婚トレMAGAZINE

2009年08月

石原壮一郎「理想の結婚なんて無い(中編)」

石原壮一郎コラムニストで「大人力」をキーワードに多数の著作を持つ石原壮一郎さんに、大人の恋愛・結婚感について、「婚トレMAGAZINE」が話を聞きました。

前編からの続きです

■結婚を遠ざけるワード「私らしさ」
いいなと思う人とつき合ったけどやっぱり長続きしなかった、さりげなく相手からフェードアウトされてしまったという時に、すっぱい葡萄理論で「あんな男は最初から好きでもなんでもなかった」とか「あの男は、こういうところがいまいちだった」と相手のせいにするのは簡単です。

でもそういった楽で気持ちのいい方法ばかりをとっているとなかなかトレーニングにならないと思います。やはりトレーニングというのはある程度苦しくて辛いものですから、一番そこは触れられたくない、自分にとって痛い部分というのをグリグリほじくりだすぐらいのつもりでやらないと、何度も同じ轍を踏むことになると思います。

人間はそんなに変われないとはいいますが、例えば男性と接する時にちょっと身構えてしまうとか、ついつっかかってしまうという癖が仮にあったとして、それを「私らしさ」と思ってしまったらそこで全て止まってしまうわけです。本質的に変わることはできなくても、じゃあそういう癖をどうすればなるべくごまかせるのか、ださなくてすむかという努力をしていけばいいだけなんだと思います。

でもそれを認めるのが一番難しいことなんですよね。認めたくないばかりに「私らしさ」だとか、そういう便利な言葉にすがってしまうんだと思います。周囲はそういう人をつつくとめんどうな事になるので、基本的には何も言ってくれません。そうすると本人はますます自己肯定の技術ばかりが上手になって扱いづらい人になっていきます。

「扱いやすい」、というと単に素直で従順というイメージがあるかもしれませんが、そういうことではないと思います。この場合の扱いやすさ、扱いづらさというのは、自分の失敗や知らないこと、至らないことをちゃんと見るつもりがあるかどうかということなんです。

自分を否定されるのが怖くて、そういう気配を感じたらすぐに身を縮めたり、反撃にでたり、という人が扱いづらい人だと思います。自己イメージなり、自分がまだまだ未熟で実力も知識も足りないということがわかっているからこそそこをなるべく直視したくないのだと思います。そうすると、扱いづらい人には周囲も簡単に「それ違うんじゃないの」と、言えなくなる。でも、せっかく気づいた欠点や間違いを指摘してもらえなかったら、自分にとって非常にマイナスですよね。

扱いやすい人というのは、いろいろな人にいろいろな事を言ってもらえるので勉強したり成長したりというチャンスがどんどん増えていきます。しかし扱いづらい人は、なるべくみんなが本人が嫌がる部分に触れないようにしようとするので、自分に何が足りないのか気付くチャンスもないまま年齢ばかり重ねてしまうことになります。

※以上中編、今後アップされる後編に続きます。

■石原壮一郎さんプロフィール
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、93年に『大人養成講座』でデビュー。以来、大人モノの元祖&本家として、雑誌、新聞、WEB、テレビ、ラジオと各方面で活躍している。『大人力検定』(文春文庫PLUS)と『大人の女力検定』(扶桑社文庫)は、ニンテンドーDSのゲームソフトにもなるなど世に「大人ブーム」を巻き起こした。『30女という病』(講談社)、『決断道』(廣済堂出版)、『大人の合コン力検定』(ソフトバンククリエイティブ)など著書多数。8月下旬に最新刊『大人の食いモン力』(扶桑社文庫)が発売! 公式HP「大人マガジン」。

