haioku

廃屋といえば、どんな場所を想像しますか?
病院・学校・ホテル・工場など、大きな建物もあれば、一軒家のような小さな建物もあります。
廃屋廃墟には、霊が多いと言います。
なぜ?そのような場所に多いのでしょうか?
廃屋には、悪い気が漂っていることが多く、霊だけでなく、悪い人の溜まり場にもなりがちです。
結果、悪い霊が住みつくことも多いのです。
暗い部屋に1人でいると気が滅入ることと同じで、廃屋にいることで、気が滅入ったり、よからぬことを思いついたり、通常ではありえないような行動を起こしてしまうこともあるので、ご注意ください。
※廃屋や廃墟は、土地・建物には所有者が存在することから、無断で廃屋や廃墟の敷地内に立ち入った場合、「不法侵入」となり、刑事罰の対象になります。廃墟の内部に残っている備品を無断で持ち去る場合は、窃盗罪または遺失物横領罪となりますので、ご注意を。

心霊スポットに行った経験はありますか?
きっと、誰もが1度は、経験していることではないでしょうか?
どちらかというと、興味本位で友達同士連れ立って行くことも多いでしょう。
でも、これからは、行けなくなるかもしれません・・・ね。

その廃屋は、静かな住宅街の奥に、ただ1件だけひっそりとありました。
そこも住宅街の分譲地であるのに、廃屋の周りには家が1件もない。
それどころか・・・そこに家があったのかと思うほどに、周りの草木は生い茂り、誰かが来ることを拒んでいるようにも見えます。

そこは、この町でも有名な心霊スポットとなっています。
友達同士で、真夜中の待ち合わせ。どこへ行こうという目的もなく、ただ市内をドライブすることも多いのですが、その日は、別の友達の提案で、その廃屋に行くことになったのです。
私は、もともと怖いものは苦手なので、賛成はしなかったのですが、行くところもないし・・・と。ついて行ってしまったのです。

車のライトに照らされた廃屋は、不気味でした。風でゆれる草木の音が、人の声のようにも聞こえます。
「ねぇ・・・ここに入るの?」
「入らないで帰ったら、来た意味ないだろ?」
「お・・・あった!あった!」
友達の手には、小さなライト。心細いと言えば、心細い明かりではあるけれど、まったく明かりがないよりは・・・・。
「車、このままでいいか?」
そういって、車のエンジンはかけっ放しのまま、廃墟をライトが照らしたまま、私達は、その廃屋の中へ。

その廃屋は噂が多く、一家で無理 心 中をしたとか、銃でころされたとか、夜逃げしたとか、放火されたとか・・・どれが真実なのかもわからなくなっています。
だから、私達のように、興味本位で訪れる人がいるのかもしれません。
さらに噂話には、続きがあって、そこを訪れたあと、事故でなくなった方が多いとか。
そんな噂話が多い廃屋だけに・・・「何かがいるんじゃないか?」という気持ちのほうが強いようです。

廃屋は、半分が焼け焦げているようでした。放火があったというのも噂だけではないようです。
柱や壁の焼けた跡が、妙に生々しく・・・それが人の形のようにも見え、怖さはより一層増していきます。
しかしながら、廃屋すべてが、全焼しているわけでもなく、トイレや台所、お風呂場だけは、そのままの形です。
ただ・・・何年も放置され、廃屋となっているからか、老朽が激しく、人が歩くたびに、床や壁が悲鳴をあげます。
2階へ上がる階段もありましたが、2階部分は、すでにありませんでした。

「オレが、前に来た時よりも、ヒドくなってるな」
「前に来たことがあるの?」
「うん。何年か前に友達とな・・・」
「噂では、来た後に、事故にあったりするって、言うけど?何もなかったの?」
「あー・・・うん。オレには、何もなかったな」
「オレには??」
「あ・・・うん。後で話すよ」
何か聞いてはいけないような気がして、話すのをやめた。

廃屋に入ってから、10分になるのだろうか・・・・?
不意に、何か鼻をつく、焦げた臭いがした。
「変な臭いしない?」
「うん?何の臭いもしてないけど?」
「オレ、鼻詰まってるからな〜!臭いわかんねー!」
そんな会話をしつつも、廃屋の探索を続ける。
特に、他には何も起こってはいない。

