8月2日の夕刻、東海地方をゲリラ豪雨が襲い、JR線、名鉄線共にストップ。これに伴い大量の帰宅難民が出ました。様々な帰宅ドラマがあったと思います。3時間待って長距離をタクシーで帰った人、早く復旧していた新幹線で帰った人、クルマで家族に迎えに来てもらった人、ホテルに宿泊を余儀なくされた人、相当な回り道をして深夜に帰宅した人等々・・・。
そして2日後。あるお客様から、これでかかったタクシー代などは自己負担?それとも会社負担?という質問が来ました。ある従業員が帰宅にかかったタクシー代を請求してきたというのです。
皆さんはどのように考えられますか?
もちろん心情的には、大変な状況に遭った従業員に何らかの支援はしてあげたいとは思います。しかし、原則論から云えば、通常、通勤にかかる危険負担(災害で帰宅が困難になるなど)は通勤する人にあり、会社に何らその損害を請求することはできません。
しかし、それでは気の毒・・・と、「支払う」選択をされることはあると思いますが、果たして会社がそれをしてしまってよいのでしょうか。そもそもどういう基準で支払うのでしょうか。新幹線やタクシー利用は事前に了承を得ればいい?、家族に迎えに来てもらったガソリン代は?、迂回の電車代は?タクシーの領収書を取っていない場合は?・・・難しいです。

問題なのは、全てのケースをカバーできないため不公平感を生み出すこと。そして、従業員に「たかる」心を生じさせてしまうことです。さらには、こんなことは当然自己負担だと考えていた人たちの心を劣化させてしまいます。「なあんだ、請求しなきゃ損なんだ。」という損得の心です。これで従業員の「民度」は確実に落ちます。
確かに、会社が支払ってあげれば一時的に従業員は「いい会社だなあ」と喜ぶと思いますが、これは「小善は大悪に似たり。大善は非情に似たり。」の典型的なケースであると思います。目先の心情にとらわれず、「これをしたら何が起こるか」ということを考えて対処されることをお勧めします。