婚トレMAGAZINE」では、このほかにも様々な有名人・専門家に婚活についてインタビューしています。

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石原壮一郎「理想の結婚なんて無い(前編)」

石原壮一郎コラムニストで「大人力」をキーワードに多数の著作を持つ石原壮一郎さんに、大人の恋愛・結婚感について、「婚トレMAGAZINE」が話を聞きました。

■自分を振り返って現実を知る
今は結婚に関する情報がものすごく溢れているので、結婚までのシミュレーションは完璧にできると思うんです。ただそれをいくら重ねたところで、実際の結婚には大して役に立たないんですよね。逆にシミュレーションを重ねれば重ねるほど、こんなに難しいことが自分にやっていけるんだろうかと結婚することが怖くなる。

それに情報が多いと相手に対する要求も細かくなっていきます。雑誌を見ると、「こういう行動をする人は危ない」という情報が山ほどあります。それも煙草を吸う人はこう、とかそういったわかりやすいものならまだいいのですが、これは関係ないだろうという行動まで結びつけていたりする記事も多いですよね。

そういう情報ばかりをずっと見ていると、相手が何をやっても「この人はやばい」というサインにみえてきてしまう。すると結婚について一生懸命考えたり、完璧な結婚をしようと思って努力すればするほど、ゴールから遠ざかっていくという矛盾した結果になってしまうんです。

そもそも結婚というのがちゃんとした男性とちゃんとした女性がちゃんとした家庭を作ると思うところに、大きな間違いがあるのだと思います。結婚ってどこかだめな男性と、どこかだめな女性が、何かだめなところがある家庭を作っていくものだと思うんですよ。人間が行なうほかのあらゆる行為と同じように。

相手にしたって自分が完璧じゃないことはわかっているはずなのに、完璧じゃない自分がどうやったら完璧な異性をつかまえられるのかと考えるのはずうずうしい話ですよね。完璧じゃない男性と女性が、完璧な相手を求めてうろうろしていても出会うわけがありません。「この人なら何とかやっていけるんじゃないか」と思える人を探さないと形にはならないんです。

だからまず、「結婚はダメな人間同士がするものだ」という覚悟を決めることが実りある婚活なり婚トレに重要なことだと思います。

■あなたの理想に無茶はないか?
理想の結婚を描くのは楽しいことだと思います。ただし結婚には、進学や就職と違って締切がないという大きな罠があります。「今年しなくても、来年でもいいか」となりやすい。でも締切もなく理想ばかりを描いていると、「俺は役者になるんだ」と夢ばかり語って何もしないだめな人のようになってしまいます。夢を語る自分がまず一番大事で、現実やその夢に近づくために何をするかということは後回しにしてしまうような人です。

もちろんイメージは大事です。ですが地に足のついてない妄想とイメージとは、まったくの別ものです。

でも「結婚」という、どんな人にも無限のチャンスがありそうなこととなると、自分の抱いている結婚像、恋愛像がどれだけ現実離れしていて実現しづらいものか、なかなか気づきづらいかもしれません。しかも困ったことに、他人も指摘しづらい部分です。

「俺はいつかオリンピックにでるんだ」という人間にはつっこめますけど、「私はいつかこんなタイプでこんな肩書きの彼をつかまえる」という人に、それは無理だ、とはなかなか言えません。そうなると本人も気が付くことができないまま、どんどん理想だけ図にのってくるという悪循環にはまる危険性があります。

※以上前編、来週の中編「結婚を遠ざけるワード『私らしさ』」に続きます。

■石原壮一郎さんプロフィール
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、93年に『大人養成講座』でデビュー。以来、大人モノの元祖&本家として、雑誌、新聞、WEB、テレビ、ラジオと各方面で活躍している。『大人力検定』(文春文庫PLUS)と『大人の女力検定』(扶桑社文庫)は、ニンテンドーDSのゲームソフトにもなるなど世に「大人ブーム」を巻き起こした。『30女という病』(講談社)、『決断道』(廣済堂出版)、『大人の合コン力検定』(ソフトバンククリエイティブ)など著書多数。8月下旬に最新刊『大人の食いモン力』(扶桑社文庫)が発売! 公式HP「大人マガジン」。

