先日、90才を超えた患者さんが軽快退院されました。
 後期高齢者、しかも90才後半の年齢になると、入院時の状態とは異なる状態で退院したり、
 家族の希望で老健に転所ということが大半です。
 しかし、この患者さんは、見事に家族とともに自宅へと退院されました。
 
 入院のきっかけは『骨折』でした。
 高齢者の骨折は若年者の骨折の治癒過程とは違い、医療職が懸命に尽くしても、経過の中で
 臥床に伴う色々な弊害から、致命的な転帰に至ることも臨床現場では遭遇します。
 この患者さんも入院の経過中に、高齢が故に、困難な場面もございました。
 
 しかし、様々なことを患者さん自身が乗り越え、そして家族と医療スタッフは、その都度、
 治療やリハビリについて相談を重ねて、退院の日を迎えたのです。

 私たち、医療職にとって、この方の自宅への軽快退院は、心から嬉しく思ったものです。
 退院当日は、その日勤務であった師長を初め看護師・事務長・理学療法士が、玄関外まで
 心底嬉しい思いで患者さんを送りだしました。(本当に温かいアットホームなスタッフが多く
 所属している自分自身が幸せな光景でした)

 私は、その患者さんの病衣姿しか拝見していなかったのですが、退院時のロングスカートに
 素敵なカーディガンという、社会性を持った服装で退院された姿を私は忘れません。

 私たちは、これからも、この例のように、患者さん自身やご家族の望む形で病院から送り出す
 ことを喜びに感じ仕事をしていきたいと思います。
 *後日、この患者さんのご家族から『元気でやっています!!』とお便りをいただきました。

 *私ごとですが、私は大学院に所属しています。研究分野は「医療社会学」「死生学」「宗教社会学」
 です。主に『一般病棟での療養環境について』を研究していますが、病院に勤務することにより、
 「現場で何が起こっているのか」「患者さんは何を考えているのか」を知ることが出来ます。
 研究が机上の空論で終わらないように、患者さん皆さんの日々の声を大切にいかし、日本の病院に
 おけるより良い療養環境を考え、還元できるようにしたいと思っています。