rasetsu13-3


 早雲のためにあえて女装して舞踏会に参加してやった康煕は、すぐさま竜宮の私邸にテレポートした。こんな格好で、琉惺や臣下に出会ってしまったら大変なことになる。私邸に戻ると、一目散に2階にある自室へ向かう。康煕は元々着飾るのが好きではない。なので、早くドレスやアクセサリーを外して、シャワーを浴び、化粧を落としてしまいたかった。ところが、自室の部屋を開けると、そこには予想もしなかった人物がソファに座り、康煕を見るなり立ち上がった。

 「・・・これはまた・・・ずいぶんと綺麗なお姫様だな・・・」

 「・・・羅刹・・・勝手に人の部屋に・・・」

目を見開いてそう言う康煕の言葉を遮るように羅刹はいきなり康煕を抱き寄せ、激しく口付けてくる。とにかく事情を説明しようと身をもがかせる康煕を抱き縛ったまま、羅刹は康煕の体をベッドに押さえつけ、ようやく唇を解放する。

 「い・・・一体、何のつもりだっ・・・」

康煕は怒って羅刹を睨むが、羅刹は自分の数十倍ほど怒っていることが瞬時にして解った。羅刹は瞳に怒りの炎を滾らせたまま、口元に笑みを浮かべ、康煕を見下ろす。

 「・・・早雲の誕生日を祝うために、女装までして踊りに行ったワケだ・・・何でも・・・早雲の妃を選ぶための舞踏会だったそうじゃねぇか・・・」

康煕が身動きできないよう、両手をそれぞれ押さえつけた状態で、羅刹はそう言った。

 「早雲が・・・そんなことで妃を決めたくないって言うから・・・協力しただけだっ・・・」

 「さあ・・・どうだろうな? 本当は、早雲を自分に縛り付けておきたかったんじゃねぇのか?」

 「バ、バカを言うな」

 「・・・あんなに嫌がってた女装までしてなぁ・・・」

羅刹はそう言って、康煕の襟元のシースルーのショールを掴んで抜き取る。そして次に豪奢な金の髪飾りを外しにかかる。

 「これ・・・相当重いよな。あんた、ずいぶん肩凝っただろう? イヤリングやネックレスまで・・・早雲のためなら、そこまで頑張るんだなぁ・・・」

怒鳴りつけず、あくまで静かな口調で言うことで、逆に羅刹の怒りが康煕に伝わる。次々とアクセサリーを外していき、続けて真っ赤な上衣を脱がせていく。

 「・・・やっぱり・・・あんたの肌の色に赤は似合ってるな・・・そういえば・・・赤い夜着のときはあんた、ずいぶん怒ってったっけ?」

 「し・・・仕方ないだろう? 目立つ必要があったんだ・・・」

 「だから、それは、早雲に他の誰も寄せ付けたくないからなんだろ!?」

羅刹は怒りのこもった声で言い、途中まではだけさせた康煕の顎を掴む。

 「・・・正直に言えよ。あんた、本当は早雲と寝たいんだろ?」

 「違う・・・そんなこと・・・考えてない・・・」

 「・・・あいつはきっと優しくあんたを抱くだろうからな・・・早雲がいいんだろっ!?」

 「違うっ! そんなつもりはないっ・・・」

それを聞いた羅刹の口元に笑みが浮かぶ。

 「じゃあ・・・俺をここまで嫉妬に狂わせた罰を受けろ」

 「お前が勝手に・・・思い込んだだけだろっ・・・何故、私が・・・」

羅刹のただならぬ怒りに康煕はベッドから逃れようとするが、羅刹はそれを許さず、康煕の体をうつ伏せにベッドへ押さえつける。

 「前に言ったよな? 嫉妬に狂った男は怖いって・・・解らせてやるよ。今度は優しくしねぇぞ」

羅刹はそう言うと、先ほど康煕の衣装から抜き取ったピンクのショールで康煕の両手首を後ろ手に縛り付ける。康煕はその行為に驚いた。羅刹は、自分が縛り付けられるのをどんなに嫌なのか解っているはずだからだ。  

 「や・・・やめろッ・・・嫌だって・・・知ってるだろうっ!」

 「あんたも俺の嫌なことを平気でしたんだろ? お互い様じゃねぇか!」

羅刹は再び康煕の体を仰向けにして、中途半端にはだけた赤い衣装はそのままに、掌で康煕の首筋から胸をまさぐっていく。

 「んっ・・・嫌・・・だっ・・・」

 「嘘つけ・・・感じてるんだろ? その赤い唇で啼かせてやるよ・・・娼婦のように・・・」

羅刹の両手が愛でるように康煕の胸を撫で、その親指の腹で康煕の左右の胸の頂きを揉み転がす。

 「・・・こうされるの好きなんだよな? ほら・・・どんどん硬くなっていく・・・」

 「はあっ・・・あ・・・」

その艶めかしい喘ぎに誘われるように、羅刹は康煕の硬くなった蕾を舌先で舐め回し、時折強く吸う。

 「んっ・・・ああっ・・・ら・・・せつっ・・・」

口で胸を愛撫しながら、羅刹の片手が康煕の体中を這い回っていき、衣装の帯はそのままに裾を割るようにして康煕の素足を晒していく。そして、やはり愛でるように、康煕の両太腿に手を這わせる。

