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PS4「DARK SOULS REMASTERED
をクリアレビューしたいと思います。

デモンズソウルで披露されたシリーズ
独特の世界観と高難易度、それらを改良
・変質した事で押しも押されぬ一大
ヒットに押し上げた本作。
今回のリマスターを待ち望んでいた人も
多いのではと思います。

​当時こそ殆ど興味を持たなかったソウル
シリーズですが、ブラボから遡って
ジャンルに親しんだのち、遂にプレイ
できた本作。
今に続く楽しさや本作独特の世界観に
驚きつつも、無視できない粗も少なく
なく、シリーズの魅力と成長を再確認
した一作になりました。

※以下、ネタバレを含みます。ご注意を






・シリーズでも異色の、自由度の高い入り組んだ世界観

本作の舞台となる世界、ロードラン。
そのゲームとしてのマップデザインは、
恐らくジャンルの中でも非常に個性的に
なっています。

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具体的に言うと、​各ステージが思いも
よらぬ所で蟻の巣のようにつながって、
略の自由度が非常に高い​所。

例えばスタートの火継ぎの祭祀場。
ここから大抵の人は「城下不死街→不死
教区」と進むことになるかと思います
が、例えば最初に万能鍵を持っていれば
小ロンド遺跡→飛竜の谷→病み村​」と
進むことも可能です。
また、持っていなくとも(遠回りですが)
不死教区から​黒き森の庭→狭間の森と
通って飛竜の谷につき、そこから
病み村に侵入する​と言うことも、
一応できます。
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​ステージ各地に意外な抜け道があり、
それが破綻なく繋がっている​からこその
構成であり、周回プレイ時の自由度の
高さに一役買ってます。
また、単純な見た目も「病み村や巨人
墓地からデーモン遺跡エリアが見える」
など、世界観として違和感が生じない
ように工夫されていると思います。

「火継ぎの使命」そして「不死者」が
織りなす独特の世界観。

基本的なゲームデザインはデモンズを
踏襲しているダクソですが、世界観は
大きく変えています。

最たるものが、「不死者」。
文字通り死ぬことができなくなった
人間を指しますが、その設定は
​自動補充できるエスト瓶で回復する​」
​死ぬと亡者(ゾンビのような)の姿に
なり、人間性を捧げる事で生者に戻る​」
というゲーム性と世界観の両立に一役
買いました。

また、火継ぎの使命という旅の目的に
合わせて、多くの個性的なNPCが登場
したのも目玉。
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自分だけの太陽を求めて彷徨う変人、
妹のために人間性を搔き集める蜘蛛女、
昼寝しながらのんびりと旅する
玉ねぎ剣士、
助けた恩を仇で返す外道騎士…

善人悪人ともに多くのバリエーションが
あり、彼等との付き合い方によって
最終的には旅の目的そのものが変わって
しまうことも…

続編である3でも彼等を踏襲した
キャラクターがでてくるあたり、とても
魅力的なキャラ造形であると思います。

シームレス性にしたが故の弊害も。
先述した通り本作の世界は各ステージが
各所でシームレスに繋がっています。
それは自由度や没入感に一役買っている
とは思いますが、それによる弊害も無視
できません。
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まず、​鍛冶屋や行商が各地に散らばって
いる事。
​戦闘に必要な装備や道具を売っている
店が各地に点在しており、篝火ワープが
使えないうちは武器の進化にも一苦労
します。メジャーな筈の炎強化のために
難所の地下墓地潜らなきゃダメ
てのは、流石にどーよ。

また、後作から入った人間としては、
篝火ワープが最初から使えず、また
転移先も少ない​というのは面食らい
ました。ワープが使えない状況で病み村
ならまだしも、うっかりデーモン遺跡や
イザリスに入ってしまうと脱出するだけ
でも一苦労。
イザリスや狭間の森のように、
入るまでも面倒なのに篝火ワープで
舞い戻ることもできないという苦しい
場面も少なからずあります。

