名前はイニシャルに変えていますが、実在する方です。
政治を志そうとしたところ反対に遭って諦めたとの事です。
私のHPの記事を見てメッセージをくださりました。
昨今の政治状況は、特定の環境のある人間だけが担当する閉鎖環境にあります。このような志のある方には是非、諦めずに挑戦して欲しいです。

メッセージ▼
はじめまして、Nと申します。 小柳様の[新発田市長選挙運動の総括投票日前夜11/18 運動終了を受けて作成] を読み、感動したのでメールさせていただきます。 漠然と私自身も政治に興味があり、色々と政治や立候補について調べて、家族にその事を話したところ、大反対された事がキッカケです。 [家族 立候補 反対]と某検索サイトで検索してみたところ、小柳様の上記PDFが出てきた次第でございます。 私が家族の反対で「やっぱり政治家になるのは、世襲環境みたいに周りに理解が無いと無理だなぁ」と環境のせいにしてアッサリ諦めたにも関わらず、小柳様の勇気ある決断に憧れを感じました。 ITも積極的に取り入れた政治活動にも、親近感を覚えます。 私は遠く離れた地域のため、支援する事は難しいですが、応援しています。

小柳はじめの回答▼
実は「政治に興味が無い」というのは大きな流れではありますが、まだまだN様のように「一歩が踏み出せない」という方は多く、その理由や背景は、同じような方が多いと思います。

一般的に「政治は金が掛かり特殊な人のやる事」と言った誤った概念は、今だに多くの国民が強く認識しているところです。
選挙に出るために失うものは下記しかありません。
・最低得票数に満たなく落選した時の供託金
・落選時のプライド
・必要以上に投入した経費

今回の統一地方選で話題になった「25歳ニート」の方ですが、千票以上も得票していますので、供託金は戻ってきます。
これは、以外に知られていない現実ですが、例えば10万人の有権者がいて、20人の市議を選ぶとします。
投票率が仮に50%とすれば、有効投票数は5万票です。
無効などが無い場合、これを当選者数で割ります。
この場合、2500票となりますが、没収されるのはその10%に満たない場合です。
よって250票が没収ラインとなります。
このラインを超える事を「法定得票数に達した」と扱われます。
つまり、当選するべき権利を得た事になります。

首長選挙など1人を選ぶ選挙の場合は、上記の場合、人数割は無くなりますので、5万票の10%即ち5000票が没収ラインとなリます。
このライン即ち「法定得票」を超えた場合で次点だった場合、万一当選者が失職したり(選挙違反など)運悪く亡くなった時などは、3ヶ月以内なら法定得票をクリアしていますから繰り上げ当選する訳です。

私の場合もそうでしたが、市長選などで無投票になる時などは、必ず、選挙を出来ない不満や、現職の驕りに対する警戒感があるため、たとえ、泡沫であってもそれなりの支持は得られるものです。

私の場合は、連続無投票で市長選出を狙う高齢の現職市長に対して、「無投票はほぼ決まり」という、街が落胆に包まれた時、奇襲攻撃を仕掛けました。

結果は現職約2万票に対して私が約1万票。
勿論これは、私に対する信任票ばかりで無く、現職を落としたい気持ちや、現職にお灸を据える意味があるのです。

その時の市長は、その後、レームダック化して次回の選挙は関わりませんでした。
それによって、やや独裁的になっていた市政が正常化したり、その後、官製談合事件が表面化したりと、大きな効果がありました。

私は、「良くやってくれた!」「元気の良い若い者もいるのだな」など、大きな反響を戴き、その直後も、予定していた市議選には立候補せずに、敢えて無投票の県議選に立候補したのです。
県議選は3人を選ぶ4人の戦いでしたが得票は5千票でしたから、言い方を変えれば、この5千票=5千人が批判票という訳で無く、私の名前に期待した人となります。

選挙の障害で一番大きいのは「プライドの毀損」です。
家族の反対は多くはこの部分です。
「あそこの家の変な人」と言われるのがイヤなのです。
もう1点は食いぶちです。
私は、県内に広く分布する個人客相手の仕事でしたから、あまり怖い事はありませんが、事業を営んでいた場合は、様々な妨害や嫌がらせのオンパレードとなります。
この圧力は本人ばかりで無く、親戚一同や友人にも及びます。

私もこの立候補で、団体や会社の仕事を相当数失いました。
私の場合は自らが創業者でもあったため、社員の反発はありませんでしたが、この経済的な嫌がらせによって、会社の売上が激減したりもします。

その他にも様々な妨害が有り、正直怖くなります。
「住めなくしてやるぞ」くらいは序の口!
私の場合は、選挙のポスター印刷で内諾をもらった会社が、市長サイドから(市長の選挙を行う取り巻き)圧力を受け、「申し訳ないが」と市内の印刷会社は全て受けられない事態となった事を聞かされました。

だったら市外の印刷会社に頼めば良い事だけなのですが、こういった圧力は結構ジワジワと「堪えます」。
あんなに腹を割って話せた友人が「生活のため」と離れていったりもします。
私は市政に対する思いを真摯に話した上、それでも離反していくものは「それだけのもの」として、とやかく言わない事にしました。
それぞれに事情がありますから・・・

選挙に出るという事はこのような、様々な妨害や圧力をはね除け、志や、街をこのようにしたいと言った強固な思いをもって、共感を求める事でもあります。
不思議なもので、それを貫けば支持は自然と集まるものです。

