Damn Right I've Got the Blues
第17回目は「BUDDY GUY (バディ・ガイ)」です。


Buddy Guy
(バディ・ガイ )
バディ・ガイ
1936年 7月30日
ルイジアナ州レッツワース生まれ

本名は ジョージ・ガイ

  
  1958年、オーティス・ラッシュの紹介でコブラ・レコードと契約。
傘下のアーティスティック・レコードからシングル"Sit And Cry (The Blues)" b/w "Try To Quit You Baby"でデビュー。
このセッションではバディは歌のみで、ギターはオーティス・ラッシュが弾いたようです。

 1959年にコブラ・レコードが倒産、チェス・レコード と契約。
チェスでの初セッションは1960年。
 同レーベルには1967年 まで在籍し、"First Time I Met The Blues" を始め、彼の個性が開花した名作を多く残しています。

 1960年代後半からジュニア・ウェルズとデュオでの活動もするようになりました。
デュオ名義の作品としては、"Buddy And The Juniors"(1969年)、 "Buddy Guy & Junior Wells Play the Blues"(1972年)などがあり、後者には、エリック・クラプトン も参加。

 1970年代、バディはこの他、JSP、ブラック・アンド・ブルーなどからアルバムを発表。
しかしながら1980年代に入ると、活動の場は減ってしまいます。

 1981年、そんな不遇時代にリリースされた "Stone Crazy" は、フラストレーションの塊の様なものが渦巻いていて、ある意味凄みのあるアルバムです。
通して聴くと、バディのハイテンションな歌とギター、随所に入るうめき声?(笑)に終始圧倒されます。
私的には、聴くタイミングが問われるアルバムですが、一聴の価値ありです。
機会があったら、ご紹介したいですね…。

 1991年、今回ご紹介する「 Damn Right, I’ve Got The Blues 」をリリース。
ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、マーク・ノップラーの参加もあり、ロック界からも注目を集めました。
シルバー・トーン・レコードに移籍後初の、生き生きした バディ を堪能できる良盤です。
 
以下、主なディスコ・グラフィーです。
1967年 I Left My Blues In San Francisco (Chess)
1968年A Man And The Blues (Vanguard)
1968年 This Is Buddy Guy (Vanguard)
1972年 Hold That Plane (Vanguard)
1974年 I Was Walking Through The Woods (Chess)
1979年Buddy & Phil Guy (JSP) ※弟フィルとのデュオ
1980年 Pleading The Blues (Evidence)
1981年 Stone Crazy (Alligator) 
1988年 Breaking Out (JSP)
1991年 Damn Right, I’ve Got The Blues (Silvertone)
1993年 Feels Like Rain (Silvertone)
1994年 Slippin' In (Silvertone)
1996年 Live: The Real Deal (Silvertone)
1998年 Heavy Love (Silvertone)
2001年 Sweet Tea (Silvertone)
2003年 Blues Singer (Silvertone)
2005年 Bring 'Em In (Silvertone)
2006年 Messin' With The Kids (Castle)
2008年 Skin Deep (Silvertone)
2010年 Living Proof (Jive)

それでは、アルバム「 Damn Right, I’ve Got The Blues 」 の、私の曲ごとの感想です。

 1、「 DAMN RIGHT, I’VE GOT THE BLUES 」 バディ自身の曲。
ミディアム・テンポのリズムに、ヒステリックなヴォーカルが絡みつく。
重くファンキーなグルーヴを支えるバックには、あの"リトル・フィート"のリッチー・ヘイワードがアルバムを通してドラムスを担当!
そして、ベースのグレッグ・リザーブ、ギターのニール・ハバードとの三人をバックに固定させる事で、バディの歌とギターが自由さを増しています。
ワンコード部分でのギター・ソロが聴き所でしょうか。
また、この曲ではクレジットされていませんがピアノも入っています。
この曲の、Youtube動画を貼っておきますのでご覧下さい。
お茶目ですよね~!スタッフ泣かせのパフォーマンスです。(笑)


 2、「 WHERE IS THE NEXT ONE COMING FROM 」 ジョン・ハイアットの渋い曲。
バック・コーラスのゴスペル風なニュアンスと、メンフィス・ホーンズも入って、重厚な感じに仕上がってます。
ギターはマーク・ノップラーが参加してまして、何とも気だるいフィールを醸しだしてます!
バディのシングルコイルとは対照的な、艶っぽいトーンで曲に色合いを加えてますね~。

