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雑感

2008年03月09日

あまりよい年度でないと

3月年度末を控えたこの時期になると、特に今期は市場環境があまりよい年度ではなかったせいもあり、予算に達成しないところも多く出て来るわけで、経営サイドから職員に「はっぱ」をかけるところもあるようです。

しかし経営サイドから予算未達という話を聞かされるたびにいつも疑問に思ってしまうのですね。「なぜ経営は職員に予算が未達だということを知らせるのか?あるいは知らせることによって何を伝えたいのか」と。

予算が未達ということは、運用の現場でいうならベンチマークに負けた、に等しいわけで、そういうポートフォリオマネージャーは運用の失敗の責任を取らされて給与カット、最悪の場合には解雇されるかもしれません。経営も何らかの責任ということになるのでしょうが、「はっぱ」行為によって、本来経営がとるべき責任の一部を職員と共有したい、もっと言うと、未達だった責任の一部は職員にあると経営は考えている、と伝えたいのか?と勘ぐりたくなるわけです。

未達だったのか、その理由を考えると、
1.職員の無能
2.経営の無能
3.計画自体が無謀
に分けられると思うのですけど、もし1だとしても経営は無能な職員を解雇できるオプションを持っているわけで、それを行使せずに無能な職員を使い続けたのは経営の責任でしょう。また2と3は経営サイドそのものですし。

このように考えると、仮に業績が悪かったとしても職員の責任なんてこれぽっちもないのではないか、と思ってしまう訳ですね。どういう意図を持って「はっぱ」行為をしているのか明らかではないものの、そんなことをしている暇があったら、「ごめんなさい」と一言誤って、未達だった原因の特定と経営資源の配分見直し、をやらなきゃと。


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2007年10月26日

債券投資と恋愛論

CPIが強かったので(trimmed meanが0.9%、weighted meanが1.0%だったかと・・・)、RBAが11月に追加利上げをするらしい、とマーケットは勝手に思っている。利上げ=カーブのフラット化なので、凄い勢いでインバートが進んでいます。2年10年で−50bpsくらいだったかでしょうか・・・
でもちょいとばかり妙なのは、ブルフラットしていること。政策金利と市中金利は意味合いが違うし、市中金利の中でもロングエンドはRBAの影響が及びにくい、中銀が長期金利にコミット出来るわけないし、そもそもその必要すらない、と言ってしまえばそれまでなのですけど、少しぐらいはRBAに敬う気持ちを出して、せめてベアフラットくらいにならなければ、中銀だってシメシがつかないだろうに。

尤も、オーストラリアでは長期金利が実体経済に及ぼす影響はあまり大きくありません。企業も個人もお金を借りるときにリファレンスする金利は基本的には短期金利なので。とすると、長期金利というのはマネーゲームの場でしかないような感じがしてきます。

債券と言うと、キャッシュフローが確定しているので(期限前償還があるモーゲージなどは除く)非常に安心できる投資と見られがちなのですけど、マネーゲームと化した長期債はもはや投機ですな。10年債利回りが例えば6%だったとすると、本質的にはその債券は1年当り6%しか回りません。福利を考えなければ、10年間で60円のリターンしかないということになる。それが1日に10bpsも金利低下してしまうと、キャピタルだけで、durが大体7.5年とすると、75銭も儲かっちゃう訳ですね。年間6円しかない利益の10%以上に相当する部分を高々1日で達成してしまう。残りの364日は低い利回りを享受しなければならないわけです。だから、債券投資は安心、安定なんて言ってしまうのは明らかにオカシイのではと思ってしまう次第。

若い男女が恋愛に陥ると周りが見えなくなってしまうというのは良くある話ですけど、キャピタルで儲けてしまうっつうのは若い男女の燃え上がるような恋愛にどこかしら似ているような気がするのですよね。大人になると世間体もありますから、ゆっくりと落ち着いた感じになるのでは、と思うのですけど、こういう姿が債券投資のあるべき姿なのではと。まあ、大人になっても色恋にうつつを抜かすこと自体、キモイかもしれませんが。

