2006年08月23日

2006年8月23日に想う

一流と言われる文学賞の応募ではありえないことだが、他の文学賞に応募すると「一次、二次選考をパスし、最終選考の結果、特別賞を受賞」の通知を貰うことが度々ある。 つい先日も某出版社の応募結果がきて、心を震わせて開けてみると、同等の結果が記されていた。

 虚しさに苛んでしまう。こんな評価?でしかないとは……。

 通知にはうんざりするような褒め言葉が羅列され、最後に「出版の費用として○○万円」と書かれている。いわゆる共同出版(出版費用を出版社と作者が折半する出版方法。通常なら出版費用は出版社が全額負担)という代物である。

「あなたの作品はとても素晴らしい出来ですが大賞には至りませんでした。でもこの作品をこのままにしてしまうのは惜しい。是非、共同出版という形で本を出版してみませんか」と言う。でもそれには金銭的負担が必要であり、出版社によって異なるが、私の今までの経験だと、70〜160万円ぐらいである。
 
 金銭的負担を嫌っている訳ではないが、この程度の評価でしかないことに気持ちが沈んでしまう。本当に評価されているなら共同出版などありえない。それに共同出版は出版社の営業でしかない。甘美な言葉の洪水も営業トークでしかない。読者から金銭を受け取る代わりに作者から金銭をせしめている。見方によっては詐欺に近い。「記念に本を出版したい」と思う人ならいざ知らず、私は作家になりたいのだ……。

 将棋の棋士に佐藤という男がいる。天才の羽生に負け続けどうしてもトップになれない。昨年の王位戦の七番勝負、三勝三敗からの最終局を落とし、またしても羽生の前に頭を垂れた佐藤。「こうなったら王位奪取は僕の悲願だ」とその夜の慰労会で口走ったと言う。眼は赤く血走り顔は引きつっていたと言う。その佐藤が今年も羽生と王位戦を闘っている。現在、二勝二敗であり、佐藤には是非頑張ってもらいたい。

 「情熱」というよりも「執念」を感じるからだ
 
 燃え盛るような瑞々しい情熱ではなく、泥臭く這ってでも勝利をもぎ取ろうとする執念。ボロ着のまま泥水を飲んででも生き抜こうとする執念。そこに生き様を感じてしまう。

 私もかくありたい。もはや、楽しいとか楽しくないないだとか、嬉しいとか嬉しくないだとかの問題ではない。これは生存権を懸けた闘いだ。情熱だけでやり通せることではない。そこには執念が必要だ。一度だけの人生、後戻りは出来ない。与えられた生を精いっぱい表現したい。それだけだ。


↓☆少しでも心に感じたらポチっとお願い☆
Ranking
kousei57blue at 20:27│Comments(8)TrackBack(0)想い 

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by RYO   2006年08月25日 09:42
>後戻りは出来ない

その心意気があれば、
成し遂げられると信じています

ライフ・イズ・ベリー・ショート
キープ・チャレンジ・イット!
2. Posted by エルニエッタ   2006年08月25日 22:04
RYOさんへ
ありがとうございます
私も常にチャレンジャーでありたいです
3. Posted by ごんた   2006年09月01日 22:00
分かる、分かる、その気持ち
誰にでもあるさ、そういうこと
4. Posted by エルニエッタ   2006年09月05日 21:05
ごんたさんへ
分かっていただけますか
人間、諦めない限り悩みを抱えているものでよね☆
5. Posted by ちい   2006年09月06日 11:55
初めまして。ブログランキングからとんできました。
私も、あまりブログには書いてませんが物書き志望です。
共同出版について書かれているのを読んで、自分と同じだ〜と思いました。
私も何度か応募したことあります。
お互い諦めずにいきましょう!
6. Posted by エルニエッタ   2006年09月08日 22:56
ちいさんへ
そうですね、互いに頑張りましょう!
諦めたら痛みはなくなりますけど、自分を失ってしまいそうで。
明るく前向きに頑張りたいです☆☆

7. Posted by orangeapricot   2006年09月25日 22:50
こんにちは!
わたしもいつも共同出版提案にされてしまいます。
同じような人はいっぱいいると思うんですけど、
作家という夢があるなら自分が諦めたら終わりです。みんな応援してくれると思うので是非がんばって下さい。すごくジャンルが違うのだけど夢の宝地図とか描いて作ってみたらどうでしょう?

8. Posted by エルニエッタ   2006年09月29日 22:23
orangeapricotさんへ
コメありがとです!
「夢の宝島地図を作る」の意味がよく分かりませんが、でも何となく分かります
それを作ればモチベーションも高まるような気がします
互いに頑張りましょうね☆☆

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