あなたは今、幸せですか? 

この連載は、この質問に自信を持って「yes!」と答えられるようになるためのものです。 
世界40カ国放浪の旅とコンサルタントの経験をもとに、「毎日幸せでいる仕組み」について探求していきます。
以下の3つのステップを通じて、最終的には「毎日幸せでいる仕組み」をA4用紙1枚にまとめていこうと思います。 
 
510cdc25.png


仕組み作りの第1ステップは、「幸せについての理解を深める」ことです。
「何が自分の幸せなのか?」「どうやって幸せになるのか?」を考える前に、「そもそも幸せって何なのか?」ということを考えてみたいと思います。じっくりと、自分の心と向き合ってみませんか?


今回は、「自分探し」について考えてみたいと思います。

1 自分探しとは何か?
2 幸せは自分の心が知っている
3 どうやって価値観を明らかにするのか?
4 まずは自分を受け入れることから始める
5 自分を受け入れることで、人間関係が改善される
6 心の声を聞こう


1 自分探しとは何か?
あなたは「自分探しの旅」に出たいと思ったことはありますか?「今の自分を変えたい。」「本当にやりたいことに巡り会いたい。」「自分の生まれてきた意味を見つけたい。」と言った動機を持って、多くの(たいていの場合)若者が「自分探し」のために海外など慣れ親しんでいない環境へ飛び出して行きます。
一方で、そういった自分探しに批判的な人たちもいます。「自分探しをするのに、なぜわざわざ海外に行く必要があるのか?」「聞こえはいいが、実際は現実逃避ではないか?」と冷やかな目を向けています

自分探しには賛否両論ありますが、私はどちらの意見にも半分賛成半分反対です。私は、自分探しとは「自身の価値観を明らかにすることで、アイデンティティを形成する」大切な行為だと考えています。ただし向き合うべきは外の世界ではなく、自分自身の心だと考えています。そして自身の価値観を明らかにするためには、慣れ親しんでいない環境へ身を置くことは有効な手段の一つです。
私自身も1年間の海外放浪を通じて多くの国を訪れ、日々自分の心と向き合うことで、(おそらく日本で1年暮らすよりも)多くの価値観に気づくことができました。

価値観とは「物事に対する良い/悪い・好き/嫌いなどを判断するもとになるものの見方」です。中でも自分自身に対する価値観は「アイデンティティ(=自己同一性、自分は何者であるかという自身の考え)」と呼ばれています。アイデンティティが確立する過程で、「自分にとっての幸せとは何か?」という考えが明らかになってきます。

では価値観をどうやって明らかにするのかというと、様々なものに触れ、それに対して自分の心がどう反応するのか観察し、そのパターンを読み取ることです。
とても単純な例で言えば、ラーメンとパスタとサンドイッチを食べて、ラーメンとパスタが「好き」だと感じたら、それは「自分は麺類が好き」というパターンが見えてきます。心の反応の違いを理解することで、心の反応パターンが分かり、価値観が明らかになっていきます。

旅に出ると慣れ親しんでいない環境に身を置くことになりますが、様々な異なる刺激を心に与え、心のいろいろな反応を観察することができます。旅に出ることは、変化の少ない普段の生活を過ごすよりも、効率的に心の反応パターンの洗い出しが可能になると考えています。


2 幸せは自分の心が知っている
「幸せになりたい」と漠然と思っている方は、「どうやって実現するのか」という以前に、「そもそも何が自分の幸せなのか」について悩んでいるのではないでしょうか?

