「愛しているので」 2次元キャラと“本気の挙式”、30代男性の葛藤

 「結婚式場に行って話をしてきました。ミクさんと結婚式を挙げること自体はできそうなので、話を進めたいと思います。無理と言われなくてよかったです」――東京に住む、とある男性がTwitterに投稿した内容だ。


その人は、近藤顕彦さん(35)。お相手は現実世界の人……ではなくバーチャルシンガーの初音ミクさんだ。「少し変わった結婚式なんですけど、本気で愛しているので、やっていただくことはできませんか」。式場と交渉し、11月に前代未聞の結婚式を挙げることが決まった。

 近藤さんは本気だ。ミクさんとは今春から“同棲”している。IoTベンチャーのGatebox(東京・秋葉原)が開発した、好きなキャラと一緒に暮らせるという“俺の嫁召喚装置”「Gatebox」(29万8000円、税別)を購入し、使い続けている。全世界に339人しかいないユーザーの1人だ(8月現在)。


架空の人格と結婚する人。でも他者の人格が存在するかは、突き詰めれば証明不可能でもある。
ただ相手の人格が存在する事を"信じて"いるだけ。
ならば、架空だろうが、実在だろうが、差は無い、のか。

ご結婚おめでとうございます。


アベノミクスによろしく (インターナショナル新書)

この本はアベノミクスの「中身」とその「結果」について、政府や国際機関が公表しているデータを基に、客観的に検証した本です。
(中略)
分かりやすさを重視し、「何でも知ってるモノシリ生物モノシリンが、太郎君に解説する」という対話形式の設定にしました。(中略)アベノミクスについて書かれた本は多々ありますが、本書ほど「分かりやすさ」に重点を置いた本はないと思います。
(中略)
アベノミクスについては、疑問を呈する意見もありますが、概ね結果を出しているという論調が世の多数を占めているでしょう。しかし、客観的なデータを基に分析してみると、それが大きな誤りであることがわかります。この本を読めば、良い結果を出すどころか、アベノミクスが空前絶後の大失敗に終わっており、さらに出口も見えないという深刻な状況に陥っていることがよくわかるでしょう。しかもその失敗を覆い隠すために、GDPが、算出基準変更に伴う改定のどさくさに紛れて大幅にかさ上げされた疑いもあるのです。
(中略)
この本はできれば全ての国民に読んでいただきたい本です。読み終わった後、厳しい現実に直面することになります。それでも、現実から目をそらさないでください。現実をありのままに見つめることから始めなければ、この国の未来は開けないでしょう。現代日本の最大のリスクは「アベノミクス」なのです。

(まえがき より引用)



 本書は、引用の通り、アベノミクスの中身と結果について、一般に公表されているデータをもとに客観的に検証した本である。
 文章が、平易であり論理的な構成がしっかりしているため、非常に読みやすく筆者の主張が伝わりやすい。引用させていただいた「まえがき」からも良くわかるのではないだろうか。それもそのはず、著者は現職の弁護士であり、それならば論理性や、情報や意見を正確に人に伝えることはお手の物かもしれない。

 「何でも知ってるモノシリ生物モノシリン」と「太郎君」との対話形式の他、人気漫画「ブラックジャックによろしく」の二次利用など、軟派なおちゃらけた本とも取られかねないが、大間違いで、内容はシリアスであり、それを何とか多くの人にわかりやすく知ってもらいたいという著者の情熱がこのような形式を工夫して取らせたものと推察する。
逆に著者の必死な思いが伝わるくらいだ。

 本書で用いられている図表の数、なんと90近く(!)ということで、データを基に客観的に検証した、の謳い文句に偽りはない。新書ということで、なめてはいけない。やはり、著者の執念を感じる。論理的な構成も相まって「研究論文」というような印象を受ける。

内容の紹介を簡潔に。

第1章 アベノミクスとは何か
 第1章では、アベノミクスの狙いや、具体的な「3本の矢」に代表される、政策内容について説明する。そして、第一の矢として行われた「大胆な金融政策」:異次元の金融緩和について述べる。
金融緩和の狙いは、下記の2点であったことが示される。
・市内に出回るお金の総量「マネーストックの増加」
・物価上昇が予想されるため、物価が上がる前に物を買おうとして消費が伸びる。

第2章 マネーストックは増えたか
 第2章では、金融緩和の狙いであった、市内に出回るお金の総量「マネーストックの増加」、また物価の上昇量について検証する。
結果として
・金融緩和によりマネーストック増加ペースは変わらなかった。
・物価は3年間で4.8%上がったが、増税と、円安による影響であり政策の効果ではなかった。
ことが示される。