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2007年10月09日

非正社員と正社員の賃金格差の結末

某下流社会などという書物の第2弾が発売されたわけですが、どうも第1弾が世に出て以来、格差という言葉が流行っております。でも格差と一言でいっても、地方と都会の格差のことなのか、同じ地域内でも異なる産業内の格差のことなのか、はたまた世代間の格差のことなのか、今ひとつ判然としない状況にやや辟易気味なよしくん。某自民党大物代議士が語ったように、非正社員と正社員との賃金格差を言う場合が多そうにも思えますが。。。では非正社員と正社員の賃金格差を埋めようと企業が頑張った場合の結末は、多分悲惨なものになるのではないかというのがよしくんの結論であります。

経済学的には(新古典派ですが)賃金っつうのは、価値で測った限界生産力でして、つまり実質賃金は限界生産力になります。企業の利潤最大化行動の帰結として得られる当たり前の事実。勿論、価格は所与であるとか、労働者は同質であるとか、厳しい仮定の下で始めて成り立つ議論ではありますが、そうした前提条件を外すと、元も子もなくなるので、取り敢えずこうした厳しい前提条件が成り立っているとすれば、実質賃金とは限界生産力なわけであります。これが意味するところは、よしくんの理解では、企業があと一人労働者を多く雇うことによって得られる付加価値がその人の賃金に等しくなる、そんなレベルに達するまで労働者を雇い入れる、適正な労働者数の決定方法を示しているわけです。

冒頭の自民党代議士の発言を新古典派的な賃金決定論からとらえ直すと、
非正社員の実質賃金は本来貰える賃金(限界生産力)を下回っている可能性が大だから、これを貰えるべき適正な金額に引き上げよ、
となる。言い換えると、非正社員は搾取されており、正社員や資本家は貰うべき賃金以上の賃金を収奪している、となります。プロレタリアートよ、立ち上がれ!となるわけです。労働者階級間、及び労働者階級と資本家階級間での分配問題に口を挟んでいる訳ですな。

まあ、民間の分配方法に口出しするくらいなら、政治家たるもの社会全体の利潤を引き上げるような産業政策を考えよ、というのが本筋ではないかと思う訳ですが、百歩譲って、ご自身の主張の裏付けを論理的に提出するくらいのことはやってから、マルクス革命を語ってはいかがかと思う次第。

よしくんは実質賃金は限界生産力で決まっている部分が多いのでは、と思っております(特に賃金格差是正というシュプレヒコールが上がれば上がるほどそう思えてくるのですけど...)。この立場からすると、限界生産力を無視した賃金決定は労働者数を減らし、失業者数を増やすことは確実です。身の丈に合わない賃金を払い続ける企業はもはや存続できないからですな。

ということで、非正社員の給与引き上げを企業利潤が増えないなかでやったら失業を招くだけ、というのが結論。よしくんの賃金が限界生産力に等しいことを願っていますけど、怪しいかもしれません。


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2007年10月04日

気質の違い

シティが日興コーディアルを完全子会社にする件。現金の受け渡しが伴わない三角合併で行われるという事ですが、お膝元がサブプライムローン問題でのっぴきならない状況であるにもかかわらず、よくもまあこの時期に合併なんて決断するわなぁ、と驚きというかあきれるというか。羹に懲りて膾を吹きまくりの日本だったら、前期に損を出した部署が今期更に業務を拡大して損を取り返すなんて思想はまず生まれてこないでしょう。

確か、98年のロシア危機のとき、ウォール街の方々は過去最悪の四半期決算を発表したと記憶していますが、その次の四半期に当時としては史上最高利益を、それもトレーディングで稼ぎだしたはずではなかったかと。このアグレッシブさは流石に日本人にはできないでしょう。アングロサクソン系の獰猛さ、狩猟民族性こそが為せる技でしょ。

