
switch「F-ZERO99」をレビューします。
マリオカートに需要を吸われシリーズが断絶していたF-ZERO。本作はニンテンドーオンライン十八番の「99」とのクロスになります。
シリーズ待望の続編が変則的な登場となったことで、ニンダイ当初は賛否が分かれていたのですが、プレイしてみてびっくり。
予想以上に「99」との相性がいい結果となりました!
○どんなゲーム?

レースゲーム「F-ZERO」とニンテンドーオンラインで度々配信されてきたバトルロイヤル「99」シリーズとのコラボ作品。
厳密には、本作はバトルロイヤルでなく、四周の中で規定の順位に入れるように競い合うゲームです。
最も大きな特徴が、「F-ZERO」であること。
どういうこっちゃ?と思われるかもしれないですが、マリオカートと異なりパワー切れや場外による強制リタイアが発生しうるのが最大の差別点です。
元々、F-ZEROは
- コースそのものも起伏や連続コーナー、ダメージ系のギミックが多く完走も難しい
- 爆発や玉突き事故による大ダメージも少なくなく、頑丈な機体でも油断一つで瀕死になりうる
- そんな中でスピードを極力落とさず上位を狙わなければならない
- 加速用のターボを使うとただでさえ厳しい体力が更に減る。あと何故か本作は一周目から使える。
と、コースクリアするだけでもかなり苦労する難しさとなっています。そこに99人による壮絶な度付き合いが加わるので、自然と蹴落とし合いや上位のおこぼれ狙いが発生してきます。
「バトルロイヤルじゃないけど、自然とバトルロイヤル染みていくサバイバルレース」。
それがF-ZERO99です。
○「99」によるF-ZEROの魅力のそこあげ!
ファンからしてもマニアックな印象が強いF-ZERO。前作から20年近く経っての新作をユーザーに広めるのは至難の業だというのは容易に想像できます。
しかし、本作は「99」との上手いコラボにより、その魅力を洗練してきました。
上記のとおり「ただ完走するだけでも難しい」ゲーム。そこに99人ものマシンが同時走行することで、特にレース序盤は凄まじいカオスぶりを見せていきます。
ピットレーン(体力回復エリア)やダッシュプレートを奪い合う数十機のマシンは、従来では中々見られない光景。

スタートエリアのヤケクソじみたバカ広さは皆が笑うところ。
一方で「99」との意外なマッチによる恩恵も多く見られており、
- ライバル制、セーフティポジション(一定以下の順位だと強制リタイア)により、1位でなくとも完走できるだけで達成感を感じられる
- 上空を疾走するスーパーターボにより、下位からでも挽回できるチャンスが多分にある
- レースゲームで問題になりがちなラフプレイが問題にならない(むしろ上等)
- スタート〜ゴールが2,3分程度と短いので、プレイのテンポも良い
単なるカオスさによる一発芸ではなく、古典的であるスーファミF-ZEROを現代にキッチリアップデートしているところは好印象です。

地味なところですが、マシンバランスも原作から大幅に改善されています。
スーファミ版は最高速度・グリップの良さ(および加速の遅さをフォローするテク)から、ほぼ完全にファイアースティングレイ一択と言える環境でした。
一転、本作では衝突の増加、回復ペースの遅さ、ターボ燃費の悪さと言った影響から他マシンと大きく差を縮められています。
最もタフなワイルドグースはもちろんのこと、原作では縛りプレイ同然のブルーファルコン、ゴールデンフォックスも当たり前の様に上位争いに食い込んでいます。
研究が進めばある程度優劣がはっきりしそうですが、現時点では手練れ・初心者共に入り混じっており、マシン選択はいい感じにばらけている印象です。
○更なる追加コースが待ち望まれる!
現時点ではスーファミ版のナイトリーグ(5コース)+ハードコース(2コース)が収録されている状況であり、ゲームの面白さがあるからこそコース数的には物足りなさも感じます。
スーファミ版の後半のレースは、それこそ一位は愚か期待順位クリア、それこそ完走すら困難であるコースも待ち受けており、そこを「99」で走ったならばさぞ愉快な地獄絵図が見られるだろうと期待していますw
公式からは、9月末にクイーンリーグが、10月半ばにキングリーグが解禁されるとのこと。
GBA版のコースもなんらかの形で出てきたら面白そうですね。
なんにせよ、久々の超高速の宴を楽しみたいと思います!