脳科学者の茂木健一郎さんに、恋愛を脳科学の視点から解説した「脳は0.1秒で恋をする」について、「婚トレMAGAZINE」が話を伺いました。
仕事のできる女性ほど、視野が狭くて相手を見つけにくい傾向があります。いつも目の前の仕事を効率よく進めようとしていると、目の前のもの以外の雑多なものはできるだけ排除しようとしてしまいます。結婚相手を探すにも、探す前から焦点を絞りすぎていて、「予期せぬところで予期せぬ人に出会う」という、幸運な出会いを逃している。
幸運に出会う能力のことを「セレンディピティ」と呼ぶのですが、この能力は視野の広さと関係しています。もし視野が狭ければ、予想通りの結果しか生まれません。視野を広げるには、なにも目的をもたない、ボーっとした空白を持つ勇気が大切です。そのようなとき、脳は非常に広い視野で様々な可能性を検討しようとします。このような働きを脳科学では「ディフォルト・ネットワーク」と呼びます。つまり、ボーっとしていて、一見なにも考えてないような時こそ、働いている脳の箇所があるのです。
ディフォルト・ネットワークは、脳が若いほど働いています。例えばティーンエージャーの時、自分の将来がどうなるかわからなくて様々な空想をしている時にもっとも働いています。歳をとるごとにこの働きが弱くなっていきますが、空白を持つことでこの働きを活発にすることができます。
このような空白を持つには、まず、5分でも10分でもいいから空白を持つ勇気をもつことと、空白をつくれるお気に入りの場所を見つけることが大切です。私のお気に入りは明治神宮の参道で、時間があればできるだけそこを通りながらいろんなことを考えています。
ディフォルト・ネットワークが活発になり、視野が広がることで、結婚相手となる対象の数も増え、出会ったときにいいなと思える人の数も増えていきます。出会いも、合コンだけだと偏っています。合コンに来ない男性も数多くいますから。生活のあらゆる場面に出会いはあり、そこで「少し親しくなれる」技術を磨くのが、婚活の技術の一つだと思います。そうはいっても、例えば道端で知らない人に声をかけるのは難しいでしょう。ポイントは、「恋愛相手としてじゃなくて、人間としてあなたに興味があります」という姿勢です。
いきなり恋愛相手として相手を見たら大抵引かれてしまいます。普段から、おじいちゃんおばあちゃん、子どもでもなんでも、知らない人に興味をもち、不思議に思ったこと声をかけて聞いてみることが、知らない人との会話が上手になるポイントですね。
自分から声をかけるのが難しい方は、自分が声をかけられやすくなることが大切ですね。男性から見て声をかけにくい人は、自分を持ちすぎている人です。逆に、「自分は今のままでいいだろうか」と、自分と常に対話しながら変化できる心の余裕をもった女性は、男性も自然と声がかけやすいものです。
※以上前編、「婚トレMAGAZINE」で今後配信される後編に続きます。
■茂木健一郎さんプロフィール
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授、早稲田大学国際教養学部非常勤講師。1962年東京生まれ。著書に『脳を活かす勉強法』『脳を活かす仕事術』『脳を活かす生活術』『脳は0.1秒で恋をする』『あなたにもわかる相対性理論』(以上、PHP研究所)等がある。
「婚トレMAGAZINE」では、このほかにも様々な有名人・専門家に婚活についてインタビューしています。
仕事のできる女性ほど、視野が狭くて相手を見つけにくい傾向があります。いつも目の前の仕事を効率よく進めようとしていると、目の前のもの以外の雑多なものはできるだけ排除しようとしてしまいます。結婚相手を探すにも、探す前から焦点を絞りすぎていて、「予期せぬところで予期せぬ人に出会う」という、幸運な出会いを逃している。
幸運に出会う能力のことを「セレンディピティ」と呼ぶのですが、この能力は視野の広さと関係しています。もし視野が狭ければ、予想通りの結果しか生まれません。視野を広げるには、なにも目的をもたない、ボーっとした空白を持つ勇気が大切です。そのようなとき、脳は非常に広い視野で様々な可能性を検討しようとします。このような働きを脳科学では「ディフォルト・ネットワーク」と呼びます。つまり、ボーっとしていて、一見なにも考えてないような時こそ、働いている脳の箇所があるのです。
ディフォルト・ネットワークは、脳が若いほど働いています。例えばティーンエージャーの時、自分の将来がどうなるかわからなくて様々な空想をしている時にもっとも働いています。歳をとるごとにこの働きが弱くなっていきますが、空白を持つことでこの働きを活発にすることができます。
このような空白を持つには、まず、5分でも10分でもいいから空白を持つ勇気をもつことと、空白をつくれるお気に入りの場所を見つけることが大切です。私のお気に入りは明治神宮の参道で、時間があればできるだけそこを通りながらいろんなことを考えています。
ディフォルト・ネットワークが活発になり、視野が広がることで、結婚相手となる対象の数も増え、出会ったときにいいなと思える人の数も増えていきます。出会いも、合コンだけだと偏っています。合コンに来ない男性も数多くいますから。生活のあらゆる場面に出会いはあり、そこで「少し親しくなれる」技術を磨くのが、婚活の技術の一つだと思います。そうはいっても、例えば道端で知らない人に声をかけるのは難しいでしょう。ポイントは、「恋愛相手としてじゃなくて、人間としてあなたに興味があります」という姿勢です。
いきなり恋愛相手として相手を見たら大抵引かれてしまいます。普段から、おじいちゃんおばあちゃん、子どもでもなんでも、知らない人に興味をもち、不思議に思ったこと声をかけて聞いてみることが、知らない人との会話が上手になるポイントですね。
自分から声をかけるのが難しい方は、自分が声をかけられやすくなることが大切ですね。男性から見て声をかけにくい人は、自分を持ちすぎている人です。逆に、「自分は今のままでいいだろうか」と、自分と常に対話しながら変化できる心の余裕をもった女性は、男性も自然と声がかけやすいものです。
※以上前編、「婚トレMAGAZINE」で今後配信される後編に続きます。
■茂木健一郎さんプロフィール
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授、早稲田大学国際教養学部非常勤講師。1962年東京生まれ。著書に『脳を活かす勉強法』『脳を活かす仕事術』『脳を活かす生活術』『脳は0.1秒で恋をする』『あなたにもわかる相対性理論』(以上、PHP研究所)等がある。
「婚トレMAGAZINE」では、このほかにも様々な有名人・専門家に婚活についてインタビューしています。
- カテゴリ