく、燃える展開だったと思います。

○SEKIROの要素も多分に取り入れたゲーム性。 
本作はかの「SEKIRO」の要素を多く導入、または派生させている印象です。


オートロックオンや体力回復キットなど、ソウルシリーズを経ての親切機能はもちろんのこと、特筆したいのはやはり「スタッガー」。
IMG_6784
スタッガーとは、間断なく攻め続けることで相手の態勢を崩し、怯ませるだけでなく被ダメージも上昇させる…というシステム。
これにより、従来の引き撃ち戦術は有効でなくなり、ミサイルや実弾をぶちこみつつブーストで絡み合う様に飛び巡る、所謂ドッグファイトの様な戦いに変貌しました。

その影響によりスナイパーライフルの様な遠距離兵装は多くが廃止され、戦術の幅が狭まったことは否めません。

が、至近距離で弾幕が飛び交い、スタッガーした相手に強烈な一撃を打ち込む…という、ダイナミックな戦闘が生まれたことも確かです。

どうしてもリスクが高くなりがちな近接兵装(特にパイルバンカー)も当てるチャンスが増え、実践レベルになったことも、戦闘の楽しさに寄与していたと思います。

ブラボ以降積極的に取り組まれていた「窮地にこそ臆せず飛び込むことで活路が見出せる」バランスは、本作においては十分成功していたと思います。
ただし…

×正直、武器バランスは偏っている。 

良くも悪くも「スタッガー」が戦闘バランスに与えた影響は大きく、武器バランスに与えた悪影響も小さくありません。
IMG_6740
AC・大型ボス共に頻繁にスタッガーを取れる構成が有利になるので、ミサイル・グレネード・ショットガンなどの衝撃値(スタッガー値を貯める値)が高い装備はどのアセンでも重宝される傾向にあります。
IMG_6785
特に、重ショットガン「ジマーマン」は、火力・衝撃値の高さのみならず射程もそこそこ長く、直撃補正(スタッガー時の火力補正)も高い…といいことずくめの名銃であり、ソロにおいて多くのミッションで適解となる装備です。

他にも肩グレネードの「ソングバード」、超高火力のスタンニードルランチャーなど、際立って強い兵装はちらほらとあり、似た性能のパーツの肩身は狭くなってしまいます。
IMG_6750
ただし、アーマードコアはあくまで「最適化ゲーム」。ミッションに適したアセンであるか否かで難易度は劇的に変化するので、「強い」パーツでなくとも有用なことは多いです。

例えば衝撃値が低いビームハンドガンは、AC戦では心許ないものの雑魚掃討戦では重さに比べての装弾数や火力が優れているので、むしろ最適解になる…など。
実際のプレイでは、「運用上は色んなパーツが必要になる」と思われます。

また、本作はアプデによるパーツ性能の調整が入ることが明示されています。
9月11日のアプデでは、弱武器とされていたライフル・マシンガンのアッパー調整が入るなど、概ね受け入れられている内容となっているので、今後の修正にも十分期待できるかと思われます。

○まとめ 
IMG_6738
長きにわたる雌伏と、フロムが築き上げたノウハウとを融合させて新時代へアップデートされた最新作。

その変貌に発売直後は賛否が飛び交ったものの、シビアながら熱いシナリオ、カリスマ的な高難度と乗り越えた達成感をうまく融和させたバランスから、ACシリーズの再起として申し分ない完成度であると言えます。

繰り返すようですが、クリアはおろか一つ一つの難所を乗り越えるだけでも、ゲーマーとして求められる地力はかなり高いです

ソウルシリーズの白霊といった救済策もなく、正確な知識とノウハウ、それを実行する技術、そして投げ出さない根気が、従来のフロム以上に求められることになります。
このレビューを見て買おうと思う方は、そこのところ覚悟が必要かな………。


雌伏を越えた快心のメカアクション!

 8月31日に放映された「スーパーマリオワンダー」単独ニンダイ。
久々…というか10年ほどの沈黙を経てリリースされる最新の2Dマリオ。6月ダイレクトでの初報以上に、さまざまな変化と改善が組み込まれている印象でした。
  今回はダイレクトにおいて目についた変化点をピックアップし、本作の、「これからの2Dマリオ」に思うことをまとめていきたいと思います。
(本項の画像はダイレクトのスクリーンショットになります。)  

○マリオの「アタリマエ」の見直し! 
本作の大きな肝となるのが、2Dマリオの「アタリマエ」の見直しです。
IMG_6725
動画だと触れられなかったのですが、時間制限の撤廃は最初に歓迎したいポイントです。

「New」以降の2Dマリオはステージが全体的に長くなりがちで、効率よく進行しないと時間がギリギリになりがちでした。
また、収集要素との兼ね合いも悪く、カービィやドンキーに比べると窮屈さを感じてしまう要素でした。

3Dワールドのように、制限のシビアさをうまく活かしたステージもあるにはありましたが、やはり大分前からメスを入れられるべき課題であったと思います。
IMG_6728
アクションを強化したり特殊効果を齎す「バッジ」も面白い試みです。
IMG_6745
個人的に凄く気に入っているのがフックショットの如く壁に飛び移れる「つるショット」。
初心者救済だけにとどまらず、使いこなせば相当に破茶滅茶な機動も使いこなせそうで、自分が使うのも人が使うのも楽しそうなバッジです。
IMG_6729
これもサラッと流されましたが、バッジを始めとしたアイテムを購入できるショップ機能も嬉しいポイントです。

2Dマリオでは探索要素のために特定のパワーアップが必要なことが多く、それらを店買いできれば煩わしさが大きく緩和されるでしょう。
実際買えるのかは分かりませんが、実現されれば地味ながらありがたい改善です。

全体的に、「プレイヤーにとって有利な要素」をプレイヤーの裁量で取り入れられるシステムが導入されている印象です。

○「新鮮」を期待できそうなワンダー! 
2Dマリオの弱点として、探索要素のマンネリが挙げられると思います。

隠し方こそ工夫はされていますが、基本的に「隅から隅まで探し回って収集物を探し回る」「他のステージからパワーアップアイテムを持ち込んで維持する」という手段に絞られており、「探索する楽しさ」よりも「煩わしさ」が勝ってしまったのが現実です。

switch世代からの任天堂アクションは「ヨッシークラフトワールド」「カービィディスカバリー」「マリオオデッセイ」と、ステージ毎に新鮮なギミック・体験を楽しめるようになっており、従来の2Dマリオのやり方では確実に見劣りします。
IMG_6726
ワンダー」はそこに風穴を通す取り組みだと思います。
地形が変わったり大岩に追われたりといったメジャーなモノは勿論のこと、マリオ自体が変形したりトップビュー操作になったりと、ジャンル自体が変わるような大胆な"変化"を取り入れている感じです。
IMG_6727
ステージ毎に多彩な特色が与えられているようで、探索要素の簡便化に繋がると同時に、従来の"焼き増し"感は大分薄まりそうな期待が持てました。

