2006年02月25日

死にカタログ

『死にカタログ』(寄藤文平,大和書房)

 先日、本屋で見かけて買った本。1時間くらいで一気に読んでしまった。

 本屋で平積みされているのを見かけて、最初はてっきり『完全自殺マニュアル』のような本かと思ってしまった。「死にかた」「カタログ」なんてタイトルつけられてるからさ。「は〜、また自殺マニュアルねえ、ヤナ時代だねえ」と思いながらも、手にとる。



 想像と全然違った。

 「死」というものに、様々な角度から、悲観もせず脅えもせず、正面から向き合った本だ。

 内容は、各国の様々な宗教や風習の中での「死」の捉え方・考え方や、日本人の死因の統計、歴史上の人物たちの一生を「死」という観点から描いている。

 宗教・風習、医療・統計、歴史。

 この本のすごいところは、それらを絵本で書いているところだ。「宗教・風習」「医療・統計」「歴史」を、一つ一つ本にあたってたら、キリがない。それらを見事に、絵本一冊で描いてしまっている。

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 著者の寄藤文平という人、知っている方もいるかと思うが、「大人たばこ養成講座」というJTの広告のイラストを書いている人。東京ウォーカーを始め、多くの雑誌や新聞に載っているから、見たこともある人多いんじゃないかな?

 ちなみに、これらの広告をまとめた本も出てるんだよね。立ち読みしたことがある。

『大人たばこ養成講座』(岡本欣也・寄藤文平,美術出版社)

 ちなみに、1973年生まれらしい。おいらとほとんど同世代じゃん。同世代で活躍する人を見ると、悔しさや焦り、嫉妬を感じる一方、嬉しくも思う。そういう人間に出会えたことをさ。

 他に、『ウンココロ』という本も共著で出している。先日、ジュンク堂で見かけた。

『ウンココロ 〜しあわせウンコ生活のススメ』(寄藤文平・藤田紘一郎,実業之日本社)

 『死にカタログ』が気に入ったので、この本も買おうかな。

 ぐぐったら、著者のインタビューも出てきた。著者のホームページも見つけた。リンクしておくよ。


寄藤文平さんのホームページ
http://www.bunpei.com/

読売新聞のインタビュー記事
http://www.yomiuri.co.jp/book/author/20060117bk01.htm

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 話を、『死にカタログ』に戻そう。

 先も書いたが、「宗教・風習」「医療・統計」「歴史」を、一気に読めてしまう本だ。

 この本一冊書くのに、相当リサーチしたことだろうなあ。ページの隅に小さく書かれている参考文献を追ってみても、かなりの量だ。著者の作家魂に脱帽。

 なにより、この寄藤文平という人がスゴイなと思ったのは、歴史上の人物の波乱万丈な一生を、時間軸でイラストにしてしまっているところだ。

 物事を直感で捉えるというのは、僕もよくする性質だが、こういう発想をしたことは未だかつてない。人生を2次元の時間軸で捉えてみたことはあるけどさ。

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 ※6,7年前に、高校時代の友人カワイと長電話をしていたときに、その話題になり、紙に鉛筆で書いたことがある。
 小学校4年生くらいから今に至るまで、人生を一年刻みで5段階評価をする。自分にとって「楽しかった」「充実していた」年ほど大きい数字に、「辛かった・苦しかった」「つまらなかった」年ほど小さい数字にする。
 そして、横軸に時間軸を、縦軸に5段階評価の充実度をとり、棒グラフにするのだ。すると、自分の人生の浮き沈みが分かり、またそこから、自分が何に夢中になれて、何が好きなのかなどが見えてくるのだ。
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 寄藤文平さんは、それを3次元で描ききっている。その人がどんな人生送ったかが、一目で分かってしまうのだ。すげえよ、すげえ。イラストレーターってのは、こういう人のことを言うんだな。

 イエス・キリストやブッダから始まり、信長・秀吉・家康、坂本竜馬、ヒットラー、ジャンヌ・ダルク、ピカソ、手塚治虫、太宰治、ジェームス・ディーンなどなど。

 漫画や映画、小説の登場人物、動物まで登場している。北斗の拳のラオウ、ごんぎつね、フランダースの犬のネロなど。一番ウケたのは、ラピュタのムスカかな。「目がー、目がー!」があるとは思わなんだ(笑)

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 ともかく、まあ感想としては、普段、目を背けがちな「死」というもの、どうしても深刻に悲観的に考えてしまう「死」というものに、気楽に正面から向き合ってみることが出来る本かな。

 それと同時に、「死」と正面から向かい合うことで、自分の人生をどう歩めばいいのかも、ちょっと考えさせてくれる本だ。最終章の「死のしまい方」のイラストも、おいら気に入ったよ。

 まだ新刊だから、本屋に行けば平積みされていると思う。興味が湧いた方は、ちょっと立ち読みしてみそ。

koushin_a at 03:36コメント(2)トラックバック(0)読む  

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コメント一覧

1. Posted by ameixa   2006年04月23日 03:02
こんばんは。
「日々の書付」Blogから飛んできました。

すごく感想を丁寧に書かれていて驚きました!
三次元で描ききっている。まさにそうですね。
吉藤さんが番組の中で
誰もが曖昧にしているものだから、イラストにすることでクリアにしたい、分かるようにしたいんですと言っていたのがすごく印象的だったのを覚えています。

TBさせていただきますね。
2. Posted by コーシン   2006年04月24日 11:31
>ameixaさん
初めまして。コメントありがとうございます。

>誰もが曖昧にしているものだから、イラストにすることでクリアにしたい

なるほど、確かに。
「死」って頭で考えるものではなく、漠然とイメージで捉えるようなものだと思うので、私も、寄藤さんのイラストでの描写は、すごく印象に残りました。

トラックバック歓迎です。こちらからも打たせていただきますね。

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