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山本貴代「晩嬢の婚活とイメトレ(後編)」

山本貴代博報堂生活総合研究所で、生活者の意識動向を広く研究されており、「独身女性の心理・行動」について多数の著書を持つ山本貴代さんに「婚トレMAGAZINE」が話を聞きました。

※「前編」からの続きです。

-自分磨き
あまり自分を磨きすぎるというのもよくないと思います。女性は習い事とかをたくさんするじゃないですか。でもあんまり習い事をしたり、資格を取り過ぎちゃうと男性が追いつかなくなってしまう。隙をうまくみせることが大事なのに、資格で隙が埋まっていってしまうんです。たまに弱さをみせるとか、男性に警戒心を持たせないテクニックを磨くことも忘れずに。

-マンション購入の是非
そういえばマンション買ったら男がついてくる、ってジンクスがありましたね(笑)
今、一人暮らしの女性はきっといい暮らしをしていますよ。可処分所得もあってね。ただ、家とかを買ってしまうと、どんどん譲れないものみたいなものが出てきちゃうんですよね。いい家具を揃えてしまったりすると、自分のライフスタイルがあってそこをかき乱す人は嫌だと思ってしまって、結婚までは難しくなりますね。結婚というのは生活を共にするわけですから、あまりバリバリに誰も入る隙間もないみたいになると厳しいものがあります。

-自分の旬を冷静に考える
自分の「旬」を考えたことがありますか?旬は人によって違うと思うし、まだまだこれからという人もいるかもしれないけど、自分の限界みたいなものを感じる時がきます。子供を産めるとか、産めないとかもそうかもしれないですし、もうモテなくなるかもとか。
「結婚相手は経済力があって、家柄もよくて」と、理想ばかり考えていったらキリがないから本当に大事な物は何かちゃんと考えて、自分の旬と照らしあわせた方がいい。

というのも実は今だに、いつか白馬の王子様が現れて私をさらっていってくれるという幻想を抱いて、合コンとか出会いの場に行かないという人が多いんです。その日暮らし的に「いつか素敵な人が現れる」のを待っている。

でもそうやってただぼーっと生きているだけじゃ、あっという間に80歳になってしまいます。だから一度これからどう生きるのかみたいなライフプランみたいなものを考えてみるといいと思います。子供が欲しいのであればいつまで可能なのだろうかとかね。逆算していくと、ぼんやりはしていられないと思うかも。

出産に関しては焦りがある人が多いですね。アンケートの「いつか結婚したいですか?」という質問では、8割ぐらいの人が結婚したいというし、子供も産みたいという。でも子供を産みたい年齢と結婚したい年齢がだいたい逆転するんですよね。結婚年齢の方が後にきて、子供を産みたいという年齢が先に来るんです。これはすごく微妙な女性心理だと思います。

■結婚の誤解
-誰と結婚しても同じ…とまでは言わないけど
結局は、誰と結婚しても同じ…とまでは言わないけど、もしかしたら、そんなに変わらないのかもと思います。素晴らしい人と巡り会えるに越したことはないですけど、別にその相手じゃなくても結婚生活はできるし、楽しい旅行もできるかもしれない。

すごくこだわってここは譲れないという事が三つぐらいはあるかもしれないけど、あまり細かく書きだしても、だいたいみんな一緒なんですよ。

だから一度そのガチガチになっている鎧みたいな部分を、全部崩して広い心で接してみれば、そうすればいろんな可能性が出てくると思います。「絶対、この人じゃないと駄目」なんていうのは恋する高校生とか、恋愛の初々しい時期ならあるかもしれないけど、ある程度いろいろ経験してきている大人なんだから受け入れていきましょう。それに結婚してからだって、譲り合いは続いていくんですから、完璧なものを求めようとしないことですね。

相手に足りてない所は自分がフォローすればいいと思うのもいいですね。服のセンスないけど私が選んであげればいいかとか。そういうある程度は変えることができる部分は大目にみるとかね。

