
switch「ネコネイビー デイドリームエディション」をレビューします!
宙を飛ぶネコが無数のユル変キャラの大軍を撃ち抜くという横スクロールシューティングゲーム。
見た目こそよくありがち?なユル可愛系のゲームですが、弾幕ゲーの苦境を逆手に取った爽快感が肝となる良作STGでした!
・ゲーム概要
本作は俗にいう弾幕系STG、広範囲射撃と発動時無敵になるボムを有する強力な自機と、それを狙う無数の敵と弾幕が特徴のゲームです。
自機の種類は3+3、それぞれ通常ショットとボムの種類、移動速度などで差別化されており、当たり判定は見た目よりも小さいのも定例通り。(中央の光点がそれ)

ゲーム中は攻撃を当てるor敵を倒す事で青いネコが放出され、これを貯めると得点+ボムゲージに蓄積。
ボムは発動すると敵弾打ち消し&無敵、は勿論ですが、更に特徴的なのが打ち消した玉や倒した敵から高スコアアイテム(金塊?)を大量に放出する所。
本作は1億点で1upという仕様になっているので、これを使って大量にスコアを稼いでいくのが本作の基本。
一方で金塊はボムゲージを蓄積しないので、その辺の駆け引きも生まれてきます。
・弾幕はピンチ?いやチャンス!壮絶な弾幕or得点の爽快感!
弾幕ゲームとしてシンプルなシステムである本作ですが、それだけに弾幕の苛烈さとそれを切り抜ける爽快感が丁寧に作られているのが魅力のゲーム。
雑魚・ボスともに投げつけられる、こちらの逃げ場を無くすほどの大量の弾幕!
それをためてきたボムで纏めて一掃し、ジャラジャラと大量スコアにつなげた時!
弾幕STGというハードルの高いジャンルでしか味わえない、リスクとリターンの応酬を存分に実感できる事でしょう。
正直この手のジャンルへの造詣は深くないのですが、それでもこのゲームが弾幕ゲー、というか横スクロールSTGとしてよく作られているのは分かります。
ステージの要所要所、特に後半や高難度ではマジでこちらの逃げ場を完全に潰す程の弾幕が投げつけられるので、その時に備えてボムを温存しないと長くは持ちません。
溜まったらすぐに使うのではなく、「ボムの使い所を見極める力」も要求されていきます。
また、近接して敵を倒すとスコアとアイテム量が増加するブレイブシステム、放出された青ネコや金塊はすぐに取得しなくても一定時間は画面に滞留する、パワーアップアイテムを得る事で即座にボムゲージがMAXになることなど、「如何にボムを途切れずに使い続けるか」というテクニックも大事。
これらに上達する事で、生存時間が長くなるだけでなく、高スコアのチャンスが多くなる→1upの機会が多くなると、攻略上の利点だけでなく、本質的な楽しさにも結びついていくのがミソ。
(HARD基準では)決して簡単なゲームではありませんが、上達の楽しさを実感できる作りを丁寧に仕上げていることは絶賛したいです。
・ユルいキャラだが難度も演出も手抜きなし!
自機はなぜか空飛ぶネコ、出てくる敵も所謂ユル変キャラと一見ゆる〜い雰囲気が漂う本作ですが、その実バランスも演出も一切手抜きは感じません。
バランスについては先ほどあげたとおりですが、STGとしての演出、BGMも見事です。
特筆したいのが、撃墜した(された)時のド派手な爆発。
ショットでもボムでも当てればユル変キャラの雑魚は爆発四散し瓦礫が飛び散り、ボスを倒した時には壮絶な爆発音と共に連続爆発する!
弾幕を掻い潜って倒した時に相応しい達成感と爽快感を煽るに相応しい爆発っぷりだと思います。
BGMも秀逸。
夜の公園と街並みから始まる穏やかなステージ1に、稼ぎどころに相応しいゴージャスなビジュアルとBGMのステージ5、難度の急激な上昇と共に不安さと激しさを増していくステージ6以降…とどれも中々高品質。
個人的には∞モードで流れる楽曲、Flower/Losstime Lifeがイチ押しだっ!
やっている間は瞬殺上等の弾幕が来ることも多いからおちおち聞いてられないけどね…
ケチらしいケチも見当たらない本作だけど、強いて言えばシンプル故のストイックな作りであること、チュートリアルが乏しいことから、根っからの初心者だと入りが厳しいかもという所はあります。
難易度選択はあるけど、イージーでも極端なヌルゲーにはならないし、コンティニューも(回数増加できるとは言え)有限なので。
とは言え、光点ずらしなどの特殊なテクニックを要する作風ではなく(勿論細々とした敵弾をしっかり避けるテクは必要)、ボムの使い所を見極めて如何に効率よく使っていけるかが肝のバランスなので、そこを理解して立ち回ればなんとかなる…と思います。

なお、これがその弾幕。
ボムが尽きれば文字通り死ぬ修羅場ですが、逆に言えばうまく立ち回ればスコアのインフレが発生するので実は本作の目玉…なのかも。
・シンプルさを上手く調理した弾幕STGの秀作!
本作を構成するシステムやバランスは決して真新しいものではありませんが、シンプルさ故のジャンルの楽しさを上手く表現できています。
緊急回避手段でもあり、絶好の稼ぎ頭でもあるボムを如何に扱うか。ボムの安定使用の為にどのように立ち回り、稼いでいくか。
特殊技能よりも立ち回りの上手さを問われるバランスであり、システムへの理解が深まる程に結果につながる、上達を実感しやすい作り。
最初こそジャンルとチュートリアル不足故の厳しさはありますが、そこをクリアすれば敷居も高くはないと思います。
シューティングが好きな人、興味がある人は是非手にとってほしいっ、そんな秀作でした!
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