○ソウル的なゆるいオンラインが生むモノとは? 
IMG_6730
「ゆるい」オンラインと称された2Dマリオ初の非同期型オンライン要素も注目したい部分です。

2Dマリオは即死要素も多く、意外にも難易度は高いゲーム。苦手な人だと後半で挫折することも多く、「難易度を落とさずに手助けする」工夫は従来でも試行錯誤されてきました。
IMG_6731
本作のオンラインでは幻影となっている他プレイヤーがリアルタイムで表示されるだけでなく、ミスした他のプレイヤーを助けたり、パネルを置くことで気軽に復活できるようになったり…と、お互い助け合いながらプレイできるようになりました。

Wii以降のマルチプレイから妨害要素を削って純粋なWin-Win要素に昇華させた印象です。 
(穿った事を言えばオンラインでの迷惑行為を予防するためでしょうが…)

マリオメーカーでもあったように、難所には多数のゴーストやパネルが散在していたり、積極的な介護プレイでポイントを荒稼ぎしたり、発売直後は今まで以上に盛り上がりそうですね。

○工夫と進化が求められる2Dマリオの現状。 
Uからはや10年以上の月日が経過するだけあって、2Dマリオのゲームデザインは現代にはそぐわない面も少なからず存在します。

セーブの不自由さや探索性とのミスマッチもそうですが、ジャンプの慣性の強さやダッシュの立ち上がりやストップの微妙なラグなど、現在の2Dアクションとしては不自由さを感じる場面も少なくありません。

本作において全ての課題が払拭されるとは限りませんが、少なくとも従来の2Dマリオからの抜本的な「進化」が志向されていることは間違いないと思うので、発売後はかなり盛り上がりそうな予感!

IMG_6650
アーマード・コア6」を1stレビューします。

長らく続編が途絶えていたフロム謹製のロボットアクションゲーム。
ソウル、ブラボ、SEKIRO、エルデンリングと、数多の高難度ARPGを輩出したフロムは、本シリーズをどう変革したのでしょうか?

どんなゲーム?  
フロムが贈る「リアルロボットシミュレーション」とも言うべき玄人向けのシリーズ。
作品によって作風やゲーム性がガラリと変わってくるシリーズではありますが、シリーズで概ね共通する要素に絞って説明します。

IMG_6652
ゲーム進行はステージ進行型のアクションで、プレイヤーはロボット「アーマード・コア」(以下、AC)に搭乗する傭兵として活動します。

そして「敵勢力の排除」「秘密拠点の探索」と言った任務を遂行していき、その成果によって資金を手に入れ、AC用のパーツを購入して、 ACを新しく組み上げて、更なる任務へ挑戦する…という、サイクル型のゲームとなっています。
IMG_6671
さらりと触れましたが、「機体ごとに固定された構成」ではなく、「1からフレームや武器などのパーツを組み上げてオリジナルのACを組み上げる」という、どこまでも泥臭く奥深く「ロボット」を描いているのが本シリーズの最大の特徴です。

更に、パイロットやオペレータの顔グラが全く存在せず、台詞の行間や僅かに残された文脈から心情や世界観を妄想する…という、「フロム脳」の源流とも言える濃い世界観も特徴的。

近年流行した「ソウル」系を大きく越えるほどにプレイヤーへの突き放しや世界観の泥臭さが強く、人を選ぶと同時にハマった場合の強烈な魅力を兼ね備えたシリーズです。

「AC」を真正面から描いたアクション!    
正直、シリーズはPS2「サイレントライン」しか遊んだことがないのですが、今回の「6」で心に残ったのがロボットである「AC」としての手触りです。

IMG_6653
フロム伝統である「コントローラー全てのボタンを駆使する」操作系統は健在ですが、プレイのかなり初期の段階で、「複雑なはずの」ACの操作が手に吸い付く感覚をはっきりと感じました!
  • ミサイルやライフルで敵を崩して、ブレードやバズーカを直撃させる
  • クイックブーストで細かく切り返して、敵の弾幕を撹乱する
  • 建築物や遮蔽を利用して砲撃を防ぎ、その先にアサルトブーストで強襲する

IMG_6663

と言った、苦難に対応する経験を積むことで、ACの操作が手に染み付いていくようになっていきます。

「ソウル」でも複雑な操作系統が徐々に染み付いていく感覚はありましたが、AC6では文字通りあらゆる武器や操作を用いる必要があるので、この「染み付く感覚」をより早く、そして濃密に感じました。

過去作から大きく下げられたハードル! 
アーマードコアというシリーズは「フロムの『原液』」とも言える作品種であり、近年多大な支持を得たソウルシリーズよりも、遥かにハードルが高いという印象でした。

本作では、「難易度以外」の部分でそのハードルを下げようとする努力が見られます。
IMG_6673
例えば、ミッションの要所直前においてはチェックポイントが設置されており、そこからのリトライが可能になっています。
さらに、ゲームオーバー後のリトライ画面ではACの再アセンブルが可能であり、ボスの特性や弱点に合わせて組み直せるようになっています。

「SEKIRO」「エルデンリング」から取り入れられてきた「強烈な難しさに挑戦するための親切さ」を、ACらしさに合わせてうまく調節した例だと思います。

IMG_6651

また、ミッションによる収支バランスが大分有利寄りになっていたり、ショップでの購入・売却の値段が対等となっていたり、しっかりとしたチュートリアルが採用されていたり…と、過去作の経験を活かした手心が各所に取り入れられています。

恐ろしいほどの難しさであるからこそ、それ以外のストレス要素を減らしていく努力を感じました。

○フロム屈指の難しさ……! 
IMG_6670
そして、その「手心」すらも吹き飛ばすインパクトを誇るのが、フロム十八番の強烈難易度
いや、単なる難しさだけならば、現行のフロムにおいては最高クラスと言っても過言ではありません。

ただでさえ「スタートライン」に立つために得るべき知識・技術が多いうえ、雑魚からボスまで、熾烈な弾幕や強烈な砲撃を加えてきます。

上下左右の機動を繰り返す、受けてはいけない攻撃とその予兆を把握する、スタッガー(ひるみ)をうまく誘発させ、その隙に最高火力をぶつけられるように弾倉を管理する…
突破するには"全て"を駆使する努力と、数十回ものリトライも辞さない覚悟が求められます。