私の市長選の時は、勝った市長サイドの選挙事務所の開票風景は、まるで「お葬式」のようだったそうです。
一方、負けた私の事務所は逆に「歓喜の渦」でした。
事実上、「現職の負け」と多くの市民が思ったそうです。

市民も、選挙結果に対して、非常に好意的でした。
但し私の場合「漠然とした公約」でなく、かなり実現可能性が高い「完成度の高い公約」であったことも大きかったと思います。

ただ、無投票阻止だけでは、批判票は集まりますが、信任票は集まりません。


続いてのネックは経費です。
選挙は、今の時代大きく変わる過渡期に有ると言えます。
低調な投票率や無投票の続出を見ての通り、ハッキリ言って「政治が機能していない」状態なのです。
選挙を今のような組織万能型でやっていたら日本の地方政治は何れ必ず破綻します。

組織=会社ぐるみ=地域ぐるみで行うのが従来型の選挙でした。
社員は社長の言う事を聞き、住民は自治会の決定に従い、家族は家長である「親父」の言いなりになるという事です。

しかし、そのような「幻想」は音を立てて崩れています。
社長が○○に投票しろ!と言って言う事を聞いたのは、その裏に会社の運営や売上に政治家からの見返りがあったからです。
それも、今の時代は談合なども厳しく取り締まられますし、電子入札など入札ルールの透明化で、政治家のさじ加減は効かなくなりつつあります。
そうなれば、企業だって、資源を提供したり投入する意味は無くなります。

今も選挙を支えているのは建設会社の営業社員などですが、以前のように談合も出来ませんし、正直「今までの流れでやっている」と言うのが現実であり、見返りが要求できない時代になったのです。

家族でも同じでしょう。
お父さんの言う事が全て通るのは過去の話。
実際は母娘のラインで家族の意志決定はなされています。
地域も同様です。コミュニティーが希薄化した今の時代、町内推薦だからと言ってちゃんと推薦候補に投票する住民がどれだけいますか?

私は今までの投票率が「良かった」のでは無く、今までの投票率が「良すぎた」のだと考えています。
結局「誰から言われたから」と個々が自分の責任の上で、政策を見極めて投票していた訳でも有りませんし、近代法における、民主主義のルールを理解していない国民が多すぎるのです。

ある意味、そのような「強制された投票」から解き放たれた結果、今の低投票率になったのだと考えられます。
しかし、投票権が18歳に引き下げられた事を機に、確実に流れは変わると思われます。

今の「オヤジ型政治」(茶坊主政治と言う方もいた)は、国の成長モデルが成立し、人口ボーナス期だけにあり得る「奇跡的な現象」でもあります。

そういった意味で今の「若年層」の方がまともな気がします。
今回、ネット選挙がようやく解禁されましたが、18歳への引き下げで確実に大きく潮目が変わるでしょう。
私は18歳の投票率は驚くほど高くなると確信しています。
併せて、投票もネットや郵送なども拡大すべきです。
今時、小学校単位で人海戦術で紙で投票をやっている事自体が笑止でもあります。

よって、脱組織型選挙になれば、選挙経費は驚くほどかかりません。
今の日本は「公営選挙」の考え方で、アメリカのような、巨額の資金を背景にビジネスチックに遂行する方法ではありません。
例えばポスターは殆ど公設掲示板が決められており、資金力に応じてポスター枚数が左右される事はありません。
今回私は3人の候補者で、お互いに得意な地域をバーターで貼り合い、時間とコスト削減を実行しましたが、経費をかけない方法はまだまだいくらでもありそうです。

選挙カーだって公費助成があります。
豪華にすればキリがありませんが、レンタカー会社には、アンプやスピーカーをセットにした車輌の用意もあります。
私は、12年前から一貫してタクシーに委託しています。
1時間当たり6000円で、1日11時間依頼して6600円これが7日間ですが、自己負担はたったの1万円程度です。
選挙用ハガキは2000枚まで無料で出す事が出来ます。
印刷は自費ですが、ワードで作ってプリンターで刷ってもOKです。

更に自治体によっては、全戸配布の選挙公報で自分の政策をPRすることが出来ます。
この「広報」は非常に大きな効果があります。
有権者にとっては「政策のカタログショッピング」のようなもので、人柄や訴えている政策など自由にアピールする事ができます。

今まではネット選挙が出来ませんでしたので、これからは、斬新なポスターで「webにアクセス!」と誘導して
広報やweb画面でいくらでも自分の思いを伝える事が出来るのです。
これは画期的な出来事であります。

もちろん動画アップも出来ますから、自分で番組を製作して放送する事だって出来る訳です。
これからはアイディア次第で大きなチャンスが与えられるのです!


是非、プライドを脱ぎ捨て、後戻りの出来るように、経費をかけずに、webを最大限活用されて、省エネ選挙を実行したらどうでしょう。
今の有権者は「若さや行動力」に渇望しています。
妨害するのは必ず「旧来型のオヤジ達」です。

有権者は以外にシビアに見ています。
是非、臆せずに政治の世界に挑戦してみてください。
そうやって行動する事が、新たなムーブメントを起こして、それが大きな波となって時代を変えていくのです。

もう一度言います。
18歳投票権の変更は大きな変化の潮目となります。
それまでの時間で、ご自身の地域の良いところ悪いところをシビアに分析し、それに対する処方箋と、どのように街を運営していくのかを明確に整理して、先ずは周囲の人に話してみてください。
必ず、決心が出来る内容のマニフェストが出来ると思います。

ご健闘を祈ります。