2017年06月14日

505号系統 山科駅 ゆき

505号系統 京阪バス 山科駅 ゆき

93日目
14:41 陵ヶ岡天智天皇陵
14:47 山科駅                        220円


 西行きのバス停の道向かいにあるのは天智天皇陵。宮内庁によると山科陵(やましなのみささぎ)というそうです。

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                  天智天皇山科陵



 渡津海(わたつみ)の豊旗雲(とよはたぐも)に入日さし今夜(こよひ)の月夜(つくよ)清明(あきら)けくこそ  (天智天皇)


 《海原に大きい旗のような雲があり、それが夕日に赤く照らされている。おそらく今夜の月は清らかに光るだろう。》


 万葉集に秀歌を残した天智天皇。大化の改新の主人公であった天智天皇。近江に志賀の都を築いた天智天皇。遠い昔の帝に思いを馳せつつ陵に向かう一直線の道を歩いていきます。空は清らかに澄み渡り、木々の緑はさわやかであります。

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                  陵へ続く一本道。



 観光客の姿など見えないものの、散歩を愉しむ地元の人はちらほら見られます。やがて道は森の中に続きます。次第に空気は厳かになっていき、気が引き締まってきます。


 天智天皇の死後、子である大友皇子と弟である大海人皇子が争ったのが壬申の乱。結果大海人皇子が勝利し、近江朝廷は滅び大友皇子は自害。大海人皇子が即位し天武天皇となったのは歴史の授業で学んだ通りです。天智天皇のお気持ちをお察しすると森はどんどん深くなっていくような気がします。

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             森の中を陵に向かって歩きます。



 森を抜けるとそこは神聖な空間が広がります。無用な装飾など一切なく、何もなく、それでいて洗練された美しさがそこにはあります。日本人の感性というのはこういうところに原点があるように思われます。

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           森を抜けると神聖な空間が広がります。



 どうして壬申の乱は起きたのか?当初大海人皇子に皇位を継がせるとしておきながら、やはり我が子に皇位をと天智天皇が心変わりしたことによる叔父と甥の確執が遠因だといわれてますが、額田王をめぐっての天智天皇、大海人皇子の三角関係が遠因というのも知られた説であります。

 歴史の大きなうねりの中で生きた額田王は万葉集に多くの歌を残しておりますが、その中には天智天皇の死に際して詠まれたものもあり、


 山科の御陵(みささぎ)より退(まか)り散(あら)けし時に、額田王の作れる歌一首

 やすみしし 我(わ)ご大君(おほきみ)し 畏(かしこ)きや 御陵(みはか)仕(つか)ふる 山科の 鏡の山に 夜(よる)はも 夜(よ)しことごと 昼はも 日のことごと 哭(ね)のみを 泣きつつありてや 百磯城(ももしき)の 大宮人は 行き別れなむ 

 《この国を広く治められた大君はなんと恐れ多いことか。御陵にお仕えする山科の鏡山に、夜は一晩中、昼は一日中声をあげて泣いてばかりいる大宮人も散り散りに別れゆくのであろうか》

 
 この陵の前で遠い昔に額田王をはじめ大宮人が涙を流していたのでしょう。当時の天皇の死というのは一人の人間の死というものを超越してある一種の世界の終りのような感覚だったのかもしれません。千年以上も昔、この場で涙を流していた人のことを考えると肩に日本の国の歴史の深みを感じます。
 
 私もまた山科の御陵より退り散けんとバス停に戻ります。

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            京津線廃線跡の陵ヶ岡みどりの径。



 東行きの「陵ヶ岡天智天皇陵」バス停はJR東海道本線の陸橋の下にあります。そこで次のバスの時刻を確認しますが、少し時間があるようなので周辺をぶらぶらします。

 今では地下を走っている京阪京津線の地上時代の廃線跡は陵ヶ岡みどりの径として整備されています。誰もいないのをいいことにガタンゴトンと不気味につぶやきながら電車になった気分で少しばかり歩いてみます。地上線が廃線になったのは平成9年(1997年)のこと。それまでに一度京津線に乗っておけばよかったと今になって強く思います。

 そろそろ時間なのでバス停に戻りますがバスはなかなかやってきません。ベンチに腰掛け待っておりますと定刻より7分遅れでバスがやってきます。このバスで「山科駅」まで戻ります。

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         7分遅れでやってきたバスで「山科駅」へ。

 




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