アベノミクスが好調ですね。





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2013年4月末から5月上旬にかけて、大手IT企業が相次いで、2013年3月期連結決算を発表した。

とりわけ、ITサービス分野が好調で増収増益になった企業も多く、14年3月期も「明るさ」を展望する経営トップが目立っているそうだ。

日経平均は15000円を突破してリーマンショック前の水準に回復。円も102円を突破し、こちらもリーマン前の108-110円を目指して回復に向かっている。

4月23日、麻生財務相は、来年4月に予定している消費税引き上げについて、「今年10月に判断したいと考えているが、引き上げの状況とならなければ、延ばさざるを得ないということは十分にあり得る」とし、その場合の先延ばし期間については、「3カ月か半年か1年か、今申し上げる段階にはない。…97年も消費税を5%に上げたときは減収になった。そういったことは十分注意して、今はまず景気を引き上げることに全力をあげている」と述べた。

また、実際の引き上げにあたっては、「景気が良くないと上げられないと書いてある。そういったこと(消費税引き上げ)になるように景気を良くしないといけない。…指標にはいろいろある。政治的判断で決まる。街角景気のDIや賃金、住宅価格など、指標の流れも含めて検討したい」と、税制抜本改革法の附則に触れながら、引き上げは政治判断だとしている。

麻生財務相が指摘しているように、景気回復を図る指標には色々あるけれど、消費者物価指数(CPI)も、その一つとして、考慮されることは間違いないものと思われる。

CPIについては、今年の2月のエントリー「CPIの罠とデフレ脱却への道」でも触れたことがあるけれど、筆者は、生鮮食品とエネルギーを除いた、コアコアCPIで見るべきだと考えている。

ただ、今の所、まだまだデフレ傾向は続いている。

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総務省統計局は、毎月CPIを公表しているけれど、最新の2013年3月分結果によると、CPIは上昇に転ずるどころか、前年比でマイナス。基準年の2010年の100に対しても99.4となっている。これはコアCPIもコアコアCPIも同じ傾向で、インタゲ2%はまだまだ先と思われる。

総務省の統計は、予め、対象品目を絞り込んだ上で調査するのだけれど、イギリスなど主要各国でも同じ方式が採用されている。だけど、絞り込んだ品目が売れ筋商品じゃなかった場合には、当然計測されたCPIもその分精度が落ちることになる。また、総務省の統計調査は、全国に調査員を派遣して、その価格を調べるため、集計に時間がかかり、一時的な値下げや商品の売れ筋の変化も反映しにくいという弱点がある。

これに対して、アメリカが行っている調査方法は、まず全品目を対象とし、その販売実績からそれぞれの品目の抽出確率を算出した上で、ランダムに商品を選択する。こちらの場合は、総務省方式とは違って、売れ筋が何か分からない場合や、売れ筋そのものが激しく入れ替わる場合でも比較的感度よくCPIを抽出することができるといった違いがある。

東京大学の渡辺努教授は、総務省方式とアメリカ方式それぞれのCPIについて、その相関を調査しているのだけれど、その結果、総務省方式でのCPIは、アメリカ方式より若干高めに出る傾向があると報告している。

下右図は、横軸に総務省方式で作成した物価指数(CPI)の前年同月比を、縦軸にアメリカ方式で作成した物価指数の前年同月比をプロットしたものなのだけれど、例えば、横軸で1%、すなわち、総務省方式で前年比1%のインフレになった月は、アメリカ方式では0.1%となっていて、随分と差があることが分かる。

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ただ、アメリカ方式では、調査品目は調査毎で異なることがあるのだけれど、そのばらつきの目安として、80%信頼区間をグラフ上の点線で示している。つまり、点線は、アメリカ方式でのCPIの値は80%の確率でこの範囲内でばらつくことを示しているのだけれど、それでも総務省方式とは差がある。

ということで、単に、CPIといっても、その調査対象品目の抽出方法によっても、その値に差がでてくる可能性があり、特に今の総務省方式では、一時的な値段の変動や売れ筋商品の変化にもついていけない上に、それらを比較的抽出してくれるアメリカ方式と比較して、見かけのCPIの値は高めにでる傾向があるということ。

それは、消費者の生活感覚では、まだまだインフレになった感じはしないのに、総務省発表では、インフレになったかのような発表が為されるということでもあり、それは、消費税値上げの判断にも影響する可能性がある。

先の総務省方式とアメリカ方式の比較調査を行った、東京大学の渡辺努教授は、このほど、「東大日次物価指数」という独自の消費者物価指数の公表を始めている。

これは、全国のスーパー約300店の食料品や日用雑貨など約20万点の価格をオンラインで集めたPOS(販売時点情報管理)データから計算して、算出した指標。実際の販売にあわせて調査対象が入れ替わるため、抽出方法はアメリカ方式に近く、更に細かい解析を可能にしている。

この方式はPOSによるデータ集計のため、算出も早く、5日程度で結果がでるという。対象となる20万点の商品には、生鮮食品や家電やサービスなどの価格は除外されるため、どちらかといえば、コアコアCPIに近い指標と思われ、それがほぼリアルタイムで算出できるのは凄いと思う。

実際、この「東大日次物価指数」だと、2011年3月の東日本大震災後、特売が減って事実上、物価が前年より上がった様子も鮮明にキャッチできているのだそうだ。

東大日次物価指数は、こちらの東大のサイトで公開され、毎日更新しているのだけれど、こちらでも指数は下落していて、デフレのまま。

インタゲ2%達成は、今日明日でどうこうという話ではなさそうだ。




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