ソウルやエルデンリングも"難しい"ものの、「自分好みの戦術でも理論上は突破できる」「苦しかったら白霊を呼んで助けてもらう」と言った救済措置がありました。

が、本作では文字通り、"自分だけで"最適なパーツを見出し、買い揃え、アセンして、敵に対する戦術を編み出さなければなりません。
クリアするだけでも、そのハードルは限りなく高くなっていると言えるでしょう。

IMG_6672
ここで声を大にして言いたいのは、本作は"アセンゲー"の比重がめちゃめちゃに大きいこと。

というか、本作に限らずACシリーズではミッションに対して「最適」なAC構成を行うことが常に求められます。
そして、その如何によって同じミッションでも劇的に難易度は異なってきます。

背面に弱点があるボスなら、飛び回って背後を取りやすい軽中量二脚で。
厚い弾幕を張って回避が難しいボスなら、多少の被弾は踏み倒せる重装タンクで。

武器の編成も、「いかにしてスタッガーを引き起こして畳み掛けるか」を意識して、積載上限(ACに組み込めるパーツ重量の上限)と相談して組み上げることで、戦闘の効率は格段に上がります。

過去作以上の強烈なボスの強さに、古参のレイブンですら苦しむ鉄火場が繰り広げられている本作ですが、「状況に合わせてACを見直す」「敵のパターンや隙を見出す」という基本を徹底すればなんとか突破出来るという、フロムらしいゲームバランスとなっています。
(か、どうかはわからないなぁ…………)  

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
IMG_6673
アーマードコアという作品種は、過酷なフロムゲームの中でも特にプレイヤーの地力に左右されるゲームであり、「フロムの『原液』」を濃厚に味わえる作品でもあります。

本作は特に、SEKIRO、エルデンリングに続く「親切要素にフォローされた強烈難易度」を強調されたイメージです。

全ての要素を駆使しなければならないゲーム性ゆえに、ハードルの高さはかのSEKIROにも負けずとも劣らず。プレイヤーは至る所で地獄を味わう羽目になるので、決して手放しにお勧めすることはできません。

ただ、「乗り越えた嬉しさ」はフロムらしく、過去のシリーズ以上の大きさがあることは保証できます。
亀進行ですが、じっくりと進めていきたいと思います。

IMG_6568
switch「ヴァンパイアサバイバーズ」をレビューします。

昨年、アーリー版を経て世に放たれた「ローグライク無双」ともいうべきゲーム。
その凄まじい物量から成る爽快感と達成感は数多くのプレイヤーを魅了し、フォロワータイトルを多く産んでいます。

今回、自分はそのフォロワーである「BROTATO」を経て本家に足を踏み入れたので、差別点も踏まえて解説していきたいと思います。
よければ、BROTATOのレビューも参考に読んでいただければ幸い。

○どんなゲーム? 
IMG_6572
本作はローグライク型2D見下ろし型アクション。30分の間、四方八方、常時湧いてくる敵の群れを蹴散らし、身を守りながら生き延びることが目的となります。

プレイヤーの操作は移動だけ、攻撃は各武器ごとのクールタイム(以下、CT)と攻撃範囲に沿って実行されます。
倒した敵が落とす宝石をかき集めることでレベルアップし、武器やアイテムを入手or装備品のLVアップを行います。

敵軍は無限に発生するとのことですが、時間によって登場する敵の種類や陣形は変わってくるので、実質wave性と言えるでしょう。

そのため、ゲームプレイは敵の強化に従って処理しきれなくなって押し潰されるか、迅速な強化に成功して逆にインフレした火力で薙ぎ倒すかの二択となっていきます。

○超絶大な物量!!! 
IMG_6571
本作を語るに際し絶対に外せないのが超絶大な物量です。
30分という時間制限の中で、プレイヤーは数万を超える壮絶な大群を捌いていかなければなりません。

エリートmobの襲来、円状包囲網の形成と言った苦境が続々と発生する中、プレイヤーはその物量に押しつぶされないように迅速に、更に計画的に強化していく必要に迫られます。

恐ろしいことに、本作には「無敵時間」が存在しない(もしくは極めて短い)ようで、複数の敵に接触すればあっさり溶けてしまいます。
そのため、基本的には生存性よりも火力を早急に高めていく必要があるので、中盤以降は「膨大な敵軍を苛烈な火力で一掃する」という展開になっていきます。

後述するように、ともすれば単調・作業的とも言えるゲーム性ではあります。
IMG_6576
しかし、じゃぶじゃぶと出てくる敵の大軍、そこからガンガン稼いで強化し、逆に蹂躙する火力をぶつけるというルーティンは、
倒す!稼ぐ!!鍛える!!!そして倒す!!!!」という、ゲームの原理的な楽しさに突き抜けた快感を齎してくれるでしょう。

時間が経つごとに敵は強化され、ラスト数分では個体でも苦戦したエリートが群れをなして包囲してくる事態に陥りますが、上手にビルドを組み上げていればそれすらも圧倒してしまいます

インフレし続けた果ての圧倒的な無双感、そこに至るまでのビルドを組み上げる戦略性
その二軸こそが本作の魅力です。


また、switchでありながら処理落ち・エラーが殆どなく、パフォーマンスが良好であるというのも嬉しい誤算でした。


△ゲーム性は良くも悪くも単純。 

操作は「移動だけ」から分かるように、本作のゲーム性は非常に単純です。
しかし、それは、悪い方向にもつながってました。

ローグライクらしく、本作ではさまざまなアイテムを取捨選択してビルドを作っていくことになる…のですが、その選択の幅は意外と狭く感じます。
IMG_6570
例えば、四方八方から敵が迫り来るというゲーム性からして、どうしても「全方位に向けて攻撃できる」武器、または敵を貫通して攻撃できる武器が重宝します。

特に後半では、画面を埋め尽くすほどの物量に見舞われ続ける(かつ、生存力は当てにできない)ので、上記の二種を鍛えているか否かは間違いなく明暗に直結します。

また、「特定の武器&アイテム」を揃えた上で武器を上限までレベルアップすると、強力な特殊効果を持つ上位武器へ参加できるのですが、却ってビルドを固定させる原因になりがちです。

なぜかというと、アイテムでも「CT減少」「攻撃力UP」「吸い込み範囲拡大」「攻撃範囲拡大」といった、汎用性が高く優秀なモノは大抵どのキャラ・周回でも固まりがちです。