-不幸な話は耳にいれないこと

今は周りに離婚する人が多すぎて、「結婚がよくないものなんじゃないか」、「結婚した途端に貧乏になるんじゃないか」、「暮らしがよくなくなるんじゃないか」とかいろいろ頭でっかちになっている人が多いと思うんですよ。
それに結婚なんていいもんじゃないわよって言う人も多いですけど、だいたい幸せな人はあまり語りませんからね。「私こんなに幸せなのよ」なんてノロケるのは新婚さんだけです。

私自身、結婚してずいぶんたちますが、精神的にはとても落ち着いた日々です。独身の時に感じた不安な日々なくなりました。「結婚できるのかな」とか、「この彼でいいのか」とか、そういうストレスはないので平安で落ち着いた暮らしができる。もちろん、些細な揉め事はしょっちゅうありますし、子供がいると毎日大騒ぎですが、それも楽しい。結婚は、一度はする価値ありですよ。



□山本貴代さんプロフィール
博報堂でコピーライターとして勤務し、1989年TCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞受賞。その他、ACC賞等受賞。1994年~2009年3月まで博報堂生活総合研究所 上席研究員。2009年4月より博報堂研究開発局 上席研究員。生活者の意識動向を広く研究。
特に「独身女性の心理・行動」を得意分野とする(東京OL113人による「女の欲望ラボ」主宰)。「富裕層研究」、「中国人」の日常生活研究もライフワークとしている。
著書に「ノンパラ~パラサイトしない女たちの本当~」(マガジンハウス社)「晩嬢という生き方」(プレジデント社)等がある。

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梅田みか「草食系男子への対応術(後編)」

梅田みか恋愛のカリスマとして多数の著書を持つ梅田みかさんに「婚トレMAGAZINE」が話を聞きました。

※「前編」からの続きです。

■交際編-全てをさらけ出さない
-手作り料理の披露は、1年以上経ってから
最初のうちに自分の事を全部さらけ出さない、それで相手にもっと知りたいと思わせることが肝心です。女の子の多くが最初に自分を見せすぎちゃう傾向があるんですけど、すぐにネタがなくなってしまう危険性があります。

男性から見れば、付き合い始めて2~3ヶ月経っても、自分の彼女について新しい発見があるのは楽しいし、彼女の人間性に深みが増して見えるんですよ。

手作り料理の披露は、付き合って1年以上経ってからのほうがいい。本当に結婚したい相手なら、3ヶ月目くらいでやっとお茶を煎れるくらいでちょうどいいと思います。ふだんから料理自慢もいっさいしないで、生活のにおいをさせないでおくと、お茶をいれてあげただけで「あ、お茶が煎れられるんだ!」って(笑)驚かれますよ。サプライズを残しておいてあげるんです。

それから家が散らかってるなら、絶対に彼氏を家に入れてはダメ。家に入れてプラスになるというのは、キレイ好きだったり、グレードの高い部屋に住んでいたり、部屋があなたのポイントアップにつながる場合だけ。普通の一人暮らしの女の子の家はだいたい上げない方がいいです。ワンルームですぐにベッドが見えてしまうようなところにあげても何のプラスもないですよね。その部屋を見れば、私生活が全て見えてしまいますから。

そして若いころはデートに使えるお金も少ないから、つき合うとお互いの家でデートするしかなくなってしまう。家でごろごろするだけの恋愛はすごくつまらないから、お金がなくてもちゃんと外でデートできるようにするよう工夫した方がいいですよ。東京は何してもお金かかるから難しいけど、そこはふたりで知恵を働かせたいところですね。

-同棲するなら、結婚してバツイチになるほうがいい
私は、同棲には反対なんです。同棲なんかしたら男性はなかなか結婚に踏みきりません。だって同棲は男性にとって一番おいしい状況ですから。なんとなく家事は女の子がやってくれるし、家賃・光熱費は折半だし、相手の親に挨拶しなくてもいいし、エッチはし放題、外でも遊べる。