廃屋は、暗闇に包まれて、異様な雰囲気を発している。
小さなライトに照らされて、家具らしきものや、家電らしきものがある。ただ、焼け焦げて、その姿をそのまま保ってはいない。
壁は、心霊スポットに来た証拠なのか、落書きが多くされている。

「噂で聞いてたよりもぜんぜん怖くないな」
「いや・・・この家自体が怖いよ?」
「どこが怖いんだよ!ただの家の焼け跡なだけじゃないか」
「怖いのは・・・あなたの後ろに隠れてる人・・・」
「え?なに?」
もちろん・・・彼の後ろには誰もいない。誰にも見えない。
「ウソだって!」
「ビックリさせるなよ!」
「あはは・・・」
「そろそろ帰るか!」
「うん」
「あれ・・・・?あいつは?」
「そういえば・・・いないね」
「怖くなって、先に車に戻ったのかな?」
「とりあえず、戻ればわかるか」

足早に、廃屋から車へ戻ると、もう1人の彼は、車の後ろでしゃがみこんでいた。
「おい! 先に戻るなら、一言いってくれよ!」
「ああ・・・すまん。」
「何かあったの?」
「ちょっと、頭痛ひどくてさ・・・」
「頭痛?大丈夫?」
「うん。さっきよりは、ましになったけど、治るまでには、もう少しかかりそうだ」
「ささ、そろそろ、帰ろうか」
「なんか、疲れたしね」
「頭痛治るまで、ちょっと運転変わってくれるか?」
「ああ。いいよ」

全員車に乗り込み、廃屋から帰る途中、彼が気づく
「そういえばさ・・・」
「うん?」
「この車、エンジンかけっ放しで、廃屋入って行ったよな?」
「そういえば・・・」
「お前、エンジン切ったのか?」
「いや・・・」
「ライトは、ついてたよね?」
「あれ・・・・なんで、エンジン切れてたんだ?」
「・・・・・・」

沈黙を解いたのは、もう1人の彼。
「オレ、あの廃屋、1度来たことあるって話してたろ・・・」
「さっき、続きは後で話すって言ってたヤツ?」
「そそ。実はさ・・・
その友達と3人で廃屋行った時、ノリで落書きして、その証拠写真も撮ってきたんだよ。
でも・・・その落書き、その友達のだけ消えてた。」
「え・・・どういうこと?上から落書きされたとかじゃなく?」
「上から落書きできるような所じゃないんだよ。でも消えてた。オレの残ってるのに」
「雨とか雪とかで、消えたんでもなく?」
「うん」
「でも、消えてても特になんかあったわけじゃないんでしょ?」
「いや・・・その友達。もう、いないんだ」
「いない?」
廃屋行って・・・ちょうど1年目くらいかな・・・事故だって」
「それ・・・マジ?」
「うん」
「・・・・」
「一緒に行った時に撮った写真の落書きがさ・・・消えててさ、確かめたくて」
「それが、したかったのか」
「なーんてな・・・・(笑)ウソだ!ウソ!」
「えーー!!!」
「さっきの仕返しだよ」

そんな会話をしながら・・・平静を装ってた私でしたが、あれはウソではなかった。
カレの後ろには・・・タシカに人らしきモノが見えたのです。
怖がらせるだけだからと・・・見たことをウソだと言うことにしたのです。
でも後になって、そのカレの話も本当にあったことで・・・その写真に写ってた友達が、その時、後ろにいた人だったことを知ることになるとは思いませんでした。
そして、頭痛がヒドイと言ってたカレですが・・・あの時、あの廃屋に入った後から、ひどく霊感が強くなってしまったようです。見たくないものまでも見えてしまうと、悩んでいます。
そして、あの車は、廃屋へ行った次の日から、突然動かなくなってしまいました。原因はわからないまま。古かったからかもしれません。エンジンが止まっていたのも、壊れてたのが理由のひとつなのかなといまさらながら思います。

あれから、何年も経ちますが・・・みんな元気です。
あの後、怖くなって、みんなで、お払いには行きましたけどね。
そのおかげか、何事もなく過ごしています。
やはり、廃墟などには、興味本位で近づかないほうがいいですね。