 「・・・さあ・・・足開けよ・・・欲しいんだろ・・・?」

 「んっ・・・はあっ」

胸への絶え間ない刺激で、抵抗する力もなくなったように、康煕は言われるがまま、足を僅かに開く。それを見た羅刹が笑みを浮かべる。

 「・・・何だ、その開き方は・・・? それで俺を咥えるつもりか?」

 「はあっ・・・もう・・・機嫌・・・直してくれっ・・・」

 「・・・機嫌? 機嫌はいいぜ? あんたの・・・こんな乱れたサマを拝ませてもらってるんだからな」

そう言うと、羅刹は太腿を撫でていた手を上へ這わせ、既に己を主張している康煕自身を掌中に収める。そして、弄ぶように、そこを緩く扱いていく。

 「はあっ・・・・あ・・・羅刹っ・・・もう・・・しないからっ・・・だから・・・」

康煕は切なげに眉を寄せ、身をよじらせて喘ぐ。康煕自身を愛撫する手に少し力を加え、羅刹はその先を促す。

 「・・・何をしないんだよ?」

 「んっ・・・女装・・・して・・・踊ること・・・」

 「・・・あんた、本当にわかってねぇな・・・そんなのどうでもいいんだよっ!」

羅刹は限界ギリギリにまで達した康煕自身の根元をきつく戒めて、強い口調で言う。

 「足を開け! それとも・・・何ならここに早雲を呼んでやろうか?」

自虐的ともとれる笑みを浮かべて、羅刹は康煕を見据える。

 「ち・・・がうっ・・・早雲に・・・そんな気持ちはないっ・・・」

 「だったら、早雲に嫉妬させるような行動をするなって言ってンだよ!」

羅刹は康煕自身から手を離すと、両手で康煕の両足を大きく開かせる。僅かに残った羞恥で康煕は身をよじらせる。

 「・・・俺が欲しいか?」

 「・・・ほ・・・しいっ・・・」

 「・・・早雲じゃなく・・・俺が欲しいんだな?」

 「わ・・・たしが・・・欲しいのは・・・お前だ・・・」

 「・・・じゃ・・・イクまで・・・俺の名前だけ・・・呼んでろ・・・」

羅刹は燃えるような熱さのこもった声でそう言うと、ぐいっと己自身を康煕の中へと突き込んでいく。その強い刺激に康煕の背中がしなる。

 「ああっ・・・あ・・・ら・・・せつっ・・・羅刹っ・・・」

容赦なく、康煕の体を貫き犯しながら、羅刹は言う。

 「いいかっ・・・お前は・・・俺のモンだっ・・・他の男を誘うようなマネするなっ・・・」

 「はあっ・・・あ・・・あ・・・羅刹っ・・・」

 「そうだ・・・俺だ・・・お前が体を許していいのは・・・俺だけだっ・・・」

 「んっ・・・はあっ・・・あ・・・」

本能がもたらす快楽の波に2人は飲み込まれていく。まるで2人で1つの体を共有しているような錯覚にさえ陥る。早く解放されたいと願う反面、この快楽が永遠に続けば良いとさえ思えてくる。

 「あんたがっ・・・好きで好きで・・・たまらねぇんだよっ・・・だから・・・他の奴に・・・気を持たせるようなこと、するなっ・・・俺は・・・狂っちまうっ・・・」

 「はあっ・・・羅刹っ・・・ああっ・・・」

激しく体を突かれながら、康煕はただ羅刹の名前だけを呼ぶ。それは、命じられたからではなく、ただその名を呼びたいからだ。

 「ら・・・せつっ・・・もう・・・」

 「康煕っ・・・」

思いのこもった声でその名を呼び、羅刹は限界ぎりぎりまで康煕を貫き、己の熱情を解放する。同時に、康煕も必死に抑制していた自分自身を解き放った。

 


 

 ぐったりとした康煕の体をかき抱き、羅刹は体を反転させて、後ろ手に縛ったショールを解いてやる。

 「・・・あんたを・・・二度と縛ったりしないはずだったんだがな・・・」

 「・・・いいよ・・・お前なら・・・怖くない・・・」

 「・・・また・・・あんたに酷い責め苦をしちまったな・・・」

 「・・・ごめん・・・お前に・・・嫌な思いをさせて・・・でも・・・私がこんな行為を・・・するのは・・・本当にお前だけだから・・・」

潤んだ目で康煕は辛そうに羅刹を見つめる。解っている、解っているはずなのに      。羅刹は、すっかり紅のとれた康煕の唇に口付けながら、己の度量の狭さを思い知るのだった。

 
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