新発田市長選の候補予定者の討議資料から見る「訴えている政策」の中から「街づくり」関連を読み解いてみます。
いわば市長が描く近未来のグランドデザインですので、「政治のことは良く解んない〜」と言う、やや距離を置いている方は、是非とも、この政策の比較だけは見て欲しいです。
なぜなら、真っ先に「自分の生活に影響しますから」ね!!

二階堂馨氏
下記が記載事項です。
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2期8年の実績の中に4項目が記されています。
・新市庁舎「ヨリネス」、防災公園「アイネス」、駅前複合施設「イクネス」(図書館・子育て支援施設など)を建設しました。この結果、平日市街地通行量は11.5%増加しました。
→二階堂市政2期目に一気に整備が行われた「3ネス施設」ですが、市民からは「ハコ物建設」と冷ややかな声があります。「新規ハコ物整備案件の嫌いなスタンスを取る小柳市議は何で反対しないんだ!」「二階堂に取り込まれたんか?」とお叱りの声もいっぱい頂戴していますので、このあたりのカラクリも説明しますね。

◇先ずは、新市庁舎「ヨリネス」ですが、以前の新発田市庁舎は昭和39年に火災で焼失し、突貫工事で昭和41年に完成させた「老朽かつ狭あいに加え、耐震基準を満たさない」かなり危険な建物でした。建替計画自体は平成4年からスタートして、前片山市長時代の平成22年に「新庁舎建設推進本部」の設置によって具体的な移転建設の計画作業がスタートしました。当時の二階堂市長は、二元代表の反対側の市議会議員でしたので、市側をチェックする立場だった訳です。

その後、図書館裏の駐車場や商工会議所、その時の市役所庁舎に新庁舎を建設するというのが、片山市長時代の「ある種の既定路線」でした。(土地所有者などその場所を強く望んだ、取り巻きとの背景なども色々とはありますが割愛します)
それに噛み付いたのが二階堂氏です。
レームダック化した片山市長は引退し、「新発田駅橋上化」を争点にして、平成22年11月の市長選に突入し当選したのが二階堂氏です。
市長に就任した二階堂氏によって「ご意見番」が総入れ替え状態となり、市庁舎は、最終的に建設地に選ばれた 峙貉唆伐餞枩彙話鷦崗譟廖当初の既定路線だった◆峙貉堋舎及び図書館裏駐車場」、そして現在は老人福祉施設が建っている「中央高校グランド跡地」の3カ所に絞られました。
市民から期待の高かった「旧県立病院跡地」(現在のアイネス)に関しては、県の1億円という「破格の激安払い下げ」の条件が「災害時に避難地又は拠点となる防災公園を整備すること」だったことや、城址公園の場合は、条例による高さ制限から2階建てが限界で「莫大な床面積」となることから、以上の3カ所で「市民アンケート」が行われ、結果的に現庁舎の場所に決まった経緯があります。

続いて財源ですが、国主導による平成の大合併によって、豊浦町と紫雲寺町、加治川村が合併した際、国は得意の「アメとムチ作戦」で「合併特例債」という、餌を全国の自治体に蒔きました。
広域合併を行った自治体にはその人口規模や面積などを勘案して、「ハコ物建設資金をめぐんでやる」と超甘い特大のアメです。

元来、有利な財源と言い、「国から降ってくるカネ」を待ちわびていたヒラメ的な新発田市はこれにパックと飛びついた訳です。
建設費など事業費の95%を市債発行すると、国が後々、返済の70%を交付金でめぐんでくれるというものですので、例えば新発田の場合、ざっくり50億円の新庁舎建設とした場合、47億5000万円を市債(借金)発行すると、33億2500万円を国がお小遣いとして借金返済を肩代わりしてくれます。つまり、50億円の投資に対して市は16億7500万円しか払う必要が無い訳です。
新発田市は、市庁舎建替が長年の懸案だったので、庁舎建設特別会計(積立金)が充分にあり、結果的にこの貯金を10億円以上残せたわけです。

借金をした方が正義みたいな話ですので、私が市民に説明するときは、「1000万円の家を立て替えるとき、国がローン返済に協力してくれて、あなたは335万払えば新築できますよ!」と甘い誘惑があれば、建てない訳にはいかないと思いませんか???そんな説明をしています。
要は二階堂氏は史上最強の「強運の持ち主」なのです。
市庁舎建設計画をスタートさせたのは近市政、片山市政で具体策や調整を終えて、一番おいしいところ(建設選定・発注&予算執行)は二階堂氏な訳です。なんだか織田信長〜豊臣秀吉〜徳川家康みたいな流れですね!私的には一番不運なのは晩節を汚した片山前市長だと思います。

