新発田市長選の候補予定者の討議資料から見る「訴えている政策」の中から「子育て支援」関連を読み解いてみます。

小林誠氏
下記が記載事項です。
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表紙は二階堂氏のA4版に対して小林氏はA4の1/3サイズですので、表紙にはPart1でお伝えしたとおり、詳細な政策は記されていません。
記事面には「新発田リノベーションプラン」と称して、「子育て支援」政策をトップに、そしてスペースも他の政策より多めにとっています。
結局のところ国が「子育て支援」ばっかり言っているので、両氏ともそれを反芻しているだけで、面白さがちっともありません。私が初めて政界に挑戦した12年前に「子育て支援策強化」を訴えましたが、反応はイマイチで、世の中のスタンダードは「高齢者支援強化」ばかりでした。
増田レポートによって、「消滅可能都市」の強烈なメッセージが国民に放たれてから、ようやく「人口減少対策」に目を向けた訳ですが、はっきり言って遅い!
しかも、「労働力不足だけど移民は受け入れたくないから女性の就労を推進する」「女性にも働いてもらって消費を喚起して納税して社会保険の担い手になってほしい」「働きながら子どもはドンドン産んでほしい」でも「夫婦の片方に二人分の給料は払う昭和の高度成長モデルには戻りたくない」・・・そんな霞ヶ関のお役人や経済界の重鎮達のロジックの解が、「女性の就労支援=保育所の増設=社会保障の安定」な訳です。
子育て支援は重要ですが、今まで先送りしておいて「何を今頃」と言った感で辟易としますよ!
今から「子育て支援」したって、結果が出るのは20年後、その間どうやって財政や経済政策をつなぐんでしょうか?
現在、明治時代から綿々と続いた中央集権型の国家運営によって、地方は国の下請けみたいなもので、新発田市でも自主財源はわずか40%程度しか無いです。
市の仕事だって、国の下請けみたいな業務がワンサカあって、独自の市政運営など財源が移譲されていないから何も出来ない訳です。
そういった意味では二階堂氏の「国から金を持ってくるのは私だ!」と言うフレーズがもっともらしくはなる訳です。
まあ、背景はそれくらいにしておいて、小林氏の「子育て支援策」について検証してみましょう。

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■子どもたちを社会全体で育む
昔は「育児は地域全体」が当たり前でした。近所付き合い延長線上で子どもを預かったり、預けたりは当たり前の風景でした。それは、国民の大多数が「農民」や炭鉱や大きな工場などに代表される特定の「ムラ社会」が成立していた時代の話です。
経済学的には17世紀にイギリスの経済学者ペティは“一国の産業が農業から製造業、商業へと発展するにつれて富裕になる”という法則を編み出しました。
日本に当てはめるなら、明治〜戦前:第一次産業従事者主体→高度成長期:一次産業(地方)から二次産業(都市)へ労働力が移動→高度成長後:第三次産業が成長し現在では労働者の7割が第三次産業に従事・・・
このペディ=クラークの法則の通り、高度成長後は、地方から人口の流出を伴って、日本の「ムラ社会」は崩壊していった訳です。
それをどのようにして取り戻すのかは具体的な方策は何も記されていません。
「国から金を持て来る」とワンフレーズのみの現職に噛み付こうというなら、例えば「コミュニティーの中に子育ての役割を持たせる」とか、「リタイアしたシニアに子育てを担って貰う」などの具体的かつ有効なな政策の提案があっても良かったのでは無いでしょうか?

小林氏がその部分で唯一具体策を訴えているのは、「父親の育児参加」です
・「家族支援」で子育て支援の対象を父親にまで広げ、母親の育児負担を軽減
→母親に育児負担が集中しているのは、父親の育児・家事参画をすることが少子化対策の本丸・・・とあります。極めてもっともな主張で私も大賛成です。イクメンなどの単語も良く耳にするフレーズで、子どもの入浴から保育園の送り迎え、保育園や小学校の役員や家事全般まで引き受けて、母親ばかりの中で奇異の目で見られた私の20年前から見れば、隔世の感とも言えますね。時代はようやく変わってきました。
小林議員は、プロフィールで記されているように、「父親支援を推進する議員連盟」の代表であります。もっともらしいのですが、私が小林議員の妻の立場なら、「飲み会ばっかり行くなら家事をやってよ」となるんじゃ無いですかね?お祭りも準備から当日まで一生懸命ですが、その間の子どもの世話や家事は結局は妻に降りかかっているんじゃ無いですかね?父親の育児参加で結局のところ家を空けるというのは本末転倒な感じですよ。
なにより、離婚して魚沼に残してきた二人の子どもの育児を全て離婚した元妻に押しつけているので、言ってることとやってることが正反対なのは、笑いを通り越して呆れてしまいます。さすが「ブーメラン民主党」仕込みですね。

