昨日のエントリーのつづきです。



3月20日、日本自動車工業会の豊田章男会長が定例記者会見で、2014年度の国内新車販売見通しを前年度比15.6%減の475万台程度になるとの見通しを示した。

これは、消費税増税の駆け込み需要の反動減に加え、増税後の消費マインドの低下から車の買い替えを先送りする動きが強まると見ているためで、減少の内訳は、乗用車が13.5%減の294万台、軽自動車が18.8%減の181万台としている。名尾良泰副会長は軽自動車の落ち幅が大きい理由として「価格が安い軽は、消費税増税に敏感になるユーザーが多いため」とコメントしている。

日本自動車工業会は今年1月にも同様に新車販売見通しを発表していたのだけれど、その時は、乗用車が8%減の300万台、軽自動車が12.4%減の185万台、合わせて前年比9.8%減の485万台になるとしていた。わずか2ヶ月で10万台も減るということは、駆け込み需要で10万台分の需要の先食いが起こったか、買い控えが想定以上に進むとみたかのどちらか。

因みに2013年度の新車販売は、前年度比9.2%増の569万2167台で06年度(561万8545台)以来、7年ぶりの高水準を記録。軽自動車に至っては、14.7%増の226万1839台と過去最高を更新している。

だから、前年度比でみれば、2014年度の販売台数が急減する見通しだけれど、その前からみると、丁度行って来いで、2012年乃至2011年辺りの販売台数になる。ただ、この水準はリーマンショック後に、販売台数が、がくっと落ちたどん底レベル。ここ1、2年でそこから少し持ち直したところを、また再びどん底に叩き落とすことになる。

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一方、増税後も前年度を上回るとみている業界もある。レジャー産業などもそのひとつ。

日本経済新聞社が全国の主要な17施設を対象に聞き取り調査したところ、内、12施設が13年度比で集客増を見込んでいると報じている。例えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、今夏にもオープンする映画「ハリー・ポッター」の大型アトラクションの集客効果を見込んでいて、14年度の入場者は過去最高を更新する見通しだとしている。また、三重県桑名市のナガシマリゾートや、横浜・八景島シーパラダイス(横浜市)も集客増と見込んでいる。ただ、それらはいずれも新アトラクションの導入やキャンペーンなど手を打ってはいる。

そんな中、株価はというと、4月2日の日経平均は反発。前引けから後場にかけて上げ幅を拡大し、一時1万5000円の大台に乗せ、終値は前日比154円33銭高の1万4946円32銭。

これは、既に市場では、消費増税分が織り込み済みであったことに加え、前日の米国株式市場の上昇や為替の円安基調が支援材料となったと見られている。

ただ、それでも、これから夏前にかけて、駆け込み需要の反動減があるというのは衆目の一致した見方であり、そこに株価がどう反応してくるかは注目のポイントであることには間違いない。

3月20日、安倍総理は記者会見を開き、消費税率8%への引き上げに関して「経済への悪影響を最小限に抑え、できるだけ速やかに景気が回復軌道に戻るよう万全を期す」と述べているけれど、それだけ気にしているということ。何より、来年10月の10%増税を目論んでいるであろう財務省が全力で景気の落ち込みを防ごうと躍起になっている。

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3月28日、麻生財務相は閣議で2014年度予算を早期に執行するように各省庁へ指示。港湾や道路などのインフラ整備や文房具の購入を対象に、執行率の目標を6月末までに4割以上、9月末までの上半期で6割以上と設定し、前倒し執行する方針を打ち出している。

また、13年度補正予算も3.4兆円分の事業のうち9割を9月末までに執行するとし、14年度予算と合わせて10兆円を超える事業が4~9月に集中することとなった。

そうはいっても、公共工事は金だけ出せばハイ終りというわけじゃない。工事には人手が要る。

今はどこの工事現場でも人手不足。東日本大震災からの復興工事を進める宮城県でさえ、昨年12月時点で、土木工事全体の45%の入札が不調となっているそうだ。

今や、建設技能者も減り、総務省の労働力調査によると、2013年の建設技能者は全国で338万人で直近のピークだった1997年に比べ2割減。これは、前民主党政権が「コンクリートから人へ」などといって公共事業を大幅に削減したことで、建設業界のリストラが進んでしまった影響だと言われている。

人手不足のところに、予算を付けて金を注ぎ込んだとしても、期待した効果が出る見込みは低い。

ゆえに、政府はこの人手不足は、外国人労働者で埋め合わせようとしている。現在、政府与党内で調整に入ったと伝えられている。どうやら、外国人向けの技能実習制度を実質的に拡充し、最長3年間の受け入れ期間を2年延ばし、過去の実習生の再入国を認めるという内容のようだ。

総務省や文部科学省の調査などによると、新規学卒者の建設業への就職者は、ここ10年は約3万人で横ばいが続いている。また、65歳以上は急激に現場をリタイアしており、業界の高齢化にも限界がきているという。熟練の建設作業者が減ってきている中で、外国人向けの技能実習制度を拡充と謳っていても、肝心の教える側の人間を確保しなくちゃいけないし、彼等だって、いつかは母国に帰国する。それを考えると、外国人労働者受け入れ拡充は、その場しのぎというか、目先の対応と言う他ない。

今後10年かけて国土強靭化を進めるのであれば、やはり国内の若い人達に建設業に入って貰えるよう、何らかの後押しが必要だと思う。

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