◇防災公園の「アイネス」は文中に触れましたが、これも「東日本大震災後」の防災意識の高まりで特別に神風が吹いたみたいなものです。おまけに地中の汚染物質の処理まで県持ちですから、あれだけの土地をタダ同然で貰ったみたいなものです。これも、強運と私が言う所以。

◇駅前複合施設「イクネス」は更なる幸運な案件です。以前から手狭になっていて、歴史的な古文書や文化財の展示もままならなかった旧図書館は、建替又は増築の要望が出ていましたが、図書館整備には「国からの補助金メニューが殆ど無く、市単独の予算で整備する必要があり、「現状ではほぼ無理」とも言える状況でした。
一方、駅前には、かなりの広大な遊休地があり、それぞれ市の他、石井組とイオンが所有していました。こちらの方は、石井組が中心となって、駅前活性化のかけ声の下、官民で再開発を行うというものでした。しかしこちらも財源の問題からさしたる進展はありませんでした。
そんな折、偶然、「駅前の遊休地に官民共同で再開発を行う場合は、補助金を事業費の半分を出してやる」と言う、嘘のようなホントの話!が舞い込んだ訳です。しかも全国的にも新発田だけ状態。
イクネスは整備要望の大きかった旧図書館から、一般図書を駅前の新図書館に移転させて、空いた図書館を「歴史図書館」として分離整備。新図書館には、耐震基準を満たさず老朽化していた「子育て支援施設」や食育の拠点を同時に設けると言う案です。(私が強力に提案した音楽スタジオも入れてくれました)
これもなかなか強運でした!
事業費をざっくり30億円とすると、半分の15億円を国からの「地方都市リノベーション事業債」で賄い、残った15億円を合併特例債で95%市債発行し後々70%がもらえると言うことは、約5億250万円つまり、事業費の17 %ほど負担するだけでハコ物を建てられる訳です。
1000万円の自宅新築に置き換えれば、国が830万出してくれて170万円だけの自己負担となります。
こうなると、ハコ物行政の真犯人は国にある訳で、やらない方が損をしてしまうと言う、一般市民には理解不能な摩訶不思議なカラクリな訳です。


以上が、「3ネス施設」建設の裏事情な訳ですが、結局のところ、どう考えても二階堂氏は「強運の持ち主」という結論なのです。
市長は自らが作ったと実績を訴えてはいますが「新市庁舎」は歴代市長が、「防災公園」は東日本大震災のおかげで県から、「駅前複合施設」に至ってはまさに“ミラクル”レベルで国から降ってきた。

運も実力のうちですが、小学校の耐震化もしかり、地震によって降って湧いた国からの施しを、市長が在任期間中に予算執行できるというのは、笑っちゃう位の強運です。(羨ましい限り)
まあ、このあたりの財政出動はゆうに100億円を超えています。新発田市の年間予算は400億円強ですから、これほどのバラマキをわずか4年で執行できたのですから、基本的に経済界は逆らえない訳です。おまけに石井組の駅前「塩漬け土地」もある意味の貸しになりますから、一石二鳥ならぬ一石三鳥デス。

だから、二階堂市長の3期目は苦しくなるのは必定なのです。
国からの施しメニューはそろそろ終わりが見えてきています。私が「市長選出ないのか?」と言われても「勝ち目が無いでしょ」という理由はここにあるのです。小林氏は「こんな状況で良く勝負賭けたな!」とその無鉄砲ぶりには感心しちゃいます。
冷静かつ普通に考えれば、市民の税金や貯金(特別会計)の減少を最低にしつつ、これだけのハコ物整備をすれば、実際のところ誰も困る人はいませんからね〜。(国レベルでは孫子に借金を残しまくってる)

最後の「JR新発田駅」周辺事業は、橋上化を取り止めたことに対する、贖罪みたいなもんです。
公共施設のバリアフリー化は、ある程度自治体に課せられてますので、JRが民間企業といえども、エレベーター整備や地下道のリニューアルはマストになります。
それでも、当初約束した「地下道のモニタを警察にやって貰う」という訴えはいつの間にやら消えてしまいました。その後の「市役所でやる」という約束も未だ果たされてはいませんから・・・。

私は「街づくり」に関して、行政コストを最小にしてきめ細かいサービスを提供するためには「市民協働の仕組み作り」や免許返納と一体の「持続可能な公共交通の整備」が2大重要テーマだと思っています。

両氏とも、公共交通の確立は「ちょっとだけ」は触れてはいますが、具体策は何も示していません。
このあたりが、財政出動も期待される上、なかなか一筋縄ではいかない票にならない難題です。この先10年を占う、街づくりの肝なのに、この辺りをもっと発信して欲しかったですね!


超長文記事にお付き合いいただきありがとうございます。

私の記事が政策選択のヒントになればとてもありがたいことです。