一方、最近の日本。金融商品取引法が施行され、10月から販売業者に求められるようになりました。リスクの説明をお客さんに事細かに説明しなければならず、こんなことをしているようでは商売上がったり、といった怨嗟にも近い嘆きの声が聞こえています。当局としては、貯蓄から投資へ、という流れを無理無く誤解無く推進するためのお考えなのでしょうけど、顧客からのクレームがすぐさま法令違反に繋がりかねない、ということで現場サイドではかなり混乱しているというか、引いている模様です。




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2007年09月05日

剥奪

第二次安倍政権の閣僚がいきなり辞任というか更迭というか、止めちゃったわけですが、水面下では幹事長と官房長官が働いていたという話。もうこうなると、首相の存在価値、ヤバいです。ブッシュのレームダックに秋風を感じるのはしょうがないにしても、組閣し直し、人心一新、さあ再チャレンジ、の矢先にまた政治と金の問題。

この一件で存在感を失ったのが安倍さんなら、存在感を一層高めたのは麻生さんでしょうね。プラス与謝野さん。この二人なくして今の内閣は持たないような構図になってしまった。麻生さんの弱点は党内基盤の弱さにあるので、古賀さんとの接近することによって、大宏池会構想が現実味を帯びてくれば、そうした弱点も解消される。(それはそれで何かしら新たな火種になるのでしょうけど。。。)

さていつになっても政治家を巡るカネの問題は消えることのない厄介な問題ですね。恐らく政治をするにはお金がかかるのでしょうけど、だったらはっきりと国民の前でお金がかかる、ということをアピールすればいいのに、それをせずに、隠れてコソコソというのはイタダケマセン。政治資金規制法だとか政治倫理ナンチャラカンチャラ等、いろんな縛りがあるようですが、もはやこうした法律に引っかかった政治家は金輪際、選挙権も被選挙権も剥奪、といった強行手段も必要なのでは、と思ってしまいます。というのもこれで野党に恰好の攻撃材料を与えることで、無駄な時間が浪費されてしまいますから。

年金問題、消費税率引き上げ、憲法改正等、議論を尽くさねばならない問題が山積しているというのに、また政治倫理などという次元の低い問題で時間が費やされてしまう。悲劇です。

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2006年09月17日

2000億円

“まる”が沢山ある計算は苦手なんですよ。だから何回も計算しました。だけどやっぱり2200億なんだよね、この式は・・・70,500*3,120,000

売上高19億円、経常9億円の企業の時価総額が2200億円とは。。。なんて資本効率の悪い会社なのでしょうか、と考えるのがごくごく普通の感覚。でも市場がこのように評価しているからしようがないのだけけれど、やっぱし変だよね。

mixi会員でないよしまるなので、SNSの面白さは解りませんが、そもそも人は面識の無い人とコミュニケーションすることにどれほどの楽しさを感じているのだろうか、とふと考えてしまいますね。面識がないと言っても、某巨大掲示板と違ってある程度素性のわかる相手だと、楽しさが飛躍するとか???ありえない。

よーわからん。まあ、ブームなんて移ろい易いもの。こういう銘柄には手を出さないのが賢明だと思うのですけど。

しかし一夜にして大金持ち(実際には評価益ですけど)になった企業の社員の皆さんは、まじめに労働しようなんてインセンティブは働くのでしょうか?多分一生働いても得られない大金が、今市場で持ち株を売却すれば得られます。百歩譲って、趣味で仕事やってます、くらいの感覚にならないのかなぁ?とものぐさなよしまるは思ってしまうのですけど。崇高な職業倫理を身につけたい。

それにしてもお金ってあるところにはまだまだあるのですな。こりゃBOJは早く利上げせにゃいけませんかな。海外からは再び円キャリートレード再開などという鼻息の荒い声も聞こえてきますし。FEDが打ち止め宣言をする前に(というか市場ではもう完全に打ち止め、とみなされているけど)、さっさとBOJも利上げしっちゃったほうがいいのでは、なんて思った次第。

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