となると、その相方となる武器も必然的に採用率が高くなりがちで、「安定した攻略」を目指すとなるとどうしても似通ったビルドに落ち着いてしまいます。

最後に、「ヴァンサバ系」の必然的課題だと思うのですが、どうしても強化されきった後の展開は単調・作業的になりがちです。

序盤では敵の硬さと物量に苦しみがちなのですが、強化していって10〜15分ごろの敵の包囲網を突破できるほどの火力を身につけると、最終盤までワンサイドゲームになってしまいます。

最後の数分になると殺す気の物量に攻められるので楽勝とはいえないのですが、彼我のパワーバランスが変化するタイミングが少なめなので、中弛みを感じる人も多いかもしれません。

この点については、成長戦略とビルド構築、敵の特殊攻撃など様々な課題に対応する必要があり、最後まで緊迫した戦闘を味わえる「BROTATO」の方が優れていたと思います。


○まとめ  
IMG_6575
SNS上でも度々表現されるのですが、ヴァンサバの魅力とは「プチプチ潰し」に近いのかもしれません。
迅速なビルド構築という戦略性もあるのですが、やはり無数の敵を潰し、さらに強化して、さらにさらに膨大な群れを潰していく…というサイクルが、単調ながら中毒性の高い魅力を生み出しています。

一方で「単純であるからこそ」の単調さを感じることも本音ではあります。

先述した「BROTATO」と同時購入しても1000円くらいしかかからないほどの凄まじいパフォーマンスではあるので、気になる方(または片方を遊んでハマった人)は、両方購入して比べてみても面白いかもしれません。

本家のシンプルさこそにハマる人もいれば、BROTATOのビルド構築の戦略性に魅了される人も多いでしょう。

時代を作ったローグライク無双!

IMG_6516
switch「BROTATO」をレビューします。

かの「ヴァンパイアサバイバーズ」のフォロワータイトルでもあり、steamを通じてswitchに上陸してきたローグライク型STGアクション。

インディーズにはこの値段で!?」と(良くも悪くも)唸る様な体験をもたらすソフトが度々あるのですが、本作もその一つでした。
脅威的な爽快感と中毒性で、数時間が一瞬で溶ける経験を強いられる羽目に………!

・「ヴァンパイアサバイバーズ」ライクとは? 

IMG_6518
後日switchでも販売される「ヴァンパイアサバイバーズ」ですが、本作も含めて簡単にゲーム性を紹介します。

基本形は見下ろし型ツインスティックSTGであり自機と照準を同時操作して迫りくる無数の敵を蹴散らし、一定時間(本家は30分、BROTATOは20wave)の生存を目指すゲーム。

IMG_6517
敵を倒し続けることによるレベルアップやショップでのアイテム購入など、狭間に自機を強化していくフェーズが挟まれます。

手に入るアイテムや強化内容はランダムであり、プレイヤーは限られた資源やアイテム入手を通じて生き残るためのビルドを構築する必要があります。
(例えば武器で言えば拳・銃・杖、アイテムは回復力UPやアーマー等)

つまり、ざっくり言えば無双型ツインスティックSTGにローグライクの要素を取り入れたゲームと言えるでしょう。
(「アリーナシューター」と呼ばれることもあるらしいです。)

極めて上質な爽快感と中毒性! 

IMG_6526
steamでも「圧倒的高評価」を得ていることからも分かる通り、本作はローグライクシューターとして非常に高品質な爽快感と中毒性を誇ります!

敵の数は序盤こそまばらなものの、後半になると1waveで数百〜千クラスと思えるほどの凄まじい物量となります。
初期の状態では捌ききれなくなっていく中を能力強化やアイテム取得により火力・生存力を高めていき、大軍であっても殲滅し、または敵の攻撃を凌ぎ切って、生き延びられる様にしていくのが本作の最大の醍醐味。

ワラワラと出てくる雑魚どもの群れから逃れつつ、こちらの攻撃でプチプチと潰していき、撒き散らされる金や素材をサーッと巻き上げていき、更に湧いてきた敵軍に対応していく……!

オーソドックスながら、スッと沁みる爽快感を味わえることでしょう。

この手のインディーズにありがちなように、ドキツイ残虐描写がないこともいい感じです。
(あの手の表現はやりすぎると逆に萎えるので…)

IMG_6525


一方で、後半のwaveになってくると徐々にその難しさが見えてきます。

敵の物量もさることながら、一つ一つのダメージもかなり重くなり、更に物量を活かした弾幕、高耐久を任せた突進、バフ能力など、一つ一つの敵が明確な殺意を持ってくるようになります。
おそらく、初見のうちは15waveあたりが大きな壁になってくるでしょう。
IMG_6523

その為最後まで生き延びるためには、
  • 敵軍を高速で処理するための火力
  • 減少した体力を素早く取り戻す回復力
  • 敵の猛攻を耐えるための生存力(HP・アーマー・回避)

それぞれを高いレベルで両立する必要が出てきており、資金を消費するリロールを駆使して重要な能力・アイテムを確保しなければいけません。


最低難易度でもとにかく生き延びることに苦労させられる難易度ですが、それだけに
  • 後半戦を生き延びる地力をつけるための成長戦略
  • 苛烈な猛攻を捌き反撃し一瞬の活路を見出すアクションセンス

と、総合的な能力が磨かれていき、少しずつ活路が見えていく様になる感覚は、高い中毒性を産むことになります。


一周するまでの時間は2〜30分なのですが、この爽快感と中毒性の相乗効果に脳とセンスを蝕まれ、気がつくと数時間を一瞬で浪費する経験を繰り返させられました…!!

かのDead Cellsを彷彿とさせる体験ですが、それだけに本作のローグライクとしての完成度(総合的な実力、ランダム要素が生む多彩な戦略性)が高い証左でもあると思います。

クリア後(死亡時も含む)も、キャラやアイテムが続々とアンロックされていき、やめ時が見つからない本作。
値段520円では済まない面白さと犠牲を味わえますぜ………っ!

30分を一瞬で溶かす脅威の中毒系VSライク!

IMG_6376
switch「ピクミン4」をレビューします。

任天堂の誇るRTSシリーズ最新作。
実のところ当初は購入予定はなかったのですが、体験版のつかみが上々だったので掌返しして購入。

1・2・3すべてのナンバリング作品の美点を吸収し、昇華させた最高傑作でした!