 3、「 FIVE LONG YEARS 」 BB・キングや、マディ・ウォーターズでもお馴染みのスローブルーズですね。
エディ・ボイドの曲と言うこともあり、ピアノ、オルガンが良い味出してまして、そこにシャウトするVo と、ストラトのシングルコイル特有のトーン…堪りませんね~!!
途中ピアノソロが入り、その後、押さえ気味のギターソロ…。
終盤盛り上げた後の、エンディングの辺りは渋いですね~。(笑)

 4、「 MUSTANG SALLY 」 サー・マック・ライスのオリジナルにして、ウィルソン・ピケットや、サム&デイヴを始め、様々なアーティストが取り上げ、大ヒットした曲。
ホーンや、バック・コーラスが入る事により、厚くソウルフルです。
ギターにジェフ・ベックが参加しているのですが、ワンフレーズ聴いただけで、分かってしまう程の個性的なギタリストはそうそう居ませんよね?
終盤のソロは秀逸です。

 5、「 THERE IS SOMETHING ON YOUR MIND 」 ビグ・ジェイ・マックニーリーのヒット曲で、R&Bのスタンダードですね。
ここでは、囁くような甘いヴォーカルを聴かせてくれます。
メンフィス・ホーンズや、オルガンをバックに、終始、柔らかめのトーンのギターを奏でてます。

 6、「 EARLY IN THE MORNING 」 ルイ・ジョーダンの曲を、4分の3拍子にアレンジ。
ホーンとバック・コーラスで、ここもR&Bの色濃いサウンドです。
ギターでエリック・クラプトンが参加していまして、オブリ、ソロともに" クラプトン節 " 炸裂!!
"Buddy Guy & Junior Wells Play the Blues" の時も含めて、良い仕事してますよね~。
バディへのリスペクトが窺えます。

 7、「 TOO BROKE TO SPEND THE NIGHT 」 バディ自身の曲。
始めから終わりまで、ハイ・テンションなギターと歌が聴ける、これぞ" バディ " と言えるナンバーでしょう。
マイナー・ブルーズなんですが、一音半チョーキング連発で緊張感を高めるあたりが、バディの真骨頂かも知れません…。
豪快に引き倒してます!!(笑)

 8、「 BLACK NIGHT 」 チャールズ・ブラウンの曲。
ドラムのブラシを使ってのプレイに、ピアノとオルガンも良いムードです。
スローなテンポのリズムに、時折" Tボーン・ウォーカー " 風なフレーズを覗かせ、ファットなギターが曲とマッチしてますね~!
さり気ないフェイド・アウトも渋いです。 

 9、「 LET ME LOVE YOU BABY 」 ウィリー・ディクスンの曲で、バディの" 十八番 " です。
グルーヴするシャッフルのリズムに乗って、気持ちの良い歌とギターが聴けます。
理屈抜きに乗ってしまう曲ですよね~!!
このブログの#3でご紹介している、スティーヴィー・レイヴォーンも得意としていたナンバーです。 

10、「 REMEMBERIN’ STEVIE 」 最後を飾るのは…レイヴォーンへの追悼の意味を込めた、インストです。
静かにコード・バッキングから始まり、徐々に気持ちを入れていき、思いの丈を込めて一音一音かみ締めるようなプレイに心打たれます。
ストラトの絶妙な… トーンを堪能できます。
何とも艶のある音とフレーズは、ギタリスト必聴ですね~!!


バディ・ガイといえば…
ジミ・ヘンドリクス、スティーヴィー・レイヴォーンをはじめ、多くのミュージシャンに影響を与え、近年はシカゴ・ブルース界を盛り上げている存在です。
バディガイ・レジェンドまた、シカゴ市内でブルースクラブ「バディ・ガイズ・レジェンズ」を経営しており、シカゴの名所のひとつとなっています。

私的には、十数年前、幸運にもジャパン・ブルース・カーニヴァルでバディを生で観れたのですが、出てきて一瞬にして、場の空気を"バディ・ガイ"一色に変えてしまいました!!
持ち前のハイ・テンションな歌とギターで、オーディエンスを魅了する…まさに "エンターティナー" と形容するのに相応しいですね~!!

人気ブログランキングへ
↑  ↑  ↑  ↑  ランキングに参加しています。
「ポチッ」と、応援クリックを宜しくお願いします。
更新の励みになります!


お気軽にメッセージやコメントもどうぞ~!!

↑クリックでAmazonのサイトへ