【後漢書】糟糠之妻



時帝姉湖陽公主新寡。
[書き下し]時に帝の姉湖陽公主新たに寡となる。
[口語訳]その当時、帝の姉である湖陽公主は夫に先立たれたところであった。
  • 帝=光武帝(前6-57)。漢王朝の再興を成し遂げたことで知られる。「漢委奴国王」の金印を奴国に与えたのは彼。彼を知る上で『草原の風』はお勧め。
  • 公主: 皇女。




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【蒙求】両頭蛇



孫叔敖為嬰児、出遊而還、憂而不食。
[書き下し]孫叔敖嬰児たりしとき、出遊して還り、憂へて食らはず。
[口語訳]孫叔敖は幼児だったとき、遊びに出て帰り、心配して食事をしなかった。
  • 孫叔敖は春秋時代の政治家。楚の荘王を覇者にした立役者。彼の子孫は後に「孫」氏を名乗るが、孫叔・敖です。
  • 為嬰児」: 「嬰児たりしとき」の書き下しはよく問われます。~」: 「~たり」は重要。書き下すときも助動詞なのでひらがなにします。
  • 「出遊還、憂不食。」の置き字「」は、語の接続の働きを持ち、「出遊し還り、憂へ食らはず。」のように、接続助詞「」などを導きます(順接でないときは「~も」といった異なる接続語を引き出します)。書き下し、口語訳ともに注意です。




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【今昔物語集】母牛、狼を突き殺しし語




今は昔、奈良の西の京のほとりに住みける下衆の、農業のために家に牝牛を飼ひけるが、子を一つ持ちたりけるを、
今となっては昔のことだが、平城京の西側の側に住んでいた下賎の者が、(生業である)農業のために家に牝牛を飼っていて、(その牝牛が)子を一頭持ったのだが、
  • 下衆」、「農業」、「牝牛」の読みはよく問われます。



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【宇治拾遺物語】検非違使忠明のこと



これも今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。
これも今となっては昔のことだが、忠明という検非違使がいた。
  • 検非違使」の読みは頻出。
  • あり」の文法的説明(活用の種類・「基本形」・活用形)、活用表作りはよく問われます。



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【発心集】蓮花城、入水のこと



近きころ、蓮花城といひて、人に知られたる聖ありき。
最近のことだが、蓮花城といって、人に知られた高徳の僧がいた。
  • 「知られたる聖ありき」については品詞分解と文法的説明を押さえておきたいところです。助動詞は「れ」、「たる」、「き」、動詞は特に「あり」が要チェックです。
  • 「聖」の読みを問われることがあります。






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【宇治拾遺物語】虎の鰐取りたること


※文中の「」ですが、「サメの類」ということですので、ここでは「サメ」に統一しております。ご了承ください。

これも今は昔、筑紫の人、商ひしに新羅に渡りけるが、
これも今となっては昔のこと、(ある)筑紫の人が、商売をしに新羅に渡ったが、
  • 「筑紫」、「新羅」の読みを問われることがあります。

商ひ果てて帰る道に、山の根に沿ひて、舟に水くみ入れむとて、
商売が終わって(その)帰り道に、山のふもとに沿って(行き)、舟に水をくみ入れようとして、
  • 「くみ入れ」の助動詞「む」の文法的意味は要チェックです。

水の流れ出でたる所に、舟をとどめて水をくむ。
水が流れ出ている所に、舟を留めて水をくむ。
  • 「流れ出でたる」の助動詞「たる」の文法的説明(文法的意味・「基本形」・活用形)は要チェックです。






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【古今著聞集】衣のたて



伊予守源頼義の朝臣、貞任・宗任らを攻むる間、陸奥に十二年の春秋を送りけり。
伊予守源頼義の朝臣は、(安倍)貞任・宗任らを攻める間、陸奥において十二年の歳月を送った。
  • 伊予守」、「朝臣」、「陸奥」の読みはよく問われます。「伊予」=現在の「愛媛県」も要チェックです。
  • 春秋」の意味を問われることがあります。
  • 「貞任・宗任らを攻むる」この戦いは、前九年の役として知られる戦いです。頼義はこの戦に勝った功で伊予守に任ぜられました。ですからこの戦のときの頼義は伊予守ではなく、陸奥守でした。




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【沙石集】兼盛と忠見




天徳の御歌合のとき、兼盛、忠見、ともに 御随身にて左右についてけり。
天徳の御歌合のとき、兼盛と忠見は、共に随身として左方と右方に着座していた。
  • 御歌合」、「御随身」の読みはよく問われます。
  • 「つい けり」の助動詞「て」、「けり」は文法的説明をチェックしておきたいところです。また、助動詞「けり」については、この後に出て来る和歌中の「けり」(文法的意味は詠嘆)と区別させる出題は頻出ですので要チェックです。
  • 忠美について、父親が『古今和歌集』の選者である壬生忠岑に触れているようでしたら、他の選者(紀貫之、紀友則、凡河内躬恒)と合わせて要チェックです。




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