○シリーズの美点を盛りだくさん! 
IMG_6372
基本設計は「2」を踏襲しながらも、本作では「1」「3DX」と言った過去作全てのノウハウと魅力を詰め込んでいます。

遭難者とオタカラを探すメインモードでは、一つ一つが広大な地上と薄暗い地下迷宮とを行き来する、探索性重視のゲーム性が展開されます。

IMG_6374
一日の限られた時間の中で散らばったオタカラやリソースを運び入れる地上編、危険な生物や初見殺しを回避しながらじっくりと進められる地下編…
二つのメリハリと充実した探索性は、正しく「2」を彷彿とさせる面白さです。

個人的には地上での過剰かつギミック要素が整理され、地底ややり込み要素に収斂されていった事で、純粋に探索を楽しめる様になっているところは嬉しい部分でした。
IMG_6396
その一方で、ピクミンの軍勢をうまく配分し並行作業を完遂する、「ダンドリ」要素も追求されています。
  • 葉っぱ人相手に敵やオタカラを奪い合い勝利を目指すダンドリバトル
  • 一定時間内に全ての敵やオタカラの搬入を目指すダンドリチャレンジ
  • 凶暴化した原生生物の群からヒカリヅカを守る夜の探索

と言った、「1」「3DX」のチャレンジモードを彷彿とするクエストが挿入されます。
IMG_6385
難易度が低い時こそゴリ押しも効くものの、後半の高難度でプラチナを狙おうとすると
  • オッチンの強化や装備を買い揃える
  • ピクミンを適切な量配分し、多数箇所での並行作業を展開する
  • オッチンとの操作切り替えをうまく活用、アイテムも使ってピクミンがサボらない様にする

と、徹底的な効率プレイを求められるので、シリーズを履修してきた熟練者でも手を焼く難しさとなるでしょう。
IMG_6467
更にクリア後では、
  • 複数の新規エリア、オタカラ、原生生物
  • 「1」をリメイクした「オリマー遭難記」
  • ダンドリを最大限追求していくやり込みモード「葉っぱ仙人の試練」

など、「1」よりのTA派「2」よりの探索派どちらにとっても歯応え抜群の要素が追加されていきます。

ナンバリングごとに方向性がガラリと変わっていったピクミンシリーズですが、本作では新規を含めて幅広い客層を掴もうと言う本気が伺えると思います。

さらには、ピクミンやトラウマ原生生物のオールスターだけにとどまらず、過去作プレイヤーなら「これは!」となるファンサービスも盛りだくさんです。
IMG_6373
例えば地下洞窟。
いくつかの洞窟では「2」にあったものをダンジョン構成も含めてオマージュしたもの

存在しており、プレイヤーの思い出やトラウマを思う存分引き出してくれます。

また、「オリマー遭難記」は設定からゲーム性までほぼ全てが「1」の大胆なリメイクとして成り立っているし、「3」の主人公達を彷彿とさせるキャラ、ファンお馴染みの「メモ」もしっかり完備。

「3」の要素(フルーツ集め、原生生物)だけは控えめですが、ピクミンをこれまで遊んできたファンなら「コレだよ!」と言いたくなる要素が盛りだくさんでした。

○練り込まれたRPG要素!    

本作の大きな特徴としてRPGを彷彿とさせる強化要素が設けられている事があがります。

従来の作品でも能力強化(お宝回収による強化)による行動範囲の拡張などはありましたが、本作ではダンドリに直結する形で強化要素が作られています。

例えばピクミン隊列について。
なんと本作では(基本的に)一度に3色のピクミン種しか展開できず、最初に連れ歩ける隊列も20匹と非常に少ないです。

従来作では「最大100匹」という以外に縛りはなかったので、一見不便になった様に感じましたが、やりこんでいくうちに
  • 状況を把握して、どの色をどのタイミングで連れていくかの戦略性
  • 隊列が少ないからこそ、積極的にガーリップ等(隊列数増加)を集める意欲

と言った、「2」で強調されていたクリアまでの長期的戦略性が高められていると思いました。
IMG_6465
基本的にはピクミン隊列やオッチンの強化、ソウビの獲得がないと「行動範囲が開かない」ということはなく。(厳密にはあるが、シナリオ進行により自動的に解放される)
強化による恩恵は、もっぱらダンドリ強化に繋がる仕組みになっています。

強化内容はバトル・チャレンジや夜の探索にも反映される様になり、初回とは違ったダンドリ構築やハイスコア挑戦と言った遊びができる様になります。

さらに、従来シリーズにはあまりなかった「リソース管理」の面白さも入ってきています。
IMG_6439
属性耐性や呼び戻しアイテムなどの「ソウビ」はフィールドで手に入るシザイを消費して手に入れるのですが、これらは橋や登り壁などの地形ケンセツにも利用します。

当然、回収時のルート構築やエリア探索のためにケンセツは絶対必要なのですが、ソウビによる能力強化もダンドリのために必要のため、どちらを取っていくか?の判断は非常に悩ましいです。

さらには、バクダン岩やピクピクニンジンなど、うまく使うことで戦局を動かしうる消費アイテムにもシザイを用いることになります。

シザイそのものは潤沢に手に入るのですが、日数を可能な限り縮めるために「どれに使うのか」の駆け引きは、戦略性の強化に一役買っていると言えるでしょう。

○史上最高!?の相棒、オッチン! 
IMG_6472
本作の相棒枠である宇宙犬、オッチン
ビジュアルからして愛嬌があるタイプのマスコット系であり、「間抜けだけど憎めない」タイプなのか…とタカをくぐっていたらびっくり。
任天堂史でも有数と言えるほどの超優秀相棒でした!

最初こそ「ちょっと強いピクミン」程度の性能しかないのですが、シナリオ進行や訓練・ソウビにより数多くの強化を受けていきます。
  • ピクミンを背中に乗せて(紫100であろうとも)フィールドを闊歩、ジャンプも使い軽快に段差を飛び越える!
  • 最大100を誇る脅威的なカイリキ!
  • 強化されたトッシンは木端な生物など容易く轢き潰す!
  • オネガイにより探知は勿論別行動し、ピクミン笛もお手のもの!
  • 火水雷毒、各属性適応!

