気付いたときには““ソレ””はもう握らされていた。

気付いたときにはもう手遅れだった。

男は見上げた、空(そら)を。

そこには無機質な壁しかなかった。

そこには空(くう)しかなかった。

たまらず溜息を吐き出した。

吐き出した溜息は無情に溶けていく。

財布も中身も無残に溶けていく。

全てが空(から)になる。


zigokukippu
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