必見せんてんす☆国語・古典版

カテゴリ:古文・出典 > 今昔物語集

【今昔物語集】阿蘇の史、盗人にあひてのがるること



今は昔、阿蘇のなにがしといふ史ありけり。
今となっては昔のことだが、阿蘇のなにがしという史がいた。
  • 史(さかん): 律令下における太政官・神祇官の第四等官(四等官制における末席)。四等官制はかみ(長官)・すけ(次官)・じょう(判官)・さかん(主典)から成る。


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【今昔物語集】馬盗人

今は昔、河内の前司、源頼信朝臣といふつはものありき。
今となっては昔のことだが、河内の国の前の国司、源頼信朝臣という武人がいた。
  • 「朝臣」の漢字の読みを問われることがあります。また、「つはもの」ですが、テキストによっては「兵」の字をあてがわれていることがあり、その時は漢字の読みを問われます。
  • 河内の前司…「河内」は現在の大阪府南東部。「前司」は「前任の国司」の意。
  • 源頼信(968-1048)は、摂津源氏源満仲の三男、兄に酒呑童子退治で有名な頼光がいる(この人は家臣に金太郎こと坂田金時(956-1012)がいたことで有名)。頼信は関白藤原道兼→藤原道長に仕え、その武勇から道長四天王の一人と称された。東国における平忠常の乱(1028-31年)を鎮定した際には、彼が出馬するとの情報が忠常方に伝わっただけで乱が平定されたとされる。これをきっかけに彼は後の源氏による東国支配の礎を築く。
  • 朝臣…ここでは四位の敬称。





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【今昔物語集】母牛、狼を突き殺しし語




今は昔、奈良の西の京のほとりに住みける下衆の、農業のために家に牝牛を飼ひけるが、子を一つ持ちたりけるを、
今となっては昔のことだが、平城京の西側の側に住んでいた下賎の者が、(生業である)農業のために家に牝牛を飼っていて、(その牝牛が)子を一頭持ったのだが、
  • 下衆」、「農業」、「牝牛」の読みはよく問われます。




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