女の子は同棲を結婚の前段階のつもりでしてしまうんだけど、だいたい同棲をすると結婚より破局に近づいてしまうんです。

それで別れることになったとしても、男性にとっては同棲したということは傷にならず、逆に勲章になるけど、女の子としては「すぐに男性と一緒に住んでしまう人」という何となくだらしない印象になるから、あまりいいイメージにつながらない。

同棲するくらいならやっぱり結婚した方がいいと思います。失敗したって結婚してバツイチになるほうがよっぽど経験になりますよ。今はバツイチなんてぜんぜん普通のことですし、籍を入れてみないとわからないこともあるから。似ているようですが、ただ一緒に住むだけとは精神的に違います。たかが紙切れですけど意識も違うので男の人も変わります。

-ミステリアスな部分を残しておく
結婚するまで相手の男性に対してミステリアスな部分を残せておけたら最高ですよね。結婚したとたんセックスレスになってしまうってこともなくなると思いますよ。相手に謎を残しておく方法としては、まずは、一日中何をしていたかをいちいち報告しないこと。みんなしゃべりすぎると思いますね。

何年つき合っていても、「この子普段は何をやっているんだろうな?」という部分を残しておかないと。

彼に会って話すことは、今日あったことの報告じゃなくていいんです。彼としかできないような話をしたらいい。

「今日○○ちゃんと会ってね、仕事でこういうことがあって」って一日の話をされても彼氏も退屈です。世の旦那さんはそういう事を、疲れて帰ってきて言われるのが嫌だから、家に帰りたくなくなるんですよね。それは彼氏でも同じことです。

-相手にのめり込ませる方法
それは女の子がクールダウンすることですね。女の子は付き合い始めたら毎日会いたくなったり、しょっちゅうメールしたりと彼氏一色になるけど、男の子はそうはならないから。その温度差でダメになることが多いんですよ。彼の方から好きになっても、いつのまにか逆転していつも女の子が追いかけるようになってしまう。

だから頭の中が彼一色でもそれは別にいいんだけど、それを彼にわからないようにする工夫が必要なんです。彼からメールがきても即レスしないとか、会いたい、会いたいと言い過ぎないとか、いつも彼のことを考えているというのはバレないように演出すること。それはテクニックでどうにでもできることですから。いつも最初の3ヶ月でダメになるという人は、同じような事を繰り返しているのであれば、そろそろ経験から学ばないといけませんね。

-「結婚をしないと、この人は自分のものにならない」
結婚をしないと、この女性は自分のものにならないって相手に思わせること。「この人は俺といないとき、どうしているんだろう?」と思わせるのがベストですね。

そのためには彼以外に、一緒にご飯を食べにいくような男友達を持つこと。それは浮気をしろという意味ではなくて、常に「男の匂い」をさせておくことが大切。男の人というのは他の男の匂いにすごく敏感。「あ、この人は結婚しないと誰かに盗られてしまう」と相手に危機感を与えることです。ほかの男友達に会っただけで「浮気しただろ!」と錯乱する男性の場合は、結婚はやめたほうがいいと思いますよ。

だから、大昔からプロポーズさせるための手として「今度、田舎の母がお見合いしろって言っているの」というセリフがありますよね。あれをやるのはさすがに古いですけど、彼以外の男の子の友達を常に何人か持っていることで同じような効果が期待できます。
彼ができたら男友達の縁を全部切って疎遠になっちゃう人が多いんですけど、それは絶対によくないです。

むしろ結婚式にも男友達をきちんと呼んで夫公認の男友達にしましょう。そうしないと結婚したとたんにひとりぼっちになってしまいますから。主婦にとっては夫以外の男の人と話すというのはすごく大事なことなんです。

そもそも結婚式で新郎は女友達を呼ばないし、新婦は男友達を呼ばないって不自然な事をするから、あとで変になるんですよね。そうじゃなくて夫も妻も公認の異性の友達を、ちゃんとお互いに持っていれば、人生は豊かになります。

