2009年10月04日 16:57
政治とピグマリオン効果
≪政権交代とマスコミ≫
政権が代わって少しの時間が流れた。
今までの自民党のスピードとは違ってかなり早いスピードで政治が動いている。
ダム工事の中止から、天下りの廃止、補正予算の見直しと今までの自民党政権の時から比べると格段の早さで政治が動いている様に見える。
どちらかと言えばマスコミも民主党政権の活動には好意的に反応している様に見える。
鳩山さんや小沢さんの抱えている政治資金規正法がらみの問題も、気のせいか扱いがソフトな様にすら思える。
これは今までの自民党政権ではあまり見られなかった傾向だと思われる。
やはりマスコミも非難するだけでなく、今は新しい政権の推移を見守る事が必要だと考えているのだろうか?
≪国民の反応は?≫
政権交代についての国民の反応はと言うと、メディアを通して見る限りは概ね好意的に見ている様に思える。
これも当然と言えば当然で、自分たちが選んだ政権なのだからとりあえずは期待して好意的に見ていこうと言う事なのだろう。
例えば八ッ場や川辺川のダム工事廃止に絡んでは、賛成派の当事者と国側の関係者を除いては国民の大半が廃止に賛成の立場だと思う。
八ッ場ダムの計画は1952年に、川辺川ダムの計画は1966年に事業が開始されているにも関わらず、現時点で工事が途中であったり着手されていなかったりと言うありさまである。
そもそも工事計画の遅れに期限が無い事自体が問題で、いまどきダム一つ作るのに40年も50年も係る事を許している事自体が問題であって、計画から現時点までに無駄な税金が湯水のように使われて来た事が許されている事が理解できない。
この辺は中国の長江三峡ダムをみならって欲しいところである。(見習うと言って完成までのスピードだけですよ)
計画そのものは1919年に孫文が言いだしたらしいが、着工から完成まで僅か16年と言うのはダムの規模からして驚異的である。
こう言うものはできるだけ長期化させずに、途中にチェック期限を設けて、その期限内に予定した進行状況が得られなかったら、そこで中止を決定するか大幅な変更を検討するべきであり、今日までズルズルと長期化させてしまった事の責任をとるものがいない事にも大きな問題が残る。
やはりお役所仕事の典型例と言えるだろう。
ダム工事以外にも続々と時間と金の無駄遣いが表面化してくるから、やはり国民は民主党政権に期待し、応援したくなるのである。
≪政治とピグマリオン効果≫
教育心理学にピグマリオン効果(ローゼンタール効果、教師期待効果)と言うのがあるが、私は政治に対する国民の期待効果が、担当政権の働きを助長するのではないかと考えている。
例えば先日のオリンピック招致の件にしても、盛り上がっていたのは一部だけで、国民の多くは蚊帳の外にいたと思う。
だからブラジルやスペインに負けたのである。要は全体的な盛り上がりに欠けている点をIOCに見透かされていたのだろう。
わたしなどは、「なんでまた日本でオリンピックを開催せないかんの?」と、この件に関しては???????である。
何故なら国民には殆どメリットが無く、殆どデメリットが返ってくる事が予測されるからで、石原さんは自分の業績として自分が都知事の間にやりたかったのだろうが、そうは問屋が卸さないのである。
やるのなら東京では無くて何と言っても沖縄だろう。
嘉手納や普天間の基地を潰して、基地の跡地に関連施設を作ると言うのなら国民全体が盛り上がるだろう。
何と言っても同盟国なのだからアメリカと共同開催なんて言うのも良いかも知れない。
話は戻るが、やはり政治がうまくいく条件としては、国民の多くが政権に対して期待してくれる事が必須だと思う。
多くの国民の期待と協力があってこそ、多くの国民にとって住みやすい国家が作れる。
長い間能力のない政党に政治を任せ、官僚に好き勝手させてきた事は我々国民の責任でもあるが、今後は政権を担った人たちが国民の為に良い政治を行う事を期待しつつ、また暴走する事のないように、我々国民が監視すると言う姿勢が大切になる。
なんと言っても問題は国民の政治に対する無関心さであろう。