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本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年末は冬コミ落選となってしまい、2年前と同様に、またまた中国旅行に行ってきました。
2016年の年末も、やはり冬コミに落ちて上海に行ってきたのですが、なんでしょうかね、夏コミより冬コミが好きなのに落ちまくるこのジンクス。

それはさておき、今回は大連・旅順を旅してきました。
12月28日から31日の4日間、といいますか、28日と31日はほとんど移動だけだったので、実質的には29日、30日の2日間ですね。中国東北部はちょっと遠いです。福岡空港から大連・周水子空港へ、片道2時間程度のフライト。北朝鮮が見えるかな?と思いましたが、見えたのは韓国の町並みでした。天気が良くて、街並みが良く見えましたよ。

それで大連・旅順ですが、何を見に行ったかというと、何と言っても満鉄、そして関東軍の足跡です。

2016年の年末、ふらっと上海に行ってから、20年間眠っていた僕の中にある「中国旅したい」欲が一気に蘇りました。18歳くらいの頃「かつての満洲国を旅したい」という思いが強く、第二外国語も中国語でした。

そんなわけで今回、ついに満洲へ。その中でも大本命ともいえる大連を訪問したわけです。
ちなみに、大連以外で行きたい都市といえば、瀋陽(かつての奉天で清朝の古都。満鉄線を走った特急あじあ号が展示してある鉄道博物館がある)、長春(満洲国の首都、皇帝だった溥儀の居所なども残る)、ハルピン(ロシア人の作った街、満鉄線の終着駅)となります。

このうち、大連と瀋陽は、今から20年前にバックパックを背負って旅しています。そう、実際に行っちゃたんですよ、ハタチの頃です。無謀だよな。つまり、今回は20年ぶりの訪問でして、思い出の地を巡るセンチメンタルジャーニーでもあったわけです。

4日間の旅で撮影した写真を少しご紹介しましょう。

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大連の中心部となる中山広場。こちらはかつての横浜正金銀行・大連支店です。
中山広場は巨大なロータリーで、ロータリーの周りを戦前の建物がぐるりと囲む大連で一番の観光地です。今回は年末訪問ということで、年越しのイルミネーションが施されていました(冒頭の写真です)。

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中山広場から少し東にある、かつての満鉄(南満洲鉄道株式会社)本社。
満洲における実質的な「植民地」経営を担った日本の国策会社です。この対面に満洲国のブレーン的な存在を担った満鉄調査部があります。建物が今でも残っていて、満鉄本社跡は現在修復中でした。

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満鉄本社の内部を見学、この素敵な天井はかつての食堂です。現在は、満鉄関連の資料を展示する資料館になっています。この建物自体はロシア人が建てたもので、この部屋も元は礼拝堂だったそうです。満鉄時代に入って、幹部の食堂として使われた模様。

なお、満鉄本社は通常は閉まっていて、玄関先に書かれた電話番号に電話して、係の人に開けてもらう必要があります(電話は日本語でOK)。僕が訪問した日は、日本語のできる若い女性が案内してくれました。

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路面電車が走るレトロな町並み。後ろの建物は、日本時代の日本橋郵便局です。
大連のユニークな特徴として、街に路面電車が走ってます。大連は坂の多い街で、なんとなくサンフランシスコとかと似てるのかもしれません。行ったことないから知らんけど。
ともあれ、現在は2系統の路面電車が走っていて、このうち、大連の主要な市街地を走る201系統は、レトロな車掌を復刻して運転しています。雰囲気は抜群。ただね、この車両は暖房が無いみたいで、乗ってみるとかなり寒いです。日中の最高気温がだいたい3℃程度なので冷えてます。

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ところ変わって、こちらは旅順の関東法院跡。
旅順は大連から路面電車と鉄道を乗り継いで、だいたい1時間30分ほどで行けます。
旅順はロシア人が作った軍港で、日露戦争で日本が接収し、その後は中国の時代に入っても現役の軍港です。ちょっと前まで外国人の立ち入りは禁止されていました。

関東法院はいわゆる裁判所なわけですが、日本時代には伊藤博文を殺した朝鮮人革命家の安重根が裁かれたところとして有名なようです。というか、ここに着いてから、そんな歴史を初めて知りました。韓国人の団体客が熱心に見学している姿を見て知りました。

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安重根のフィルムに見入る韓国人観光客。
ちょっとこれは気まずいなあと思い、この1枚を撮ってそそくさと建物を出ました。

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旅順市街西部にある旅順工科大学跡。ロシア海兵団の建物を転用したものです。官立の旧制大学でした。
ここを撮影している頃からようやくモヤが晴れてきました。

この他にもたくさん写真を撮りましたが、今日はこのくらいで。
街を歩いたり、タクシーに乗ったり、電車に乗ったりしながら、大連・旅順に残る日本の足跡をたくさん見てきました。

今回の成果をまた同人誌などでお伝えしたいと思っている次第です。
そんなわけで、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。