2011年11月18日



 久々に2004年にここを始めた時みたいな調子で書いてみようと思うんですけどね。ええ、ボヤキですよ。だって「まじめにボヤいてみよう」ですから、ここ。
 当初はほぼ毎日更新していた拙ログですが、最近ではアニュアルレポートみたいになっちゃってます。他に書く場所がいろいろあるっていうのもありますけどね。いやそれ以前に雑文を書くパワーがなくなっちゃってるんですよ。歳ですかね。だって夏目漱石ならそろそろ死ぬ歳ですもん。
 時は日本シリーズ真っ最中であります。
 当初の下馬評とは裏腹に敵地で2連勝して勢いづいたかと思わせた中日も、どうやらその「相手が知らないうちに自分のペースに引きずりこんでいつの間にか勝っている」といういやらしいパターンをしっかりとホークスに読まれた感があり、本陣ナゴヤであっさり三連敗(強かー)。王手を許して中洲もとい福岡に乗り込むわけですが、今回のシリーズをちょっとばかし冷静に(そうでもしないとやりきれない心情をわかってください)眺めてみるとですね、野球というのはつくづく「流れ」のスポーツだなあと思うわけですよ。
 流れ。よく言いますよね。流れがどっちに向いたとか、流れが変わったとか。
 でもこれをちゃんとわかっている人はあまりいません。プロ野球解説者もさすがに何十年もこの世界にいるから感覚的にはわかっているんでしょうが、きちんと説明できる人にはお目にかかったことがないです。ノムさんでさえ何だかわけのわからないことを言ってました。
 でもね、僭越ながら僕は一人のファンとして悟ったんですよ。流れ。この正体を。
 一つのプレーが流れを変える、なんて言いますよね。これ、小谷自身も「あの一打が」とか「あの1点が」というように、攻撃側で起こることだと思ってたんですよ。ここで一発出るかどうかで流れが変わる、とか。
 でも違うんですよね。明らかに流れの変化は「守り」で起こる。
 今回のシリーズで言うと、まだこの時点では記憶に新しい11月16日第4戦。6回裏、中日が無死満塁のチャンスを作ってホークスの横手左腕・森福投手が登板したあの場面です。すでに「江夏の21球」になぞらえて「森福の11球」なんて称賛され始めてますけど、右打者3人をばっさり斬ったあの投球は「流れ」を完全に中日から奪いました。
 初回にホークスが2点を先制していたとはいえ、その後はゼロ封され続け、5回に1点差まで追い上げられた後でのこと。「流れ」で言うなら明らかにドラゴンズのペース。ここで左投手を出せば左の野本に右の代打は必至の状況。にもかかわらず送り出された変則左腕。一気に試合を逆転して後は珠玉のリリーフ陣の継投で逃げ切るというシナリオを一塁側ベンチが思い描き始めたのですが・・・
 結果は小池が三振、平田は浅い左飛(内川が候補)、谷繁が遊ゴロ。要した球数はわずか11球。パチパチ。この詳細はスポーツ紙の記事でも参照してください。
 もう敵味方の立場を離れて絶賛するほかありませんよ。
 いや、讃える口実ならあります。個人的には。森福投手は小谷と同郷、豊橋の生まれ。ほいじゃ三河弁で言うかや。森福って顔もおそがいけど球もすごいだに。ありゃ打てやへんら。しょんないね。生まれは花田かん。マチじゃん。
(豊橋市の郊外の住民はJR豊橋駅に近い地域を「マチ」と呼びます)

 中日にも好機はあったんですよ。「流れ」を変えられるような。
 それは第5戦の4回表無死、ホークス・松田の大飛球を追って右翼・小池が背走、フェンスに激突しながら好捕した場面です。小池は肘を痛めてその場でしばらく起き上がれない状態。ようやく立ち上がってベンチに下がるとき、そのガッツに球場全体から割れんばかりの大歓声。
 これに先発で今ひとつピリッとしなかったチェン投手が呼応。直後から直球をバンバン決めるようになって7回まで凡打の山を築いたのでありました。
 が、ですよ。残念ながら野手が応えられなかったのですね。その後も好機らしい好機も作れずにゼロを積み重ねてしまいます。
 流れというのはひとつのプレーで変わる。でもそれに呼応した人が結果を出して初めて顕在化するのですよ。それができなかった。
 チェンのボールには小池の魂が乗り移っていました。しかし魂の賞味期限は7回までだったようです。8回、上ずり始めた球を選ばれ弾き返され、満塁の走者を貯めたチェンはそこであえなく降板。後は「頼れる噛ませ犬」たる河原が押し出し死球を皮切りに代理で炎上してくれました。
 最後はホークスのお慈悲だったのか、今やドラゴンズの「救世主」とも呼ぶべき馬原を投入してくれて一部の竜党はもしやもしやと色めきだったものの、大きく変わった流れは元に戻せず零封で万事休す。
「流れ」で明暗を分けた両者。
 森福の作ったこの「流れ」はおそらくその後のシリーズ全体に影響することでしょう。敵地であと2戦残してますが、もはやよほどのことがない限りドラゴンズの逆転Vはないと確信しました。それぐらいあの「森福の11球」には大きな意味があったのです。へたすりゃシリーズMVPですよ。
 そのことはおそらく落合監督が最もよくご存知なんじゃないですかね。


(11:21)

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