だから結婚する前から男友達を持っていること。それを最初から彼氏に隠したりしないで、「それがあたりまえ」と洗脳するところからはじめるんです。で、やっぱりそれをぶつぶついうような相手は、結婚相手としてはあまりおススメではありませんね。

-主導権の握り方
主導権はやはり女の子が握らないといけませんね。そうしないと結局幸せな結婚にはならないんです。男が主導権を握っている恋愛は、女の子はだいたい幸せになれません。

優位に立つには、本当は自分の思いが彼の思いよりも大きい場合でもそれをひっくり返してみせること。いかにも彼が自分の事を好きでつき合っている、という風に、逆転させないといけません。それはテクニックです。
それをやらないで相手を追いかけてしまうと破局を招きます。

「自分には他にも興味のあるものがたくさんある」、「彼はその一部でしかない」という意識でいないと、女の子はすぐに彼氏100%になってしまいます。それがわかってしまうと男の人が飽きてしまって、あっという間に熱が冷めてしまうんです。そうならないためにも彼ができる前の生活をできるだけ続けること。

そして本気で長く付き合う人をみつけたいんだったら、観察・洞察をきちんとして人を見分けること。自分を過小アピールしないこと、付き合い始めにクールダウンすること。女の子の方からは1年、2年経っても「結婚したい」なんて事は絶対に言わないこと。結婚なんて興味ないフリをして、他の男の子ともちゃんと会って、そうしていればまともな男の子なら、「この人は結婚しないと一緒にいてくれないかも」と思って結婚したくなりますよ。(produced by youbride


□梅田みかさんプロフィール
作家・脚本家
東京にて、作家・故梅田晴夫の長女として生まれる。慶應義塾大学文学部卒業後、執筆活動に入る。現在は、エッセイ、小説、脚本など、幅広い分野で活躍中。「anan」などの人気雑誌にも数多く登場し、若い女性たちの“恋愛のカリスマ”として絶大な人気を博している。著書に、小説『書店員の恋』『年下恋愛』(マガジンハウス刊)、『別れの十二か月』『愛された娘』、エッセイ『愛人の掟』シリーズ、『思いどおりの恋をする80の方法』(いずれも角川文庫刊)、他多数。テレビドラマの脚本に「お水の花道」「よい子の味方」「あした天気になあれ。」「CAとお呼びっ!」等がある。


婚トレMAGAZINE」では、このほかにも様々な有名人・専門家に婚活についてインタビューしています。

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山本貴代「晩嬢の婚活とイメトレ(前編)」

山本貴代博報堂生活総合研究所で、生活者の意識動向を広く研究されており、「独身女性の心理・行動」について多数の著書を持つ山本貴代さんに「婚トレMAGAZINE」が話を聞きました。

■晩嬢の婚活にはイメージが重要
※「晩嬢」とは、晩婚・晩産の30代以上の女性たちを指す。独身女性と結婚はしていても出産はまだという30~45歳の女性を合わせると、全国に580万人ほどいる(国勢調査より算出)。

「婚活」をすると言っていても、本当に望んでいないと結婚はできません。もし本当にしたいのであれば結婚に対して具体的にイメージを描いたほうがいい。

晩嬢はじめ今の女性たちはイメージするのが得意です。例えば「あなたがパッと思い浮かべる幸福の未来図」を一枚の写真として思い浮かべ、それを言葉で書いてみて欲しいと質問すると、「家は平屋で、芝生があって、犬がいて、海が近くにあって、自分はキッチンにいるんだけども庭からは子供達の笑い声が聞こえていて」などと、とても細かいイメージを持っている。

それはとてもいいことなんです。よく夢を叶えたいと思ったら、できるだけ細かくイメージすると叶うっていいますよね。細かくイメージすると、ぼんやり思いっているのとは違いそのための努力がしやすいですから。

