「篭もる」

 4 リング

 傲慢の塔は、1階から10階そして屋上とある。昔は100階までの塔だったが、リージュ建築基準法に引っかかり、建て替えられた塔だ。この塔には、各階にボスが存在しており、皆がこぞってボス狩りをする場所でもある。当然上層階のボスを倒せばレアドロップで一攫千金も夢ではないのだ。

 「本当に2人で大丈夫かな?」子他は遥冬に怯えながら聞いた。

 「大丈夫だって!ボスに会ったら私が切り込むからサポートしろ!!!」遥冬は、傲慢の塔屋上の入り口で吠えた。子他は遥冬の威圧的な態度に反論できなかった。

 周りにはモンスターの姿はないが、今居る場所は、上級冒険者でも危険な場所なのだ。そこに、遥冬と子他2人だけで狩りをしている。。この階に潜んでいるボスでグリムリーパーが持っているというグリムリーパーのリング一点狙い。倒せる保障なんてどこにもなかった。

 2人で黙々とモンスターを倒し、着実に金儲けをしていた。分け前は、遥冬9 子他1である。現代で言うブラック企業だ。しかし、心のやさしい子他はそれでも働き続けた。子他をしたっているクラン員を見捨てることができなかったからだ。

 しばらく細い通路を歩き、広間に出た時だった。前方を見ると10人ぐらいの人陰がモンスターと戦闘をしている。

 「子他!突っ込むからサポートミスるなよ!」そう言うと、遥冬は前方のモンスターに突っ込んだ。出会いたくなかった、ボス グリムリーパーがそこにいたのだ。

 広間では、グリムリーパーと激しい戦闘が繰り広げられている。時間が経つにつれ、不利になるのは確かだ。みんな、目の前にいるボスを討伐することに集中していた。

 「余興はここまでだ。お前たちに死を命ずる。」グリムリーパーが叫ぶと砂埃を上げ、大きな鎌と強力な魔法で襲いかかってきた。その攻撃に耐えられず死ぬものも出てきた。

 「禿げ!私に回復魔法と、武器強化魔法!」遥冬は、目の前のボスを倒す事に集中している。ちなみに、禿げとは子他の事である。少しだけ皆より髪が少ないから禿げとあだ名をつけられた。
 即座に、サポートする子他に、感謝の言葉すらない・・・。子他は、自分の傷ついた体の回復より、優先して遥冬を回復する。

 どれくらい時間が経っただろうか・・・

 ボス狩りに参戦していた10数人の人は、私達をおいて死体となって転がっていた。しかし、遥冬は諦めない。その鬼の形相にグリムリーパーもついに倒れていった。(現実は鬼より怖い)

 そして、遥冬は死体となった人達を蹴飛ばし、グリムリーパーからリングを奪い取ったのである。

 これが恐るべき殺人事件につながる引き金になるともしらずに・・・

次回最終回?