これが"面倒"だけならまだ作品の味と
割り切れるでしょうが、気軽に店を利用
できなくなったお陰で所謂"詰み"に陥る
ケースも考えられます。
例えば先述の病み村や最下層に挑む時、
毒や呪死などの厄介な状態異常に悩ま
されることになりますが、この時
回復用のアイテムがないと、突破も
撤退もままならず
"​詰んだッ!ダークソウル完!"なんて
悲劇にもなりかねません。

一プレイ2時間で終わるロックマン
様なタイトルならまだしも、攻略に
時間がかかることが前提のゲームで
これは意地悪さを否めません。
(事前対処は可能とはいえ)


・"単体"としてのステージデザインには疑問アリ。

集合体としてのマップのイメージが強い
ダークソウル1。で、"単体"として…
高難度ARPGとしての攻略マップ​と
しての完成度はというと…
実を言うと、一部首をかしげる場面
ありました。

正直、"高難度ARPG"というジャンルに
何を求めるか、にも意見が分かれると
思います。シリーズ作品が代を経ていく
につれ洗練されていくことは真っ当な
あり方なので、完成度についてⅢや
ブラボと比べるのは公正でないかも
しれません。
ただ、それにしても…という場面が
見られたのもまた事実です。
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端的に言うと、中盤…アノール・ロンド
以降、陰湿なマップ構成でもって
​落ちて死ね!」と責めるステージ
多く見られました。

狭い屋根裏で盾受けもまともにできない
大弓を撃ってくるアノール・ロンド、
見えない足場とゴーレムの執拗な追撃が
厳しい結晶洞穴、視界も暗く足場も
悪い、更に壁を通り抜けて一方的に
攻撃する亡霊ばっかの小ロンド遺跡…
など、敵配置やギミックの妙よりも
落下死を誘発させる作りで難易度を
上げている、地形で殺す​ステージが
中盤以降激増してきた印象です。
後半以降、完成度が疑わしいステージが
見られるようになる…というのは
後作でもありましたが。
(後半ヤハグル、罪の都など)
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また、そうした過去作に比べても遥かに
死にやすいバランスでありながら、
​篝火の数が圧倒的に少ない​のも悩み所。
これも後半に顕著ですが、一エリアに
篝火が一つもない、またはボス戦まで
5分近く走って移動するしかないような
場面も多く、リトライの手間や
ダレやすさは後作に比べるとかなり
大きかったです。

また、チェックポイント(の近く)から
ボス戦まで楽にアクセスできる
ショートカットの存在も少な目。
城下不死街や最下層など、あるにはある
のですが、中々篝火まで到着できない…
という苦しさは後作よりも強いです。

個人的には、デスペナの重さからくる
精神的なプレッシャーと、こまめな
チェックポイントでの安心感、達成感
メリハリがこのジャンルの面白さだと
思うので。
2以降がデモンズの様な​拠点式・
ステージ攻略型​のマップになっていった
ことは、正直に有難い…という感想が
ついています。


一度は触れておきたい、高難度ARPGの記念碑。それが合うかは人次第ですが。
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自分はブラボから仁王、SASを通じて
Ⅲ…と触れていった異端者ですが、今回
始まりのロードランを歩いて見て、
未来のロスリックの光景がダブる様な、
懐かしむようなシーン​が出てきて、
嗚呼あのシーンってここリスペクト
だったんだな…」という感慨深さに
包まれました。
そうした"シリーズの味"を振り返るだけ
でも、今作をプレイする価値はあると
思います。

ただ、高難度ARPGとしてのゲーム
デザインとしては、過渡期故の粗と
いうか、それだけでは済まない様な無茶
も感じたり、「Ⅲやブラボは凄く進化
したんだなぁ…」という別の意味での
感慨深さも感じました。

fpsの向上やマッチングの改善など手が
入った部分もあれど、全体的には
オリジナルの仕様をほぼ踏襲した今回の
リマスター版。
初代としての魅力を再確認する人も
あれば、続編の2、3、ブラボや他の
高難度ARPGの成長を実感する人もいる
のは確かで。

ジャンルのファンを自称する人ならば、
(結果はどうあれ)一度は触れておきたい
作品だと思います。



ロードランの火継ぎの旅は終わりです
が、まだ冒険は終わりません。
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次はドラングレイグだ。