預り金口座の開設


 先日ご報告したとおり、このたび、弁護士9年目にして独立開業をする運びとなりました。

 


 相談者さま・依頼者さまには退屈な記事かもしれませんが、思い出づくりをかねて、「弁護士独立こぼれ話」なるシリーズを始めてみます。同業や隣接士業、司法修習生、受験生の皆様のお役に立つことがあればうれしい限りです。

 さて、独立を決めて、最初にやったことといえば、物件さがしと、口座開設です。

 このうち、物件さがしはあっという間に終結しちゃったので後回しにして、第1回の今日は、口座開設について書き殴りたく存じます。

 先に結論をいうと、「三井住友銀行めっちゃ便利」です。


<<解説>>

1.個人事業主に俺はなる


 なんかちょっと恥ずかしい気もするのですが、ぶっちゃけると、今までの私は、のんびりとぬるま湯につかるサラリーマン弁護士でした。

 収入は専ら弁護士法人からもらう給与と賞与。

 個人事業主の届出なし。

 仕事で使うのは弁護士法人名義の口座のみ。

 移動は弁護士法人が所有する車(ほぼ巨瀬用)。

 ノートパソコンやWi-Fiルーターも弁護士法人が支給。

 講演料などの副収入が年間20万円を超えたら、「なんちゃって確定申告」。

 ってな具合だったもので、私は、給与を受け取るための個人口座しか有していなかったのです。

 独立をして、個人事業主になるなら、事業用の口座とファミリー用の口座を分けるのはたぶん必須ですよね。

 それで、手始めに、売上を入れたり、経費を引き落としたりするための口座を開設することにしました。


<<解説>>

2.個人名義の口座を新たに開設する


 みずほ銀行で、「弁護士」の肩書がない個人名の口座を新たに開設しました。

 がっつり事業用に限定すると面倒なことになる気がしたので、銀行窓口では「ちょこまかある副収入をまとめたい」とお伝えしました(確かに前からそう思っていた)。

 キャッシュカードがクレジット機能つきで、便利でした。

 ◆裁判所に一番近い銀行を使いたい→みずほ銀行の口座で解決

 ◆手軽にネットバンクで決済したい→みずほ銀行の口座で解決

 ◆仕事がらみで使うクレジットカードをつくりたい→みずほ銀行のカードで解決
 (電子内容証明、電気代引落、備品購入など)

 ◆ANAのポイントがたまるカードが欲しい→みずほ銀行のカードで解決

と、いくつかのタスクがいっぺんに処理できました。


※ ただし、口座名義に「弁護士」とか「預り金」とかの字を含めると、口座開設に時間がかかったり、ネットバンクが有料だったりと、急に不便になるようでした。なので、みずほ銀行では預り金口座を開設しませんでした。

 あと、ATMでまとまった預金をしたら、当日のうちに投資のおさそいのお電話があって、「わお」って思いました。


<<解説>>

3.預り金口座を開設する


 弁護士は、お客さまからお預かりするお金を保管するために、「預り金口座」を開設することが義務付けられています(預り金等の取扱いに関する規程3条1項)。

 預り金口座は、口座名義もそれっぽくないといけません(同条2項)。

 開設した預り金口座の名義・金融機関・口座番号などは、所属の弁護士会に届け出ないといけません(同条3項)。

日本弁護士連合会預り金等の取扱いに関する規程
(平成二十五年五月三十一日会規第九十七号)
(預り金口座の開設)
第3条
1 会員は、預り金の保管に備えるため、預り金のみを管理する専用の口座(以下「預り金口座」という。)を銀行その他の金融機関に開設しなければならない。ただし、高齢、留学等の理由により職務を行っていないとき、組織内弁護士(弁護士職務基本規程(会規第七十号)第五十条に規定する組織内弁護士をいう)であって個人で事件を受任することが禁じられているときその他の預り金を保管する可能性が長期にわたりないときは、この限りでない。
2 預り金口座の口座名義には、預り金、預り口、預り金口その他の預り金口座であることを明示する文字を用いなければならない。ただし、銀行その他の金融機関が預り金口座であることを明示する文字を用いた口座名義で口座を開設することに応じないときは この限りでない。
3 会員は、全ての預り金口座(特定の依頼者又は事件に係るものを除く)について、次に掲げる事項を所属弁護士会に届け出なければならない。届け出た事項に変更があったときも、同様とする。
一 銀行その他の金融機関及び店舗の名称
二 預貯金の種類
三 口座名義
四 口座名義に預り金口座であることを明示する文字を
用いないときは、その理由
五 口座番号
4 会員は、第一項ただし書の規定により預り金口座を開設しないときは、預り金口座を開設しない旨及びその理由を所属弁護士会に届け出なければならない。


 大分の弁護士は、たいてい、大分ナンバーワンの地銀である大分銀行で預り金口座を開設している気がします(※個人の感想です)。

 お客様の多くも大分銀行の口座をお持ちなので、着手金や実費等の振込先としては便利だろうと思います。

 ただし、大分銀行も、口座名義に「弁護士」とか「預り金」とかの字を含めると、事業用っていう扱いになって、ネットバンクの利用に月々の会費がかかります(ビジネスダイレクト:月会費1000~3000円+消費税)。

 しかも、ネットバンクの申込みをして、実際に利用できるようになるまでに1週間ほど時間がかかるし、振込等の手続がいちいち面倒です(パスワードが複数必要だったり、ちっこい器具を何度もPC画面にかざしたり)。


※ 会計ソフトとして「マネーフォワードクラウド」を導入したのですが、大分銀行の場合、このクラウドと連携させるのが面倒でした。


<<解説>>

4.三井住友銀行めっちゃ便利


 最初からここだけにすればよかったと感じているんですが、個人事業主として利用するなら、三井住友銀行はめっちゃ便利です。

 口座名義に「弁護士」とか「預り金」とかの文字が含まれていても、ネットバンクの会費なし。

 ネットバンクはすぐ利用可能。

 振込等の手続もわりと簡単。

 そして、誰もが知ってるメガバンクなので、なんか虎の威を借りてる感を味わえます(?)。


※ 三井住友銀行の口座から三井住友銀行の口座への振込みは、ネットバンクだと手数料0円。これが、任意整理・個人再生のお客様のために代行払いをする際、地味にありがたいです。他行への振込の手数料も、かなり安いです。


<<解説>>

5.まとめ


 というわけで、独立にあたって開設したのは、①個人名義のみずほ銀行の口座、②大分銀行の預り金口座、③大分銀行の「弁護士巨瀬慧人」の口座、④三井住友銀行の預り金口座、⑤三井住友銀行の「弁護士巨瀬慧人」の口座です。③は②から、⑤は④からお金を移すのが主な役割です。




 余談ですが、メガバンクという文字を見ると、私は「Dr.ベガパンク」のことで頭がいっぱいになります。


(第2回)