医療法人の理事長は、「医師又は歯科医師である理事のうちから選出する」(医療法46条の3第1項)とされていますが、同項但書で「都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる」とされています。

これは、理事長が死亡し、又は重度の傷病により理事長の職務を継続することが不可能となった際に、その子女が、医科又は歯科大学(医学部又は歯学部)在学中か、又は卒業後、臨床研修その他の研修を終えるまでの間、医師又は歯科医師でない配偶者等が理事長に就任しようとするような場合を前提とするものです。

 この但書の運用は昭和61年6月16日の通知により、「候補者の経歴、理事会構成等を勘案し、適正かつ安定的な運用を損なうおそれがないと認められる場合には、都道府県医療審議会の意見を聴いた上で、都道府県知事の認可が行われるものもの」とされています。

しかしながら、厚労省が昨年調査したところ、「理事としての経験年数が一定期間あること」「財務状況が黒字であること」などの要件を都道府県が独自に設定して、実質門前払いするような運用が見受けられたとのこと。
よって、厚労省は3月5日付けで必要以上の要件を設定している都道府県は、本来の昭和61年の通知のとおり、都道府県医療審議会の意見を聴いた上で、当該認可について判断するように、必要に応じて現在の運用の改善を検討するよう要請する通知を出しました。また、来年度中に再度調査を行うと付け加えています。

 理事長が高齢である医療法人も増加しており、この但書を適用するようなケースは今後少なからず増えるかもしれません。
また、医療法人の理事長は、原則医師又は歯科医師という固定観念があるので、本当に緊急時に活用するにはこの但書の運用通知を知っておくことが重要です。