などと、シリーズは愚かゲーム史上を見渡しても中々いないレベルの優秀さを誇り、彼に頼り切りになるプレイヤーも後をたちません。

最も、ただ「優秀であるだけ」だとダンドリというゲーム性を阻害しかねません。ゲームシステムとしてのオッチンのミソは、巧妙な「差別化」にあります。
IMG_6474
上記の通り極めて優秀なオッチンですが、
  • 身体の大きさから細穴や柵、登り壁は通れない
  • ピクミン突撃は使えない
  • 「一匹」のため、大量輸送には向かない

と、少ないながら「できないこと」があります。
これを理解して、ピクミン・オッチン双方の「できること・今やるべきこと」を思考して行動することで、ダンドリは大幅な短縮を果たします。
IMG_6473
また、オッチン自身も「自分で操作できるプレイアブルキャラ」である事が分かると更に戦略は広がります。
従来とは異なり、「能力が差別化」されている2キャラを用いて分担作業ができる様になるのです。


3で煩雑化した分担作業を簡易化しつつ、RTSとしての戦略性を高めた好例だと思います。

本作には、他にも「巻き戻し機能」などの救済要素が設けられています。

ピクミン自体コアユーザーよりの設計であるため、初心者でも遊びやすい様な配慮は必要なのですが…
こうした「救済」は、ともすれば「効率」を最優先するゲーム性を萎縮させてしまうことがあります。

しかし、本作においては「救済」の負の要素を感じませんでした。
「敷居を下げる」という本来の目的を果たしながらも、使いこなしていく事で更なる効率の追求に繋がるという、ゲーム性にピッタリ合った設計がされているからです。

巻き戻し機能についても使用を強制されるわけではなく、自分好みの遊びの為にストレスを軽減できる程度の機能に留まっており、「幅広いユーザーを楽しませる」主目的を外す事はないところは、流石だと感じました。

×レスポンスは悪い。 
ゲーム性に関わる部分でケチは殆どないのですが、レスポンスについてはもう一声欲しいところです。

アンリアルエンジンを搭載し、従来作を上回るグラフィックを達成した代償からか、ロード時間が長くなっている上に頻度が多いのは気になりました。

ロード中はTipsを閲覧できるのですが遊び要素はないので、仕方ないとはいえ没入感を阻害しがちです。
IMG_6464
また、拠点では数多くのNPCと会話したり、クエスト受注などが行えるのですが、
  • テキスト表示のレスポンスが悪く、A連打してもスムーズに読み飛ばせない
  • なぜか2回話しかけないとクエスト受注できない

と、利便性は悪く、本作での最大の不満点となっています。

本編でもピクミンの挙動が若干怪しい箇所もあったのですが、基本的にはFPSも安定して快適に遊べた分、細々としたレスポンスでストレスが溜まるのは残念でした。

話は逸れるのですが、地上において一度討伐した生物が復活しないのも思うところがあります。
IMG_6468
リポップした生物を確認し逐次安全確保するのもピクミンのゲーム性…というのもありますが、何よりそこそこグロテスクな死体がいつまでも散らばっているということに気持ちよさは感じません。

不具合の可能性もあるので、そうであれば修正してほしい…

☆まとめ 
IMG_6469
細かい部分のストレスは正直残念でしたが、これまでのシリーズの魅力を丁寧に継承した「ピクミン」の集大成にして満を辞しての最高傑作だと思います。

最初から追ってきたファンにも、本作からの新規プレイヤーにも、幅広い層にお勧めできる懐深さと任天堂の熱意を存分に感じる作品でした!

シリーズの全てを詰め込んできた執念の最高傑作!

IMG_6370
ピクミン4、ダンドリバトル&チャレンジ初心者講座を書いていきたいと思います。

1・3を彷彿とさせるダンドリ追求のモードですが、意外と苦手とする人も多い様なので、ひとまずレベル3〜4までのプラチナクリアを目標に書いてみたいと思います。
参考になれば幸い。

まずは地形を把握する 
メインモードでも変わりませんが、まずはステージの地形把握が特に重要になります。
IMG_6400
特にチャレンジでは「みまわりドローン」を使えるはずなので、マップ画面だけでなくこれで一通り地形をチェックしておきましょう。
バトルでもドローンは使えませんが、マップ機能での確認は可能です。
  • どこに何があるのか(ピクミン、敵、オタカラ、シザイ、ギミック)
  • 輸送のためにどのくらいのピクミンが必要なのか

を把握して始めるだけでも、効率はグンと高まります。

ピクミンを集めることから始めよう  
バトルでもチャレンジでも、手数となるピクミンを増やすことから始めていきます。
IMG_6398
バトルでは拠点付近にあるペレットを集めて頭数を増やしていきます。ステージにもよりますが、
  • 20あれば小型生物の処理と輸送を並行して行える
  • 30あればチャッピー級の処理も安全に行え、並行作業も捗る
  • 40以上あれば不意の被害があっても作業を継続しやすい

なので、10〜20前後を目安にペレット採集を打ち切り、小型討伐と輸送に切り替えていくといいでしょう。死骸を採集などしていけば必要数以上のピクミンは集まっています。

チャレンジでは各地にピクミンが散らばっている構成となっており、作業と並行して彼らを回収することになります。
どこから回収を始めるかは、拠点との距離は勿論のこと、後述する役割も意識すると良いでしょう。

其々の役割を考えてみよう 
言うまでもなくピクミンには個性があり、それぞれによって「戦闘向き」「輸送向き」「汎用」と得意とする役割は異なってきます。
  • 赤…戦闘力が高く、火に強い。火種を運ぶ事で藁を燃やしたり暖を取ったりと多彩な活躍が見込める。使う時は火種ギミックの確認を忘れずに。
  • 黄…電気の威力が弱まり、高さギミックも少ないので基本は輸送寄り。穴掘りは早いので埋まっているオタカラにも使おう。
  • 青…水に強いので行動範囲は最も広い。性能は平凡だが、水中の敵やお宝も多いので汎用的。
  • 紫…オッチンのお陰で戦闘中の活躍は減った。一人で多くの物品を運べるので、輸送の並行作業にうってつけ。
  • 白…地上での移動速度は最速のため、キンカイなどの大量輸送にうってつけ。毒ギミックがなければ優先的に回そう。
  • 岩…戦闘面は乏しく硬さギミックも少ないので活躍させ辛い…余剰分を輸送に。
  • 羽…飛行による圧倒的輸送力。白と運用は似ているけど、空中の敵にも突撃できるので戦闘力も中々。
  • 氷…敵を凍結させたり寒冷気候でも問題なく動けたりと多くの場面で活躍できるピクミン。氷ギミックの数も多く、優先的に集めていきたい。
IMG_6397
マップやテイサツと睨めっこすれば、「どの場面でどのピクミンがどれくらいの必要か」「チャレンジではどの順番でピクミンを集めていくか」のルートもはっきりと見えてきます。

