2017年06月08日

503号系統 山科駅 ゆき

503号系統 京阪バス 山科駅 ゆき

93日目
11:40 藤尾・小金塚
11:50 山科駅                         220円


 逢坂山を越える道として先程歩いてきた東海道の他に脇道がありまして、三井寺に抜けるその道を小関越えといいます。その小関越えの道沿い、「藤尾・小金塚」バス停から歩いて3分ほどの所に寂光寺はあります。

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            大津市藤尾奥町にある寂光寺。


 この寂光寺には磨崖仏があるというので訪ねてみます(事前予約済 拝観料300円)。住職は所用でお留守にされており、奥さんが案内してくださいます。

 お堂の中に入るとそこは厳かな空気に満ちています。そして目の前には見事な磨崖仏が鎮座しています。高さ3メートル、幅6メートルという大きな天然の花崗岩には中央に大きく阿弥陀如来像、その左に地蔵立像、右に観音立像、勢至立像、釈迦立像の五体が刻まれています。


 奥さん       「大きな仏様五体の他にも十体の小さな仏様が彫られているんですよ。どうぞお探しになってください。」

 こうすけ      「ふむふむ。どれどれ。」


 大小合わせて十五体の仏様を奥さんのヒントもいただきながら全て確認します。これらの仏様は延応2年(1240年)に彫られたとされ、元々は野外にあった磨崖仏だったそうですが、後にその場所にお堂が建てられその中で守られるようになったそうです。花崗岩の一部には織田信長の比叡山焼き討ちの際の焦がされた跡があり、その長い歴史を物語ります。

 一番大きな阿弥陀如来様は実に穏やかなお姿で、小関越えを行き交った旅人もここで手を合わせていったことでしょう。

 花崗岩に刻まれた仏様のお顔をもう一度しっかりと拝ませていただいて寂光寺を後にします。

P1050485



















            寂光寺の磨崖仏についての由緒。



 バス停まで戻り、ほんの近くにある琵琶湖疏水を見に行きます。ちょうどそこには第1トンネルの西口があります。三井寺の近くで第1トンネルに入った疏水の水は逢坂山の下をくぐってここで再び日の光を浴びるという訳。第1トンネルの東口には伊藤博文の筆による「氣象萬千」の扁額があるのですが(500号系統参照)、ここ西口には同じく長州の山県有朋の筆による「廓其有容」の扁額があります。疏水をたたえる大地は、奥深くひろびろとしているという意味だそうで、疏水の水は健やかにそして豊かに山科盆地を流れていきます。

P1050481



















       琵琶湖疏水第1トンネルの西口 「廓其有容」。



 さて、「藤尾・小金塚」バス停には次の「山科駅」ゆきのバスがすでに待機しています。バス停の真横にはJR東海道本線・湖西線が通っており、その線路はすぐそばで大きく黒い大きな口を開けた新逢坂山トンネル・長等山トンネルに入っていきます。

 電車に乗ってこれまで幾度となく通った鉄路ですが、山科を過ぎてトンネルに入り暗くなるその瞬間に、頭上では磨崖仏がたたずみ、疏水の水がトンネルを出て日の光を浴びていることなど想像だにしませんでした。これからは電車に乗ってもその瞬間の度に今見てきた光景を思い出すことでしょう。

P1050482



















    「藤尾・小金塚」バス停のそばで線路はトンネルに入ります。



 ところで「藤尾・小金塚」というバス停名ですが、「藤尾」というのは滋賀県大津市の地名、「小金塚」というのは京都府京都市山科区の地名。


 ???


 ここ「藤尾・小金塚」バス停があるのは大津市、寂光寺があるのも大津市、疏水第1トンネルの西口があるのも大津市です。ただ北に広がる住宅地(小金塚団地)は京都市山科区。ただし、その住宅地の一部は大津市に属します。


 ???


 地図を見れば、この周辺の市境(つまり同時に府県境)は複雑で、隣の家、向かいの家との間で属する自治体が異なる場合もあるようです。どうしてこんなことになったのでしょうか?あの阿弥陀如来様ならご存知でしょうか?

 
 閑話休題。「山科駅」ゆきのバスは満席で出発します。車内はなかなかに賑やかで、あちらこちらで会話が弾んでいます。この中で誰が京都市に住民税を納め、誰が大津市に住民税を納めているのかは皆目分かりませんが、確かなことは私はどちらにも納税していないということです。生活路線としての性格が色濃く、私のような旅人が乗るような系統ではなさそうですが、終点「山科駅」までのわずか10分の間に府県境を越えるという生活路線に似合わぬワイルドさを持ち合わせる系統であります。

 これまでの旅路で県境を越える時は少しばかり身構えたりもしましたが、今回は大変あっさりと越えてしまいました。滋賀県から京都府へ。さぁ、これからまた京都府の旅が始まります。

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        あっさり府県境を越えて「山科駅」に到着です。








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コメント一欄

1. Posted by しげたか   2017年06月09日 08:33
5 地図研究家の今尾恵介さんがこのあたりを歩いたとき、町の人に不思議な府県境の由来を尋ねたところ、
「滋賀県になっているところは三井寺の荘園だったのではないか」
と言われたそうです。
ですので寂光寺の仏さまより三井寺の仏さまの方がよくご存じかも(笑)

2. Posted by kousuke   2017年06月09日 12:09
いつもコメントいただきありがとうございます。

そうですかぁ、三井寺の荘園とは、、、。そう考えれば合点もいきますね。

それにしても複雑な市境ですね。行政サービスの面など考えると、どうしてこうなったのかますます不思議になります。救急車を呼んだら、どちらから来るのでしょうかね?

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