例えば、「結婚したい」とか「お金持ちと結婚したい」というとすごく漠然としていますけど、じゃあどんな職業の人なのかとか、結婚したらどんな暮らしが待っていて、私はどんな風に働いているのか、もしくは働いていないのか、家はどんな感じなのか、一戸建てなのかマンションなのか、そこで暮らすのは、子供が一人なのか二人なのか。鮮明にイメージすることによって、少しずつ現実的になってくると思うんですよ。

なんとなく結婚したい、だからすぐに婚活っていうのはちょっと無理があると思いますね。せっかくイメージする能力があるのだから、ちゃんと結婚生活をイメージしてみたり、どんな相手なのかというのをイメージしてみれば、より現実に近づいていくのではないかなと思いますね。

例えば実際に男性と食事しているときでも、その人が夫としてどうかというのを考えてみるといいと思います。「この人と暮らしてみたら…」みたいなのを想像してみて、遊びや飲みに連れて行ってもらうのにはいい人かもしれないけど、夫としては違うとか、金銭感覚の違いに気付いたり。一緒に料理するときとか、旅行に行ったときはどうかなとか。いろいろあてはめてみると見えてくるものがあると思います。

-不幸体質は変えた方がいい
不幸体質は変えた方がいいと思います。「自分はどうせ駄目だ」、「どうせ結婚できない」と言って卑下してしまったり、人の悪口を言って自分を保とうとするとか、そうやってずるずると下に落ちてしまっては素敵な人とは出会えません。

ある人が「ハッピーエンドの映画をたくさん観るといい」と言っていましたが、やっぱり暗いものばかり見ていると心もハッピーになっていかないですよね。だからハッピーエンドの本を読んだりとか、映画をみたりして、なんとか自分で幸せな自分を作るように心がけていくといいかもしれません。

そうやって非常に前向きで、幸せオーラを保っていて笑顔でいれば、男性も話しかけたくなったり、「ちょっとこの人とでかけてみようかな」と思うかもしれません。
相手に「自分もこの人といたら幸せになれるかも」と思わせればいいんです。結婚は仕事じゃないんですから、男性だって無理しないで一緒にいたら心から楽しくなれるような人とずっといたいものですよね。

-女性同士でつるまない
あまり女同士でつるんでいるのはよくないですよね。周りが結婚しないから私もまだいいやと思っているといつまでも結婚できないと思います。あの子もいるしこの子もいるしまだまだ平気って思っていて、気がつくと、そのグループ以外はみんな結婚してたりして、「もう遅かった」みたいなことになりがちです。自分を安心させる材料を作らないためにも、女同士でつるみすぎないことをおすすめします。

-パラサイト
それからやはり、パラサイトして家族と一緒に住んでいるというのも結婚を遅らせるひとつの原因になるかもしれません。嫌なことがあって家に帰っても、お母さんが家にいて、美味しいご飯とお風呂が用意されていて、テレビを見て寝てと、何事もなく一日が流れていっちゃいますから。

一人で住んで自立をしていると自分についてすごく考えるんですよね。そうすると危機感もでてくる。それでだんだん寄り添う人が欲しくなる。もちろんパラサイトのまま結婚する人も多いでしょうけど、一度家を出てみるっていうのも手ですよね。(produced by youbride

※以上前編、後編に続きます。

□山本貴代さんプロフィール
博報堂でコピーライターとして勤務し、1989年TCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞受賞。その他、ACC賞等受賞。1994年~2009年3月まで博報堂生活総合研究所 上席研究員。2009年4月より博報堂研究開発局 上席研究員。生活者の意識動向を広く研究。
特に「独身女性の心理・行動」を得意分野とする(東京OL113人による「女の欲望ラボ」主宰)。「富裕層研究」、「中国人」の日常生活研究もライフワークとしている。
著書に「ノンパラ~パラサイトしない女たちの本当~」(マガジンハウス社)「晩嬢という生き方」(プレジデント社)等がある。

婚トレMAGAZINE」では、このほかにも様々な有名人・専門家に婚活についてインタビューしています。

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