ヒマをさせないように動いてみよう 

ゲーム上でもよく言われることですが、手持ちのピクミンが「ヒマをしない」ように動かしていくのがダンドリの肝です。
IMG_6399
1番ありがちなのが、輸送後のピクミンやオッチンが拠点でサボり続けていること。特にキンカイ・シザイの搬入後は大量のピクミンが暇を持て余しがちなので、ヒマジン笛などですぐ呼び出せる様にしておきましょう。

「ヒマをしない」ためにもう一つ重要になるのが「並行作業」の思考。
状況にもよりますが、チャレンジの場合では一つの場所に戦力を傾注するよりも、同時並行で指示を出しつつ進めた方が効率的なケースが多いです。

特に後半のチャレンジでは大量のキンカイが点在しており、それを一気に輸送すると大量のピクミンを割くことになります。
10匹くらいを常駐させておき、回収までの間本隊は次の場所に向かうなど、「常に動いている状況」を維持しましょう
IMG_6396
バトルではプレミアム品・アイテム・逆転バクダンなどの不確定要素が度々生じ、それらに優先して対応していく柔軟性が必要となります。

特にアイテムは1匹のピクミンで運べる上、戦局を大いに動かしてくれる事が多いため、手近なモノは確実に独占しましょう。


自己強化も忘れずに  
チャレンジ・バトルではプレイヤーやオッチンの強化内容が反映されるため、しっかり強化しておけばかなり攻略が楽になります。

特に☆3以上ともなると、
  • 敵処理を大きく短縮できるトッシン 
  • オッチンの輸送力を爆発的に高めるカイリキ、アナホリ  
  • ピクミンをヒマさせないためのオネガイ、ヒマジン笛  

などは、プラチナ獲得のために絶必とさえ言えるほど重要な要素になってきます。
他にも、オッチンの動きを円滑にするために属性耐性装備も早く揃えておきたいところです。


第一ED到達後にオッチンの特殊スキルが習得できるのですが、それもダンドリを大きく手助けしてくれる優れもの。もしチャレンジでプラチナ取得が難しいようなら、一旦エンディングまで進めておいても良いかもしれません。

IMG_6395
以上、ダンドリチャレンジ・バトルの初心者講座でした。
後半の高難度チャレンジでも使えるであろう知識・技術だと思うので、覚えておいて損はない、かも。

こと創作という概念において、「トドメ」と言う行為は古今東西問わず大人気だ。

ブレストファイアー、ライダーキック、かめはめ波、ストナーサンシャイン、ラストシューティング、10万ボルト、プリキュアマーブルスクリュー、月光蝶、etc………

数々の「トドメ」の為の必殺技が、日本だけに限っても多くの創作で生まれた。
別に命を削り合うバトルでなくても、「トドメ」の概念はいくつものアニメや小説や漫画、さまざまな創作で現れてくる。

形は色々あるのだが、「主人公が大ボスにド派手に引導を渡す」という決め手は、作劇を引き締めてくれるし、何より見た方はスッキリするのだ。
「トドメ」という魅せ方は、その品質の上下はあれど、数えきれない創作で引っ張り凧になっている。

今回は、ゲームという創作、いや娯楽における「トドメ」を考えてみた。
結構ありきたりのようで、意外に特殊な経緯を持っていたのだ。

・「体力」によるトドメの難しさ 
ゲームにおける「トドメ」を想像する上で、大きな障害となるのが「敵の『体力』」だ。

大抵の場合、主人公が(残機制で)一撃死してしまうことはあっても、ボス敵級がこちらの攻撃一発で即死してしまう、という事はない。
操作キャラのHPという概念がないゲームであっても、殆どの場合において「敵」には「HP」が設定されている。

そしてボスとの戦いは、その「HP」を削り切る事で勝利となることが基本的だ。
だけど、その基本こそが「トドメ」の演出にとっては最大の弊害となる。

思い出して欲しい。
ドラクエなりFFなり世界樹なり、途轍もない大きさと火力を誇る大ボス相手に、いつ尽きるか分からない敵の体力を少しずつ削っていく過酷さと絶望感を。
ダクソやデビルメイクライで、敵も自分も体力残りわずかの時に、一か八かで特攻にかける覚悟を。

このブログを積極的に見てくれる人ならば、一度は経験したことがあると思う。ボスとの戦いは、余程こちらが強くなり過ぎていない限りは「圧倒的な不利な中での泥沼の戦い」になる。

そして、そんな戦いは、多くの場合ド派手な必殺技ではなく、何百何千と繰り返された小さな「通常攻撃」によってピリオドが打たれる。
RPGにしろアクションにしろ、敵の体力が見えていようといなかろうと、初めて倒すボスの体力を削り切るのに、決め技をタイミングよく決められる玄人は多くない。

自分の経験を振り返っても、
ゼロムスを倒したのは地道なラグナロクの一撃だったし、王たちの化身を初めて撃ち倒したのは愛用してきた竜断の斧のR1だった。
いかに「最後の敵」であっても、かっこよくトドメを指すことは難しいのだ。

・意外に定着しない「トドメのお膳立て」  
「トドメ」を演出とする思考は、早くはスーパーマリオブラザーズで「斧で橋を切ってクッパを溶岩に叩き落とす」という形で現れていた。
SFC「ウルトラマン」では、原作よろしく光線技じゃないと敵のトドメをさせない、という仕様から必然的に決め技に頼るシステムができていた。

ただ、上記した「体力」の釣り合いのため、中々ゲームという娯楽において定着はしなかった。

プレイヤーが「トドメ」を堪能できる為のお膳立てをするアイディアが台頭してくるのは、多分3Dポリゴン技術が登場して(立体的な演出ができる様になって)から。

一番有名な「トドメ」の先駆けは、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」だろう。
HPを削り切って倒れ込んだガノンにマスターソードで斬りつけるだけの操作なのだが、ヒットした瞬間の華麗な剣戟は、傑作の最後を飾るのに十分すぎるほどの華だった。

しかし、この成功に任天堂が味を占める事はなく、「ムジュラ」では同様の演出は見られなかった。その後しばらくして「風タク」では復活するのだが、間に発売される2Dゼルダでは、遂に「トドメ」を拝む事はできなかった。

概ね同時期に発売された「ファイナルファンタジー7」では、ラストボス決戦後のイベントバトルとして、「クラウドvsセフィロス」の一騎打ちが描かれる。
これも多くのFF7関連作で描かれている名シーンなのだが、FFナンバリングでは定着する事はなかった。

その後、アーク格ゲーの「一撃必殺技」、ベヨネッタの「クライマックス」など『システム』としてのトドメを搭載したゲーム。
映画的演出を十八番とする小島作品では、「ラスボスへの引き鉄をプレイヤーに弾かせる」演出があったりと、トドメへの演出にこだわる作品はちらほら出てくる。
のだが、中々メジャーとして定着はしなかった。