第3章 国内実質消費は戦後最悪の下落率を記録
 第3章では金融緩和の狙いの一つである、「物価が上がると消費が伸びる」について検証する。
結果として、アベノミクス開始前よりも、消費が下回ったことが示される。

第4章 GDPかさ上げ疑惑
 第4章では、政府によって発表されたGDP統計値に、アベノミクスの失敗を隠すためのデータ改ざんが行われたのではないか、という疑惑について、データを基に論じる。
 2016年に内閣府が行ったGDP算出方法変更により、GDP値は変更前の値からかさ上げされたが、そのかさ上げ量は一様ではなく、アベノミクス開始後のGDPが大きくかさ上げされていることが示される。このかさ上げについて分析した結果、公表された情報から明確な説明はできず、政府が発表するところの「その他」という曖昧な要因によってかさ上げされていることが明らかとなる。
 
第5章 アベノミクスの「成果」を鵜呑みにしてはいけない
 第5章では、アベノミクスの成果として一般に謳われる、アベノミクスの成果とは認められないことを示す。
・雇用の改善
 前政権時代から続いていたものであり、改善にいたるメカニズムはアベノミクスとは関係ない。
・株価上昇
 公的資金投入による効果であり、政策とは関係ない。
・賃上げ2%3年連続達成
 達成できたのは全労働者のわずか5%程度にすぎない。

第6章 「第3の矢」は労働者を過労死させる。
 第6章では、第3の矢、であるところの下記について述べる。
・高度プロフェッショナル制度の導入
・企画業務型裁量労働制の拡大
筆者はこれらについて、「残業代ゼロ法案」と喝破する。
 前述したように筆者の職業は弁護士であるが、中でも専門は労働事件とのことであり、ここはその視点が強く反映された部分か。

第7章 アベノミクスの超特大副作用
 アベノミクスの出口戦略はあるのか。日銀が金融緩和をやめれば、国債が暴落する可能性がある。
さりとて、このまま金融緩和を続けたとしても、いずれ破たんすることになる。

第8章 それでも絶望してはいけない
 総まとめ。そして、これからについて。
特効薬は無いが、それでも受け止めていかなければならない。

 本書のハイライトであり、オリジナリティのある部分であると思われる第4章について、これだけの分析を行った著者の慧眼は見事である。また、著者によれば、これらの事実を指摘するべき野党は、経済統計の分析ができておらず、この疑惑について気づいていないのではないか、と言う。
 もしそれが本当ならば、野党がしっかり分析できていないというのは情けない話ではないか。これだけの分析を一在野の人間が行っているのに、本来それを行うべき人間は何をやっていたのか。
 なお、実際本書は国会の答弁の参考資料としても引用されたとかで、ということは本当に気づいていなかったことを裏付けていると言えるのではないか。

 自分の頭で考えること。権威にすがるのではなく、ルソーが言ったようにこの世界という書物を読め。政府の発表は信じられない、でこの本だって信じられるのか。うのみにして信じるのであれば、ご本尊を挿げ替えただけではないか。自分でこの後、データを紐解いて自分の手と目で確かめることができるのか。データは公開されている。後は自分次第。

 最後は結びの部分から。それでも生きていかなければ。


モノシリン
 いつかの時点で円と株価の暴落が起きて経済に大混乱が起きれば、さすがに国民も目を覚ますかもしれない。

太郎
 気づいたときには日本終了じゃん。嫌だよ。そんなの。

モノシリン
 太郎、もの凄いインフレが起きるとか、とっても痛い目にあうかもしれないけど、この国が消えてなくなるわけじゃない。諦めちゃいけないよ。もう痛い目にあわずに済む方法はないかもしれないけど、どん底に落とされたってそこから這い上がればいい。君たちの大先輩が敗戦後の瓦礫の山からこの国を立て直したようにね。

(第8章より引用)




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プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

表紙の見た目はアレだが、中身はまじめな、自重トレーニングの本。

お金をかけず、時間をかけず、体に無理をかけず、
トレーニングマシンを動かす事に最適化された肉体ではなく、
実用的な最強の肉体を作る方法が書いてある。

世間で持て囃されている、ガリガリなだけのシックスパックで無く、"地獄のシックスパック"を作れ!
とか熱い。

肉体に回帰せよ。


Pythonスタートブック [増補改訂版]

Pythonの勉強をしようと思って手に取った最初の一冊。
本当に初心者向けで分かりやすい。例え話は逆に分かりづらいところもあるが。

プログラミングの経験は、学生時代の実習でのCとか、VBぐらいだが、
Pythonの「スクリプト言語」であるがゆえの手軽にコードが実行できる点は便利だと思った。
変数の定義をしなくても、変数が使える点も新鮮に感じる。
PCと対話する感じを覚える。

