2009年08月29日 20:21

人生のリセットは可能か?


≪人生のリセットって?≫



私の周りに人生のリセットを試みた人が何人かいる。

この人たちに共通する出来事はと言えば、不祥事で一時的にでも立場を追われたり、他人を信じた為に事業でつまづき多額の借金を抱える憂き目にあったり、或いは離婚したり(離婚は最近では人生の大問題では無くなる傾向がある)或いはかつての朝の連ドラ見たいに、ええ年したおっさんが家族を捨てて駆け落ちしたけど結局は破局を迎えてまい戻ったり、実に様々である。



そしてそう言う体験をした人の多くは、過去を悔んでなんとかその過去を断ち切る為に色々と思い悩んで一つの結論に達するのである。



つまり人生をリセットしようと試みるのである。



具体的な行動としては、自分がかつてしていた行為を否定したり(例えばかつて昼間から酒を飲んで車を運転していたようなやつが、自分は一滴も酒は飲めないと言い切る)、或いはつまづいた時の人間関係を断ち切りその当時良い関係で関わった人(例えば助けてくれた人でも)でさえその関係を断ち切ろうとするのである。



また自分と駆け落ち相手の蜜月を知っている人間とは、例え目と鼻の先にいる人でも、駆け落ち相手を見捨てて一人で逃げ帰ってからは連絡を絶ってしまう。



要するに苦々しい過去や、恥ずかしい過去から逃れる為に自分の人生にリセットをかけようとするのである。



≪人生のリセットは可能か?≫



それでは人生のリセットが可能かどうか考えてみよう。



知っている人は知っているが、人間の意識は大まかに見ると2層構造になっている。

つまり建材(違った!)顕在意識と潜在意識である。



このリセットと言う行為は、顕在意識レベルつまり表面の意識で行われる行為で、自分の思いで行われる行為である。



ところが肝心の潜在意識にはその時期の嫌な体験や感情がハッキリとインプットされたままであり、時間の流れに乗って顕在意識では忘れた様に思えても、ふとしたきっかけでその時の感情がフラッシュバックされてくるのである。



要するにごまかしでは感情は癒されないと言う事である。



 



≪ではどうすれば良いのか?≫



これは実は簡単な事なのである。

つまりその出来事を受け入れれば良いのである。



おそらくこう言うと「それができれば苦労は無い」とか「どうすれば良いか判らない」とか「絵に描いた餅の様な事を言うな」とか言われそうなのであるが、実は過去の全てを受け入れる以外に救われる方法は無いのである。



例え人生をリセットしようと、自らの肉体を滅したとしても、もし転生があるとしたらやはり次の肉体でもこれを引きずって行かなければならない可能性も残る。



従って自分のした事や、或いは人にされた事や、例え人生から消し去りたい出来事であったとしても、それを受け入れない限りは死ぬまで、いや死んでもついてくると考えるべきだろう。



それも自分の都合よく受け入れたのではうまくいかない事が多い、もちろんその出来事から学ぶ事はとても重要なのだが、受け入れる事と学ぶことは少し違っている。



受け入れるとは、自分の血肉とすると言えば良いだろうか?



飛躍した言い方をすれば、自分自身の全て(精神も肉体も含めて)が今ここに存在することに感謝出来るようになる、と言う事だろうか?



過去の出来事、ひいては生い立ちや貧乏、金持ちなど何の関係も無い。



先の事はこれから考えれば良い、要するに自分がどうなりたいのか、それに尽きる。



過去があって今がある、今があるから未来がある。



これは紛れもない事実である。



最近人に勧められて読んだ願望実現のノウハウ本にはこの考え方に否定的な意見が述べられていた。

著者の意図は判らないが、過去の積み重なりが現在の自分を築き、そして現在の自分が未来に向かうと言うのは法則であり、否定し得ない事実である。

浅はかな私見を公の本にすると、同じく浅はかな思慮の人々の共感を呼ぶ。なまじ知名度がある人間が言うと、判断する力の無い人はそれを信じる。罪な事である。



そんなことはともかく、顕在意識で否定的に思える過去であっても、潜在意識では歴然たる事実としてインプットされている。



それをどうとらえるかは今の自分の心の持ち方一つである。



例えどんな嫌な体験があっても、リセットすると言うような逃避行動だけはやめた方が良いと思う。



逃げたら絶対追いかけて来る、そして一時的に忘れていると思っていても、あらゆる場面で、あらゆる機会にその事はフラッシュバックしさらに強まって行くだろうし、もっと新たな強敵を呼び寄せる事になるかも知れない。



もし救いを求めるとしても、それは決して怪しげな宗教では無い。



自分のまいた種は自分で刈るしか無い。これが因果応報である。



従って心地良い人生を得るにはごまかしのない良い種をまくしかないのである。



 



 



 



 



 



 



 



 



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