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12月15日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、韓国政府が自分たちに不利な報道をするメディアを沈黙させる目的で名誉毀損罪を利用していると非難し、「報道の自由の弾圧」をやめるため法改正をせよと求める声明を発表した。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局の局長代理であるフィル・ロバートソン氏は「名誉毀損罪は、表現の自由を萎縮させる力を持つ。政府関係者の違法行為について世間が語るのを封じ込め、公共の利益に反するものだ。…韓国関係当局は、国際基準に準じて、表現の自由に対する脅威を除くために、名誉毀損関連法規を速やかに改正すべきだ。…韓国のジャーナリストは政府の脅しを恐れながら仕事をする状況に置かれるべきではないし、政治的に繊細な問題やトピックを報道することで刑事訴追の可能性に直面すべきでもない。」と述べている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、1978年に設立された、人権NGO。ニューヨークに本部を置き、ロンドン、ブリュッセル、ワシントンDC、パリ、ヨハネスブルク、モスクワなど、世界各地に事務所を有し、約280名のスタッフが80ヵ国で活動している。彼らは、客観的かつ徹底した調査を行い、その結果を様々な言語・形式でマスコミやソーシャルメディアに発信し、戦略的なロビイングおよび政策提言を行うことで、人権侵害の解決に向けた行動を求める世論と圧力を作り出すことを目的としている。

彼らは、既に公判が行われている産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の報道の件や、先日、朴槿恵大統領の元側近で「影の実力者」とされるチョン・ユンフェ氏の動向に関する内部文書について報じた韓国紙を名誉毀損で告訴した件を取り上げ、批判している。

後者の韓国紙の告訴は、11月28日の韓国紙・世界日報の報道を発端とする。世界日報は、チョン・ユンフェ氏が、「昨年10月から、大統領府の秘書官らと定期的に会い、情勢報告を受けていた」、「金淇春秘書室長の辞任に向けた雰囲気作りを指示していた」などと、内部文書の写真付きで報じたのだけれど、翌29日には、他の韓国メディアが「メガトン級の衝撃」などと大々的に報道し、大騒ぎとなった。

韓国大統領府は、報道について事実無根として、世界日報社長と編集局長、社会部長、記者ら6人を名誉毀損容疑で告訴。8日には、金淇春秘書室長が自身の辞任に関する噂について調査を指示した後、調査結果を受け取ったにもかかわらず、何の措置も取らなかったため関心が集まったと報じた東亜日報を告訴している。

これら韓国当局の対応に対し、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、個人の名誉と公共の秩序を維持する為には、民事法上で名誉毀損を禁ずること、及び刑事法で教唆・煽動行為を処罰すれば十分対応可能だとし、名誉毀損に関する刑事法を取るのは過剰かつ不必要だと主張。韓国の名誉毀損罪について「個人について言われたり、書かれたことが公共の利益にあたるか否かにのみ焦点を当てたもので、それらが真実か否かは関係がない」と指摘する。

とくに、「公共の利益になるかどうかのみ注視し、それが真実かどうかは関係がない」という指摘はかの国の本質を鋭く突いたものであり、いわゆる従軍慰安婦問題もこの線上にあるものだと思う。

韓国のこの"宿痾"は、産経の加藤氏に対する公判でも顔を覗かせている。

12月15日、産経の加藤氏に対する第2回の公判が行われ、その証言台に、前回の初公判の際に加藤氏が乗った車に卵を投げつけ、走行を妨害した朴・ワンソク氏と張・ギジョン氏の2人が立った。

朴氏、張氏の2名は産経や日本大使館前でのデモを主導している反日右翼団体の幹部だそうなのだけれど、朴氏は証人尋問で「産経新聞は偏った韓国報道をするメディアだ。そんな産経新聞が韓国大統領を誹謗する記事を載せた。韓国国民として不愉快に思う」と断言し、張氏も「産経新聞は日本の右翼、反韓国メディアだ。韓日関係を悪くすると思った。…産経新聞自体が韓国に批判的な新聞であり、加藤氏が書いた記事は問題があると思った」と述べた。

ところが、加藤氏の弁護側から「加藤前支局長のコラムのどの部分にそれが書いてあるのか」と質問されると途端に窮し、何一つ具体的に答えられなかったという。

ヒューマン・ライツ・ウォッチが指摘するように、韓国の名誉毀損罪が、真実ではなく、利益になるかどうかをもとにしたものであり、大統領自らマスコミを刑事告訴する国であれば、産経が気に喰わないから、事実がなくても告訴するのも無理からぬことかもしれないけれど、それが世界では通用しないことは知っておくべきだろう。