新発田市長選の候補予定者の討議資料から見る「訴えている政策」の中から「子育て支援」関連を読み解いてみます。

二階堂かおる氏
下記が記載事項です。
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表紙に「小中学校すべてにエアコン導入!」
子どももたちと教員が向き合える環境整備!

この内容について検証してみます。
まず、表紙の「小中学校のエアコン導入」ですが、今夏の猛暑で小中学校のエアコン設置が国民的な話題となりました。特に愛知県で小学生児童が熱中症で亡くなってからはその声は更に大きくなりました。
東京都などは、普通教室の99.9%設置ですが、地方に行くほど、また北に行くほどその設置率は下がり、新潟県は12.9%にすぎません。新潟県内では、空港や交通量が多い地域、工場が近いなどの「特別な理由」がある他は、例えば、刈羽村や聖籠町など「財政的に裕福な自治体」に限られるのが実態です。
9月議会ではその点について、一般質問が相次ぎ、「文科省に掛け合ってくる」と答弁を行っていました。
元々、エアコン設置は国の補助事業ですが、地方の財政規模では単費で賄うのは、なかなか厳しい現実があります。
実際に斉藤代議士の仲介で、9月議会中に文科省に掛け合い、「良い感触」が得られたとのことです。
しかし、10月15日には全国の小中学校へのエアコン設置が閣議決定されていますし、7月23日には、菅義偉官房長官が猛暑に関して全国の小中学校のエアコン設置のため政府補助を検討する考えを示したことから、国としても7月頃から既定路線だったとも言えます。
なので、二階堂市長が「自らの実績」を強調するのはやや無理がありますが、猛暑になる前の当初予算で「調査費を計上」していたことから、この部分は「持ち前の運の良さ」であるとも言えます。また、共産党は全国的に以前よりこの問題を訴えているので、選挙に向けて政策協定を結ぶ「共産党への配慮」ともとれる訳です。小林誠側に付いた共産党からは結果的に裏切られているので、内心は穏やかで無いことでしょう。

上記に点の他は、2期の間の実績をあげています。
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・保育園など10カ所整備し、定員を628人増やした
→これも国の既定路線にいち早く「乗った」とも言えます。二階堂市政に限らず、過去の新発田市は、「いち早く国の政策メニューに載っかる」のが上手いと思います。結果的に、国からの補助メニューや施しをアテにしているので、「ヒラメ的スタンス」とも言えます。元々、地方では三世代同居や近居が多く、待機児童問題は都会ほど深刻ではありませんでした。以前は保育園入園は「保育に欠ける・・・」つまり、子どもを見ることが出来ない人が対象でしたが、今は「保育を必要とする・・・」に変わっているので、希望すれば保育園へ預けることが出来ます。その潜在的な需要が一気に表面化したのがここ5年間ほどの実態です。
確かに、国の補助メニューを最大限活用して急ピッチで保育園整備は進めたのが新発田市ではありますが、一部市民からは、「市長の取り巻きの特定の企業ばかりが補助金で上手いことをしている」と糾弾する声もあります。実際に市長が便宜を図ったとは思えませんが、批判があるのは事実です。
よって、「待機児童問題」はマスコミで騒がれるほど優先順位が高かったのかと言えばやや疑問が残る部分ではあります。

・H29年4月1日と10月1日時点で待機児童ゼロの達成
→一時的に二十数人の待機が発生していますが、整備した定員増は600名以上です。つまり、整備すればするほど、希望者が増えると言う問題と、未満児の比率が単に増えただけと言う背景も見る必要があります。

・子ども医療費助成を中学生まで拡大
→共産党に配慮した政策でもありますが、胎内市は1回530円の負担で18歳まで無料ですので、新発田市が突出して良い内容とは言えません。しかしながら、厳しい財政事情からすればこれくらいが精一杯かと思います。

・第3子以降の保育料無料化
→お隣聖籠町は、未就学児の費用は第1子から無償ですので、新発田が特別にいい訳ではありません。しかしながら、多子世帯に対する援助メニューとしては効果があります。しかし、結婚すら出来ない若者が多く、実態として3子をもうけているのは逆に公務員など経済的な余裕のある家庭の方が多いです。覚悟を決めてかかるのであれば、第1子へ援助すべきとも考えられます。

・住宅取得制度強化で人口の社会減を食い止めた
→社会減を食い止めるため、転入を促す政策メニューとして、「アパート家賃補助」と「住宅取得補助」は政策効果絶大で、私も議会で何度も取り上げています。この点は二階堂市政の最大の成功政策だったとも言えます。
市長は「住宅取得補助」の方が政策効果が大きいと考えていて、「アパート家賃補助」の方が政策効果が大きいと考える私とは視点がやや異なります。確かに住宅取得は、家を持てばその後の固定資産税収入が見込めるので、撒き餌の効果が大きいと考えているようですが、元々、市内に家を所得する予定だった人も対象になってしまいます。その点、アパート補助は、元々新発田市に縁の無い人の住居地を誘導する政策ですので、やや視点が異なります。
いずれにせよ、人口の自然減は一自治体の努力で解決できるほど易しくありませんが、人口社会減を食い止めただけでも、二階堂市政の最大の功績とも考えられます。

次回は小林誠氏の子育て支援策についての考察をしてみたいと思います。