「体力を0にする」というビデオゲームの基本原則がある以上、削り切ったボスに決め技をぶつける、という演出は(最初に羅列した技がそうであった様に)マンネリの原因となる、という理由はあると思う。
トドメの演出は大なり小なりムービーになってしまうので、「自分が操作できずに事が進む」ことを嫌うプレイヤーと相性が悪いのも事実だ。

物語上の「魅せ方」と、ゲームとしての「自己介入性の疎外感」の低減は、「トドメ」を考える上で大きな問題となる。

近年の成功例として挙げられるのは、「SEKIRO」の忍殺だろう。
数多の死と竜咳、苛烈な体幹の削り合いの上に崩れたボスに執拗に楔丸を打ち込む狼の勇姿は、苦行からの解放感を強く実感できるし、一演出としてもくどくなく長くもなく、カタルシスだけをドバッと享受できる良くできたシーンになっている。

その後、少なくない高難度ゲームで「忍殺」をオマージュしたトドメシーンが挿入されることになる。
「忍殺」自体、従来の致命の一撃や内臓攻撃をアレンジしたものにすぎないのだが、そこはフロムの「演出勝ち」と認めて良いんだろう。

………ちなみに。
時のオカリナよりも早く発売されていて、
  • 強大なラストボス相手に
  • ケレン味のある過激な必殺技を決めて
  • ド派手に幕引きする

演出を初代に確立し、その後多くの続編でも踏襲しているシリーズがある。
その名は………「バイオハザード 」………。

B級映画的演出と言われればそれまでなんだが、「過酷なサバイバル」を売りとしたゲームのラストに、ここまで王道的トドメシーンを入れ続けるところに、カプコンの気質を感じなくもない。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
近年、特にJRPGにおいて「トドメ」を忌避する傾向がちらほら見える様な気がする。

昔からRPGはトドメの演出に難儀していたけど、近年ではヴィランに決定的に「引導を渡す」シーンが「避けられている」ような作品がちらほらある。
(ここんところだとゼノブレイド3、ブレイブリーデフォルト2が強く感じた)   

なんでもかんでも「殺せばいい」なんて乱暴なこと言わないけど、どうしようもないクズ相手にはきっちりトドメを刺してくれないと、ちょっと萎える。

別に命を奪わないでも、因縁や邪心にケリをつけるやり方はいくらでもある。
優しいやり方であっても構わないけど、主人公が自分自身の手で「トドメ」を魅せるシーンは、長くゲームに付き合っていたご褒美として期待したいものだ。

ゲームではないけど、最近完結を迎えた「機動戦士ガンダム 水星の魔女」のスレッタは、相手を殺さない形で自身の因縁にしっかりと決着をつけて見せた。
流石に仔細は避けるけど、本作の主人公として十分納得のいく結末を導き出せたと思う。

古典的な概念だけど、「トドメ」はゲームという創作を引き締めてくれる効果があると信じている。増えて欲しいな。

IMG_6311
switch「ピクミン4」の体験版をレビューします。

現状、発売日購入する予定はないんですが、せめて触れておくだけでもしたいと思い、プレイ開始。
IMG_6310

IMG_6309
のっけから「1」のifストーリーらしい展開が待ち受けている本作。シリーズでは初めてのアバター主人公でのゲーム開始となります。

・「2」の正当進化系! 
IMG_6313
ピクミンシリーズは、外伝除けば二つの方向性が示されています。
  • 限られた期限内に、効率よく対象を回収していく段取り重視の「1」「3」
  • 期限を気にせず、広大なエリアと複数のダンジョンを隅々まで歩き回る探索重視の「2」
IMG_6314
本作「4」は、体験版時点でも明らかに「2」を汲む探索型のピクミンとなっています。

地上の探索と地下洞窟という「2」の要素は勿論、地上・地下共に点在するオタカラ以外の回収物、複数点在する拠点地、素材を利用した強化要素…などなど。
IMG_6307

周回を前提に如何に効率よく部隊を展開するかが求められる1・3とは異なり、作り込まれたフィールドを隅々までしゃぶり尽くす2の傾向を更にパワーアップさせた印象です。

・「3」での要素が省かれた面も。 
IMG_6315
ピクミン達や原生生物など、多くの過去作要素が復活していることが事前に情報展開されている本作。「集大成」との趣も大きいですが、「3DX」を遊んだからこそ気になることもあります。

まず、突撃・緊急回避と言ったアクションが最初は使えません。
これらは難易度低下に大きく寄与していましたが、壁や穴掘りなど手間がかかる作業を簡易化させてくれたので、地味にストレスです。
IMG_6305
体験版時点で「突撃」を解放する装備開発ができる様になっているので、緊急回避も使える様になる…と思いたいのですが。

3ではこれらの機動アクションのおかげで大部隊も運用しやすくなっていたので、最初から使えなくなっているのは妙にストレスに感じます。

また、ストーリーが進むとオッチンに乗って移動できる様になるのですが、この時もピクミン突撃は使えない仕様になっています。
戦闘中はともかく、別動隊に作業をさせたい時など不便に感じることも多いです。

また、アバター1人を動かす体制のため、「2」「3」でのキャラを切り替えて作業する要素も少なくなっています
(一時的に、オッチンを操作するパートもあるにはありますが)

これは煩わしさもあったのである程度は仕方ないと思いつつ、1や3のTA的面白さを望む人には残念なところかもしれません。

・ピクミンについて。 
正直に言うと、当初ピクミン4を買う予定はありませんでした。

間違いなく高い品質を誇るゲームになる…ことは確信してはいるのですが、ピクミンの持つグロさに、年々耐性が少なくなっていることが大きな理由だったりします。

また、3DXでは特に…なんですが、シリーズを経るごとに「段取り」…つまり要領よく遊ぶことを半ば強要されるイメージが強くなっており、若干息苦しさを感じていたのも事実です。
IMG_6312

しかし、今回の体験版はその苦手イメージを和らげてくれたのは確かだと思います。

今後もグロ要素はまだ心配ですが、拠点要素や良い感じの広さとなった地上、バリエーション豊かな地底など、探索性と効率性をいい感じに調理してくれている印象でした。

オクトラ2のセールなどもあり、発売日購入するか…は、分かりませんが、今後のswitch購入作の候補として大きく出てきたことは確かだと思います。

チョロイね、ゲーマー。
でもゲーマーたるモノそうでなくっちゃ。

↑このページのトップヘ