更につづきです。



7月26日、東南アジア歴訪中の安倍総理は、2番目の訪問国であるシンガポールで、リー・シェンロン首相と首脳会談を行った。

会談では、日本の高い物づくり技術とシンガポールの国際展開力を組み合わせて第三国へのインフラ輸出を共同で行うなど、経済分野での協力強化を確認した。

また、中国の高圧的な海洋進出や、北朝鮮の核・ミサイル開発問題などでも意見交換したそうだから、セキュリティダイヤモンド構想の実現に向け、着実に歩みを進めている。

同日午後には、アメリカのバイデン米副大統領と1時間近くに渡り会談。日米同盟を強化していくことの重要性を確認した上で、安倍総理は、バイデン副大統領に、安倍政権発足後最初の外遊先にASEANを選び、ミャンマーに続いて今回も訪問している旨説明。バイデン副大統領は、アメリカのアジア太平洋重視政策の説明と、日本の戦略的役割を重視している旨の発言があったようだ。

ただ、安倍総理は会談の中で、日中関係は日本にとって最も重要な二国間関係の一つであり、対話のドアは常にオープンであるとの日本の基本的立場につき言及したそうだから、アメリカが日中関係を懸念していることが伺われる。

会談後、安倍総理は、シンガポール国立大学東南アジア研究所が主催する講演会で演説し、「日本にとって重要な隣国である中国の首脳と親しく話し合える日を期待している。 また、日本と韓国はともにアメリカの同盟国であり、地域の安全保障の土台をなす間柄だ。首脳や外相どうし胸襟を開いて話し合えればいいと念じている」と述べているけれど、これも、直前のバイデン副大統領との会談を踏まえての発言だと思われる。

だけど、安倍総理は「ASEAN=東南アジア諸国連合と日本が経済関係を超え、地域の安全保障とりわけ航海の自由に責任をもつ間柄になったことを喜びたい。アジアを導くものは、昔も今もこれからも力による威圧ではない」と、中国に釘を指しているから、今までと特にスタンスが変わったわけじゃない。

現地のホテルで開かれたこの後援会には、約2千人が詰めかけ、立ち見も出るほどの盛況ぶりだったようで、参加者は「目標が明確で姿勢が前向きだ」、「ASEANの経済成長には強い日本経済が不可欠で、取り組みを評価する」、「東南アジア重視の姿勢を肌で感じ、親近感を覚えた」などと好意的な感想が目立ち、地元紙ストレーツ・タイムズは、27日付の記事で、安倍総理の「中国とは前提条件をつけず首脳、外相会談を早期にもちたい」という発言に注目し、1面トップで報じたようだ。つまりそれだけ、中国の圧力を感じているということ。

外交筋によると、安倍総理が歴訪する各国の首脳は、首脳会談を通じて安倍総理から「憲法改正による安全保障の強化」について直接説明を聞きたがっていたのだという。



シンガポールのリー・シェンロン首相との首脳会談でも、安倍総理は、憲法改正について、平和主義・国民主権・基本的人権の3原則を当然の前提とした上で、「現在の日本にふさわしい憲法のあり方の議論を深めている」と述べ、集団的自衛権についても「日米同盟や地域の平和と安定に貢献していく観点から検討を進めていく」と説明したようだ。シンガポール政府筋は「理解と信頼の醸成に役だった」としているから、一応の理解は取れたのではないかと思われる。

また、翌27日、安倍総理は3ヶ国目の訪問国であるフィリピンのマニラで記者会見し、集団的自衛権の行使容認に関して「検討を進めていく考えだ」と明言した。更に今回の訪問で会談した各国首脳らに説明し理解を求めたことも明らかにし、憲法改正についても「誤解がないよう丁寧に説明していきたい」と述べている。

まぁ、中韓といった特亜には、何をどう説明したところで、反発と批判しかしないことは分かっているから、それよりも先に、特亜以外のアジア周辺国に説明をして地ならしをしておくことは理に適っている。経済的にも軍事的にも、特亜以外の国々との結びつきを強めて、特亜のウェートを相対的に下げることは、一種のリスクヘッジにもなる。

挑発行動を繰り返す中国は言うに及ばず、異常なまでの反日を表に出し、中国にすり寄りつつある韓国は、同盟国とはいえ、一定以上の警戒が必要になってきている。もしも、国交断絶とは言わないまでも、中韓両国と、それに近いような関係になってしまったら、日本は極東の最前線にということになる。

そんなとき、後背地に当たる東南アジアとの関係をがっちりしておくことは、地政学的にも重要。シーレーンを確保して輸送路を確保しないと、日本の息の根はあっという間に止まる。

こんなSF的な例えが適切かどうか分からないけれど、仮に、ポールシフトか何かが起きて、東京が北極点になってしまったと仮定してみると、日本の地政学的位置づけが見えてくるような気がしている。

東京が北極になったとすると、多少の時間はかかるにせよ、やがて日本海は勿論、沖縄や台湾辺りまでの太平洋が氷に覆われる。タンカーその他の船は港に着くことができず、物資の輸送は困難を極めるだろう。石油にしても半年程度の備蓄しかないから、大パニックになることはほぼ確実。原発再稼働反対云々は鼻で笑われ、即再稼働される。石油以外でも鉄鋼その他、輸入品を国内に満足に供給できず、資源不足になる可能性は高い。つまるところ、日本は今の人口と生活水準を維持することができなくなるだろう。

と、まぁ、こんな極端な例を出してみたけれど、仮に、中国に尖閣、台湾、沖縄が占領され、シーレーンが切断されてしまったら、これほど極端ではないにしても、似たような状況になってしまう。

日本は海路を断たれたら、生きてはいけない条件下にある。それゆえ、シーレーンの確保とシーレーン沿岸国との外交関係が重要になる。安倍総理のセキュリティダイヤモンド構想は、日本の生命線を守るものでもある。

画像



画像