2018年01月14日

565号系統 岩倉 ゆき

565号系統 京都市交通局 岩倉 ゆき

102日目
12:53 一乗寺下り松町
12:55 一乗寺清水町                     230円


 「一乗寺下り松町」バス停まで戻り、白川通を北へ進むバスに乗ります。よくあることで乗車するのは一区間であります。次のバス停「一乗寺清水町」で下車します。

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           一区間のみバスに乗車します。



 「一乗寺清水町」からは東へあるき曼殊院を目指します。


 山の神様       「曼殊院まではどれくらい歩くの?」

 こうすけ        「15分から20分くらいかな。」

 お福路様       「さっきの詩仙堂からそのまま北に歩いていたらいいんじゃなかったの?」

 こうすけ        「その方が歩く距離も少ないし、早かったでしょうなぁ。」

 山の神様       「なんでわざわざバスに乗るのよ!」

 こうすけ        「だってバスの旅やし。」

 お福路様       「はぁ~、やれやれ。」


 ブツブツ文句をいう二人を連れて歩き続けると目の前に比叡山が次第に近づいてきます。

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           目の前に比叡山が近づいてきます。



 紅葉したもみじの木に囲まれた坂道を登りきると曼殊院に至ります。勅使門の左右の塀にある五本の白い筋は門跡寺院としての格式の高さを物語ります。

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                  曼殊院の勅使門。



 曼殊院は最澄が比叡山に建立した一坊を起こりとする天台宗の寺院で、青蓮院、三千院、妙法院、毘沙門堂と並ぶ天台宗五箇室門跡の一つに数えられます。初代門主の是算国師が菅原家の出身であったことから、菅原道真を祭神とする北野天満宮との関係が深く、平安時代以降、明治維新に至るまで、曼殊院門主は北野天満宮の別当職を歴任しました。このようなことは京都市が設置している案内板に詳しく書いてあります。

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           案内板で曼殊院について学習します。



 600円の拝観料を納めて中に入ります。大書院に続く廊下にはハッとするような注意書きが。


 「カメムシをお踏みになられませぬよう、足元にお気をつけください。」


 さて、カメムシをお踏みになってはいけない理由とは何故に?

 ① 寺院の中での殺生はもっての他であるから。
 ② カメムシのあの強烈な悪臭を回避するため。


 どちらが真の理由かは分かりませんが、こういう注意書きがあるということは過去にそれはもう悲惨な事件があったはず。きっとこの格式高い門跡寺院もパニックに陥ったことでしょう。考えただけでゾッとします。

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               カメムシ、、、、、、、、。



 大書院の前には枯山水庭園が広がります。白砂の海に浮かぶ鶴島にある樹齢400年という松は幹を華麗に伸ばしています。今まさに飛び立たんとする鶴のごとし。

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               枯山水庭園の鶴島。



 亀島の奥には色づいた木々が単調になりがちな枯山水庭園の色彩に華やかさを添えます。大書院の十雪の間には重要文化財の元三大師坐像が安置されており、狩野探幽の筆による障壁画が室内を深遠な空間に仕立てます。

 拝観者は各々、大書院で庭を眺めたり、障壁画を鑑賞したり、欄間や釘隠し、杉戸の引手金具などの細かい建築意匠を観察したりと優美な時間を過ごしております。もし、ここで誰かがカメムシを踏むようなことがあると、一瞬で阿鼻叫喚の巷と化すことでしょう。なんとも恐ろしいことでございます。

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               枯山水庭園の亀島。



 曼殊院には数々の宝物があるのですが、その中でも印象深いのが国宝の曼殊院本古今和歌集(展示されているのは複製で本物は京都国立博物館に寄託)。掲示されている説明によりますと、


 「この藤原行成筆の仮名文字の特徴は線質にあり、『糸遊』のように繊細にして鋭利であり、そして清く澄みきった筆線が、自由自在に空を飛び交うリズムを感じさせ、それでいて力みがなく自然体で、しかも気品に富む。」


 とあります。


 こうすけ       「私の字も糸が遊んだようで、自由自在なものだから右大臣藤原行成と同じようなものだな。エッヘン!」

 山の神様      「どこがよ。ただ単に汚いだけでしょ。」

 お福路様      「通知表にもずっと『字をきれいに書きましょう』と書かれ続けていたじゃないの。」

 こうすけ       「おかしいなぁ。」


 だいたい何が美しいかなんて相対的なものなんですよ。世の中には私の字をきれいと思う人もいれば、カメムシの匂いを素敵な香りと感じる人もいるはずですよ。いや、両方ともいないかな。


 冗談はさておき、昔は消しゴムもなく、ましてや文字を削除できるキーボードもなかった訳で、その中で糸のように細く連なる仮名文字を書き切るには相当な集中力を要したことでしょう。一見弱々しそうな繊細な墨の線に強い精神力が見え隠れします。それでも筆を持つ藤原行成の横で誰かがうっかりカメムシでも踏もうものなら、文字も少しは乱れたでしょうか。

 
 「カメムシをお踏みになられませぬよう、足元にお気をつけください。」

 
 やんごとなき方々の傍にもカメムシが無礼にも飛んで行くこともある訳で、ひょっとすれば、平安時代には藤原行成の筆によるそのような注意書きが禁中の至るところ貼られていたかもしれません。

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      繊細にして鋭利。藤原行成筆の曼殊院本古今和歌集。
 



 
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kousuke0217 at 22:06コメント(0)│ 
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