水が苦手だ。
 泳ぐのも、飲むのも。

 黒柳徹子が、以前、TVで水が嫌いだ、と言っていた。
 人参やピーマンが嫌い、と言うような感じで言っていて、水分は果物などから摂るので、健康に問題はないそうだ。
 私の母も、水分が苦手で、味噌汁やコーヒーなども、残していた。

 私も、そうだ。
 世間では、「寝る前と起きてすぐのコップ一杯の水」が良いとされているが、寝る前に水分を摂ると、翌日は必ず具合が悪くなる。
 日本は湿度が高いので、水分の摂りすぎには注意が必要なのだ。


 ところが・・!

 今日、初めて大腸のX線検査をした。
 今年は、5年に1度の「大検査祭り」の年(自分で制定)にあたるので、ドックではやらなかった腸の詳しい検査を自主的にしたのである。

 腸に肛門からバリウムを入れる検査で、前日と当日の朝には、嫌いな水分をたっくさん摂らねばならぬ。
 
 いやはや、普段、水を飲まない私にとっては、検査自体よりも水を飲むほうが苦痛だった。
 無理に飲みながら、後悔。
「こんな思いするんだったら受けることなかったな、別にドックでひっかかったわけじゃあないし・・」
 と、ぶつぶつ。
 説明書には、水のかわりにコーヒー、紅茶、サイダーなどを飲んでもかまわない、と書いてあった。
 が、検査前は、ほとんど胃がからっぽである。
 コーヒーも紅茶も好きだが、根っからの健康志向だから、すきっぱらにカフェインを入れるのは胃が荒れる感じがして嫌なのだ。
 炭酸は嫌いだし・・。
 

 すきっぱら、といえば、今回、検査の前日(昨日)は三食検査食だった。
 私はいつも朝食は食べないので、三食食べなければならないのはやだな、と思ったが・・・これが、おかゆとスープ、クッキー、粉末ジュースだけで、正直今まで味わったことのない、ひもじさだった。

 昨日は、昼間、歌の会の歌伴の仕事があり、
「・・ったく、こんなひもじいんじゃ、ピアノなんか弾けないよう」
 と、いじけていたが、なんとか耐えた。
 で、歌の後、いつもみんなでおやつをいただくのだが、昨日は私だけ検査食のうすーいクッキー。
 みんながお稲荷さんやシュークリームを美味しそうに食べるのを、うらめしく見つめながら・・。
 
 その後、ふらふらと家に帰って、あまりのひもじさに何もできず、TVでも、と思い、つけると、古いドラマをやっていて、山口智子と松下由樹と柳葉敏郎が、ガッツガツとイタリアンを食らっているではないか。
 バチッ!(スイッチを切る音)。

 夜になり、自分は食べられないが、夫の夕食を作らねばならない。
「なんて偉いんだっ」と、自分をほめつつ、鯵を焼き、大根の味噌汁と炒り豆腐、ブロッコリーとパプリカのベーコン炒めを作る。
 味見も出来ないのが悲しい・・。

 しかし、こうひもじいと、なぁ〜ぁぁんにもやる気にならないんだな。
 仕方なくまたTVをつけると、「本当は怖い家庭の医学」をやっていた。
 おっ、これは気味の悪い手術の場面など、食欲減退につながるものが見れるかも、と期待した。
 しかし・・。
 男が糖尿病になっていく過程で、ガッツガツとカツ丼を旨そうにかっくらっているではないか!
 カツ丼は嫌いだが、もはや、この際なんでもよい的状態。
 その後その番組では、さらに、糖尿病予防のためのおいしい料理を、料理研究家の奥園さんが作り始めた。
 ・・・・バチッ!!

 ため息をつき、翌朝は6時半起きなので、とっとと寝たよ。


 ところが・・。
 今朝、起きると、ものすごく体調がよくなっていることに気づいた。
 なんていうか、断食道場にでも行ってきたかのように、すっきりした感じ(行ったことないけど)?
 空腹も感じず、早く着いたので、病院の周りを元気にぐるぐるウォーキング!
 

 検査の結果は、全く異常がなく、医者にはもう来るなと言われた。
 なんだか、力強さが沸いてきたぞ。

 でも、帰りがけに、「あ、バリウムを出すために水分を多く摂ってね」。

 また水責めかよ・・。