幸せでいるためには、まず「何が自分の幸せなのか」という価値観を明らかにしておく必要があります。これまでのブログ記事でも「他者からの評価」や「他者との比較による評価」に頼らず、自分自身の評価軸(価値観)を持つことの重要性について考えてきました。自分にとっての幸せの価値観が明らかになれば、あとはそれに従って日々実践するのみです。
「どんな仕事にやりがいを感じるか?」「どんな人達と共に人生を送りたいか?」「どんな時に幸せを感じるのか?」という問いについて、様々な経験を通じて心の声を聞いてみてください。




3 どうやって価値観を明らかにするのか?
「心の声を聞く」と言われても、どうすればいいのかよく分からないですよね。分かりやすく言えば、「自分の感じたことに注意を払う」という事です。
日々の生活の中でも、心は様々な情報を受け取り、それに対して反応しています。自分の感性がどう反応しているのか?その機微を見逃さないようにします。
自分の感性が幸せを感じた瞬間を見逃さず、なぜ幸せだと感じたのかを考えます。そうやって少しずつ価値観を明らかにしていきます。

幸せについての価値観を明らかにする方法は、実はまだ他にもあります。「過去の経験から抽象化して考える」という方法ですが、これについてはまたの機会に考えたいと思います。


4 まずは自分を受け入れることから始める
自分の感じたことに注意を払うことは、実は時として難しいことがあります。「自分の心の動きが分からない。」という人は、心の声に蓋をしているのかもしれません。
日々心が感じていることを自分としては受け入れられず、心の信号に目を向けないように過ごしていると、いつの間にか感情に鈍感になっていきます。

そのような場合に有効な手段は、「自分をあるがままに受け入れる」ことです。
私たちは自分の良いところ(例えば「よく気がきく」など)は積極的に受け入れますが、良くない部分(例えば「八方美人」など)については目を背けがちです。心の声に蓋をするようになるのは、自分のネガティブな部分を受け入れないようにしてきたためです。
自分の長所も短所も含めて「それが今の自分だ」と受け入れることです。自分の短所によって何か良くない状況になった時、「恥ずかしい」「嫌われるかな?」「これじゃまずい」などネガティブな感情が生まれてきます。「それも含めて、今の自分なんだ」と自分自身に言ってみると、生まれてきた感情と向き合うことができると思います。
ポジティブもネガティブも、全て含めて丸ごと受け入れることで、心は安心して、次第にまた心の声が聞こえてくるようになります。

「今の自分に満足してしまっては、自分をより良くしようとするエネルギーが生まれてこない」「自分をより良くするために、自己否定も時には必要だ」と言われる方もいるかもしれません。
しかし、自分を受け入れること、つまり自己受容と自己満足とは異なります。
自己受容はネガティブなことはネガティブだと認め、そこから目を背けません。一方で自己満足は、ネガティブなことを見ないふりまたは正当化します。実は自己否定についても、ネガティブなことを「本来は、こうあるべきじゃない」と言って、現状を受け入れていない点において自己満足と共通しています。




5 自分を受けれいることで、人間関係が改善される
少し話はそれますが、自己受容は個人の中だけでなく、人間関係にも良い影響を与えます。

私たちは他者と接する中で、自分の欠点があらわになったり、自分が他者に比べて劣っていると知ることを恐れています。そのため他者と接するときは、自分を取り繕ったり身構えたりして、自然体でオープンなコミュニケーションが難しくなります。
しかし自分を受け入れられていると、ネガティブな部分も含めて「これが今の自分だ」と認めているので、自分自身を弁護したり取り繕う必要が無くなります。そうなると、他者との関わりの中で自分の欠点が明らかになることを恐れなくなり、より自然体で他者と関わることができるようになります。

また、「ネガティブな部分も含めて、これが自分だ」と認められるようになると、他者に対しても「ネガティブな部分も含めて、これがあの人だ」と受け入れられるようになります。自分だけではなく、他者に対しても寛容でいられます。


6 心の声を聞こう
「何が自分の幸せなのか?」という価値観を明らかにする自分探しの本質は、「心の声を聞くこと」です。これは「何か新しいものから影響を受ける」ことではなく、「もともと持っている心のくせに気づく」ことだと考えています。
そのためには、自己満足でも自己否定でもなく、楽観でも悲観でもなく、今の自分をそのまま受け入れる覚悟が必要です。自己否定をしている限り、心の声は聞こえません。つまり「今の自分とは違う」何かを探し求めている限り、自分探しは達成されません。