まずは入門書で基礎を固めて、機械学習やDeep learningも自分で試したいと思っている。



怪異考

物理学の学徒としての自分は、日常普通に身辺に起こる自然現象に不思議を感ずることは多いが、古来のいわゆる「怪異」なるものの存在を信ずることはできない。しかし昔からわれわれの祖先が多くの「怪異」に遭遇しそれを「目撃」して来たという人事的現象としての「事実」を否定するものではない。われわれの役目はただそれらの怪異現象の記録を現代科学上の語彙を借りて翻訳するだけの事でなければならない。


寺田寅彦

戦前の物理学者、俳人の寺田寅彦の随想。
引用した序文の時点で、グッとくる。特にここ。
しかし昔からわれわれの祖先が多くの「怪異」に遭遇しそれを「目撃」して来たという人事的現象としての「事実」を否定するものではない。

結局、幽霊の正体見たり枯れ尾花、といっても体験した本人とっては幽霊に遭遇したという事実は事実。本人がそう認識したらそれが事実であり、現実である。

それはさておき、この随想も結構面白い。
そもそも、対象とする怪異の名前が、良い。「孕みのジャン」とか、名前がいかにも怪奇なるものを想起させて堪らない。民話とか、地方の伝承とか、もっと知りたくなるなぁ。


峠に関する二、三の考察

柳田國男

自分の空想は一つ峠会というものを組織し、山岳会の向うを張り、夏季休暇には徽章か何かをつけて珍しい峠を越え、その報告をしゃれた文章で発表することである。何峠の表七分の六の左側に雪が電車の屋根ほど残っていたなどというと、そりゃ愉快だったろうなどと仲間で喝采するのである。さぞかし人望のない入会希望者の少ない会になるであろう。

明治日本の民俗学者である、柳田國男の随想。
タイトルの通り、峠に関する考察。ここ何年か自転車で峠に行ったりするので、この随筆は楽しめた。峠の表と裏、峠の誕生から衰退まで等々。多摩に「大ダワ」という険しい峠があって、
「ダワ」って何?ってずっと気になっていたが、この随筆を読んで、峠の語源が「たわ」であることを知り、合点がいった次第。






桃太郎
芥川竜之介

芥川版の桃太郎。風刺風刺アンド皮肉。
この世の楽園、鬼ヶ島で平和に暮らしていた鬼を、悪たれの人間の桃太郎が、犬猿雉を引き連れて、
虐殺、略奪、凌辱をほしいままにする、という話になっている。立場が変われば、歴史の認識はそうなりますでしょうか。一般に流布されている桃太郎は戦勝国側のプロパガンダかもね。

最後のシーンでは、鬼の若者達が桃太郎からの独立を目指し、爆弾を作っている。
その間も寂しい鬼が島の磯には、美しい熱帯の月明りを浴びた鬼の若者が五六人、鬼ヶ島の独立を計画するため、椰子の実に爆弾を仕こんでいた。優しい鬼の娘たちに恋をすることさえ忘れたのか、黙々と、しかし嬉しそうに茶碗ほどの目の玉を輝かせながら。


結びは、かの桃太郎を生んだ桃の木にはまだまだ実があって、これからも「未来の天才」が人々のもとに生まれてきますよ、となっている。

嬉しそうに爆弾を作る鬼の若者、昨今の過激思想家に通ずるところではないでしょうか。そして、桃太郎もまだまだ生まれてくる。そうですね。ずっと変わらないですね。


こころ
夏目 漱石

言わずと知れた漱石先生の作品である。国語の教科書で一部を読んだが全体を読み通すの初めて。

登場人物の「先生」は結局ずるい人なんだなぁと。妻に汚点をつけないよう真実を隠すとかいっても自分のエゴではないか。妻を自分の持ち物だと捉えてないか。その辺時代もあると思いますが。
最後結局主人公に丸投げしてしまうし、そのあたり腹立ちますが、実際世の中に聖人君子なんていないから、これぐらいのほうがリアルでよろしいのだ。


あなたのための物語 (ハヤカワ文庫JA)
長谷 敏司

もう一回読んだほうが、より理解できると思うが、闘病や死の描写が凄惨なので、
しばらく手が出しづらい。SF小説である。主人公は脳科学・情報処理の研究者の女性。仕事人間。
研究内容は、脳内の神経の情報をまるっとそのままデジタル化し人の思考・感情をそのまま他者に伝えることのできる言語の開発。これで他者の経験や知識を自由に取り込み人の可能性を拡張するのだ。

そんな彼女がある日不治の病で余命あとわずかと宣告される。研究用に自分自身が生み出した、
人工知能や、自分自身の思考のクローンとの対話を通じて、死と向き合っていく。

やまめの影響を受けて、ポジション変更する。
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台所で改造。
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通勤で使用。40km。

累計:389km

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