・「しばたイクボス宣言」・・・端的に言えば、従業員に対して父親の育児参加を促す仕組みを採り入れた会社に対して、入札時に有利なポイントを与えるというプログラムです。
→金もかからず「やらないよりはやった方が良いかな」レベルで実効性は限りなくゼロでしょう。そもそも入札で売上が左右される業界自体が狭い上、「ポイント」が影響するのは土木建設関係くらいで、入札のほとんどの物品購入や業務委託などは関係ありません。土建関係の支持者の個人的な思いが前面出でてしまったものと思われますが、法的な裏付けが無い「理念的」な制度などクソの役に立ちません。
イクメン企業にファミリーフレンドリー企業、子育てサポート企業、くるみん企業にプラチナくるみん・・・我が社が新発田市第一号認定企業の県のハッピーパートナーなど、縦割りの弊害か、何が何だかさっぱり解りません。
言えていることは、頭の良いお役人が制度をどんなに作っても、笛吹けど踊らずの現実!
企業経営者の視点で論じさせていただけば、今の日本は男性を採用した方が絶対にトクですし、残念ながらそれが現実です。
我が社は女性社員の就業支援策を総動員していますが、育児で犠牲になるのか必ず母親側です。実際に育児の問題で時短勤務を行っている社員がいました。1日4時間にしてほしいと申し出があり、認めました。更に週3日勤務にしてほしいとの申し出で認めました。更に3日のウチ2日を在宅にして欲しいというので認めました。その間、ご主人側の企業は何も策を講じていません。姑は「母親なんだから無理に働かなくてもいい」と言われ、ご主人は毎日「仕事が忙しい」と家事は一切やらないばかりか、「おまえが仕事辞めれば」と言われる始末。「イクボス宣言」などは実効性が伴わないのは火を見るより明らかと言うものでしょう。
小林氏はせっかくこの部分をアピールするんだから、「入札ポイント」でなく「入札資格要件とする発注率を50%以上とする」位の覚悟があっても良いかと思います。
いずれにしろ、政策設計の咀嚼が出来ていません。

・「放課後子ども教室・放課後児童クラブの拡充」・・・児童クラブの無償化
→現在、小1ショックなる単語が問題になっています。保育園は急速な整備によって、新発田では待機児童は解消していますが、卒園した子どもたちは小学校入学に伴って、放課後学童保育が必要になります。
隠れた問題はここなんです!
新発田市も子どもの受入数が定員を上回り、狭隘化が問題になっています。住吉第二児童クラブなどの増設行っていますが、今後、児童クラブの定員問題は確実に顕在化します。
特に、指導員の確保は危機的と言えます。
非正規で短期で契約更新して1時頃から6時頃まで、月あたりの手取りは10〜12万そこそこ。
これじゃ若者から搾取と言われてもおかしくないです。完全に「官製ワーキングプア状態」!
民主系の候補なら「指導員の拡充と待遇改善」を訴えるべきですね。
また、「児童クラブ無償化」ですが、元々、児童クラブはほぼほぼ無償なので一体何の政策なのか意味不明です。おやつ代を無償化するというなら、「受益者負担の原則」から考えても明らかにおかしいです。
無償化を訴えるなら、私も再三提案している「小学校給食無償化」を打ち上げるべきだったと思いますね。

小林議員は現在進行形の育児中な訳ですから、もっと世の中の仕組みや背景を勉強すべきですね。せっかく注目されてもこれでは「中途半端」「何言ってるのか解らん」「キャッチだけで中身なし」と捉えられるんじゃ無いかと心配しています。

国から県から金持ってくるぞ!しか言ってない「昭和の古き良き自民党のキャッチ」を前面に訴えている現職に対抗するなら、もう少し斬新で「夢に酔える政策」をしっかりと設計して訴えて欲しかったです。