<チバニアン>早くも観光客急増 保護・管理のあり方課題

12/2(土) 9:02配信

毎日新聞

 地磁気が最後に逆転した痕跡を残す千葉県市原市田淵の地層が11月、国際学会で77万年前~12万6000年前(中期更新世)を代表する基準地に内定した。正式認定されればこの時代が「チバニアン」(ラテン語で千葉時代)と命名される見込みで、早くも地層の見物に訪れる観光客が急増している。市はシャトルバスの運行や仮設トイレの設置、警備員配置などの対応に追われる一方、今後の保護・管理のあり方に頭を悩ませている。【信田真由美】

 市ふるさと文化課によると、認定申請している岡田誠・茨城大学教授らの研究グループが記者会見して内定を発表した11月中旬以降、晴れの日の週末には1日600~670人ほどの観光客が訪れているという。同月18、19日(土、日曜)と祝日の23日は、同課文化財係7人全員が現地で対応にあたり、その後の週末は民間の警備員6人を配置している。

 同月19日からは土日祝日の午前9時~午後3時半、30分間隔で小湊鉄道月崎駅広場から旧南部老人福祉センター間でシャトルバスを運行しており、臨時駐車場も用意したほか、仮設トイレも設置した。警備員配置、シャトルバス運行、仮設トイレ設置は今月17日まで継続して、その後については今後対応を決める方針という。

 「地層を見ても何が何だかわからない」。訪れた観光客からはそんな声が寄せられたことから、市は地層の説明や見学時の注意事項を記載したパンフレットを1万部作製。11月23日から現地や地層近くの市役所加茂支所などで配布を始めた。

 注意喚起は立て看板でも行っており、地層までの地面はぬれると滑りやすいので長靴や靴底がしっかりした履物を用意する▽土を削ったり持ち帰ったりしない--よう呼びかけている。

 11月17日にあった県内商工会議所の会頭・副会頭会議。市原商工会議所の榊原義久会頭は今回の内定に触れ、同席した森田健作知事に「ぜひ千葉の魅力として発信してほしい」と要望した。ただ、小出譲治市長は「(地球の歴史の)年表に載る大切な場所。一観光地として捉えようとは思っていない」と言う。

 市は今後、この地層や周辺を国の天然記念物に指定するよう県を通じて国に申請する予定だが、仮に指定された場合に調査・研究目的で土を削ったり、持ち帰ったりすることができるのかどうかという問題も生じるという。また、周辺は私有地と県有地が混在していることもあり、小出市長は「(県に)保護、管理のあり方を示してほしい」と話す。